[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

今週は、先週ご紹介した「ちょっとこわいお姉ちゃん」と仲良くなりたいミナトくんの、おじいちゃんとおばあちゃんちの猫をご紹介しましょう。
おじいちゃんの名は「まんさん」。おばあちゃんの名は「るなさん」。
おじいちゃんおばあちゃんというには、まだ若く、「まんさん」「るなさん」というのは、猫仲間の通称。おたがいに「猫の父ちゃん」「猫の母ちゃん」と呼び合うほどの猫好きです。
3匹の家猫の中で、いちばん若いのは、にゃん太郎。まだ1歳です。



去年、外から保護して里親探しをして、まだ人馴れしていないうちにもらわれていきましたが、ひと晩で戻ってきました。
ひと晩じゅう鳴き続けて、可愛そうで見ていられないという理由です。戻ったとたん、二人にコロリとなついてしまいました。それで、もう里親募集はせず、家の子に。

にゃん太郎の先輩は、白黒のねねさんと、三毛のみうさん。ともに4歳。3年前、同じところからもらわれてきた保護猫同士です。



ねねさんは「写真？OKよ～」といったフレンドリーなおっとり猫さん。みうさんのほうは、「アタシ、一番じゃなきゃいやなの！」といった女ジャイアンさん。
うら若いにゃん太郎はお姉さま方にいなされている存在です。
「この3年で、3匹を迎えました。それぞれ個性的で、毎日笑っています」という、まんさんとるなさん。
じつは、バツイチ同士の再婚。
なれそめが猫！なんですって。

まだSNSが今のように普及していない10年前のこと。猫好きのオフ会で知り合ったまんさんとるなさん。
それぞれ若くして結婚し、バツイチになった同士、「若気の至りだった」と意気投合してしまいます。
るなさんのほうがずっと年上なのですが、一緒にご飯を食べに行き、猫話をしていると、とにかく楽しい！！
お互い、すべての猫を愛しいと思い、すべての猫のシアワセを願う同志だったでした。

5年付き合って、「猫くさいけど、部屋が空いてるから、うちで一緒に暮らす？」と、あうんの呼吸でるなさんが誘い、即OK.
「娘二人が成人したので、人生やり直してもいいかな、と」とるなさんは考えたそうです。
猫が結んだ縁で、一緒にいて愉しいなら、それはもう間違いなしですとも！

まんさんは、世田谷生まれの世田谷育ち。当時は杉並区に住んでいました。
はるばると、葛飾区へやってきて暮らし始めての感想は。
「まさか、こんなに猫の多い町とは！　世田谷・杉並に住んでいた頃、子どもと猫が遊ぶ風景なんてほとんど見ていなかった。ノラを見かけても、人馴れしていなかった。葛飾では、子どもと猫、お年寄りと猫の風景が日常。活気があって、暮らしやすい町でした」
そこかしこにのんびり猫がいる風景は猫好きにはたまらなくうれしいものでした。
「どうも彼は猫のいる生活に憧れてやってきたみたい」とるなさんは笑います。



家には、るなさんの次女が小3の時に拾った「るな」という三毛猫と、「みゅう」というゴミ捨て場に捨てられていた猫がいました。
るなは、この家で初めての猫。「おこづかいで面倒を見るから」と、長女・次女に懇願され、飼うことを許したお母さんのるなさんでしたが、約束通り二人のおこづかいは500円に半減したそうです。猫を迎えることの責任をちゃんと教えたのでした。



みゅうとるなを見送って、猫のいな生活に我慢できず、ねねとみうを迎えました。
あの家には「猫バカ」といっていいほどの猫好き夫婦が暮らしているという情報は、あっという間に葛飾猫の間で広まったみたいです。
いれかわりたちかわり、庭先に猫がやってくるように。どこかで産んで、少し大きくなったら、仔猫を連れてくる母猫も。

「このままでは、どんどん猫が増えていく」と、仔猫の保護・里親探しや母猫のTNRに本腰を入れたのは、昨年春のこと。
その前に、どんな猫が近隣で暮らしているのか把握するため、、猫のファミリー図と、保護計画を練った表がこれ。綿密です。





昨年からの1年で、ご夫婦で8匹もの猫の捕獲・手術を済ませたそうですから、頭が下がります。
同時に、仔猫の里親探しも。昨春3匹保護した兄妹のうち、2匹は同じところへもらわれていき、残りの1匹がにゃん太郎というわけです。
もらわれていった2匹の里親さんからはこんな写真とメールが届きました。
「兄妹で手をつないで寝ています。かわいすぎます！」
こんなしあわせ便りをもらうと、保護活動をやってよかったと心から思う二人です。



今も、TNR後の外猫たちの面倒を見続けるるなさんとまんさん。
毎日、ガラス越しにご飯を催促に来るちびちゃんは、3年前のある朝、まだ幼顔の時にお兄ちゃんと2匹で、「こんにちわ～」と庭に現れて以来の縁です。



ちびちゃんのお兄ちゃんも、チビちゃんたちを産んだ「おかあちゃん」も、元気に庭にやってきます。
庭の奥には、猫トイレも、寒い時の猫小屋も完備です。

一緒に暮らし始めて、10年。
「世界中の猫の父ちゃん」を自任するまんさんの猫愛は半端じゃありません。
「これからも猫たちのために、自分たちのできることを続けていきたい」という二人。
猫に縁を結ばれて、今は一緒に猫のしあわせの縁をつなぐ。
ほんとうにいい人生ですね！

「父ちゃん、母ちゃん、これからも僕たち猫たちのこと、よろしくね」と、にゃん太郎くんも言っています。




※お知らせ。
今晩28日20時から、ＢＳ日テレ・わんニャン倶楽部で、「サチと仲間たち・巣立ちの春」特集です。番組はきょうが最終回ですが、さっちゃんと仲間たちのことは今後もカメラスタッフが追い続け、特番もあるようですよ。
　「道ばた猫日記」でも、折に触れ、里山で支え合って生きるさっちゃんたちのことはお伝えしていきたいと思っています。

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化！