みにゃさま、こんにちは。
今回は猫さんではなく、わんちゃんのアニマルコミュニケーションにご応募くださったOさんのお宅へ訪問してきました。
いただいたご相談はこちらです。
犬
ルーク・男の子(お家大好き)
マロン・女の子(お散歩大好き)
共に10歳半です。
生後1歳になるまでゴミ屋敷で育ち、9年前、保護施設から家族に迎えました。
ふたり共とても賢くすごくいい子達で、日中はお家で自由きままに過ごしてくれています。
ですがここ半年ぐらい、マロンが夜家に居る時間(お散歩から帰って20時頃〜)落ち着きがなくなり、酷い時は2時間以上震え続けます。
吠えたり鳴いたりはしませんが、顔を強張らせて震え、こちらにすがって来たり、ひとりで耐えているような状態になってしまいました。
病院には定期的に通っており、健康面では特に大きな問題はないので精神的から来るものだと思います。
声を掛けて構ってみたり気にしないように放っておいたり......何をしても駄目で、疲れて眠たくなるまで落ち着きません。
どうにか不安を取り除いてあげたく、何が不安なのか......聞けたらなと思う毎日です。
ルークも家ではとても穏やかに過ごしてますが、家族以外の人が怖いようで、特に子供とボールに大きな恐怖心があるようなのです。
お散歩中に出くわすと、酷い時にはパニックを起こしたように逃げようとし、震え、心臓がバクバクしていてとても可哀想な状態になってしまいます。
基本的には家族を信頼してくれているとは思いますが、彼にとっての非常事態が起こると周りが見えなくなってしまうようです。
それだけのどんなトラウマがあるのか、どれだけ怖いのか......聞くことが出来れば、もっと気持ちに寄り添ってあげれるのにと言う気持ちでいます。
岩津さんのお力をお借りして、ふたりの不安を取り除いてあげれたらどんなに嬉しいか、ふたりの気持ちを聞かせて頂けたらと思い応募させて頂きました。
どうぞ、宜しくお願い致します。
玄関に入ると何度か吠えられましたが、私の匂いを嗅ぐと「うん。この人は大丈夫。」と受け入れてくれたルーク君とマロンちゃん。
左がマロンちゃん 右がルーク君
マロンちゃん
この後ルーク君は来客の時には必ずここ隠れる、という長椅子の下に入り私の様子を目で追っています。
マロンちゃんは側に寄って来てはくれますが、目を合わさず私を避けているのがわかります。
残念ながら、受け入れてもらえる=大歓迎ではありません。
知られたくないことを知られると察知するといつもこのような態度を取られます。
仕方ありませんがちょっと寂しいのが本音^^
さて、気を取り直してコミュニケーションです。その為にやって来たのですからね。
マロンちゃんは時間がかかりそうなので、ルーク君に話しかけてみました。
言葉数は少ないですが、賑やかなのが苦手だと教えてくれます。
子供が嫌いなのではなく、苦手なのです。
予測できない急な動きや大きな声、遠慮のない行動が苦手なようです。
今まで出会った子供が苦手という動物たちは皆同じ事を言っていました。
ルーク君は少し臆病な性格ですので、子供のこういった行動に敏感なのでしょう。
優しく細やかなところもあるので、その細やかさが働いているのかもしれませんね。
私のこともよく気遣ってくれました。ありがとう、ルーク君。
トラウマがあるわけではないのでOさん、安心して下さいね。
大好きなのは真夜中のお散歩だと教えてくれました。
人通りもなく、シンと静まり返った時間は怖がったり警戒心をもつことなく安心して歩けるそうですよ。
ルンルンととても嬉しそうに歩いている様子も見せてくれました。
これをOさんにお伝えすると、「じゃあ今夜も行こうか!」と苦笑しながらもルーク君と約束されました。
わざわざ夜中に起きてお散歩に連れて行ってもらえるルーク君、なんて幸せなのでしょう。愛されていますね。
ルーク君とのお話が終わり、マロンちゃんの元へ行きお顔をのぞき込むとすっと離れた場所に行ってしまいました。やはり拒まれています......。
マロンちゃん自らお話してくれることはなさそうなので、夜に震え続けている時の心の様子を見せてもらいました。
2007年 迎えたばかりの頃
山に囲まれた真っ暗な空。
何かの音が響き渡っています。
高い建物がない場所なので遠くに音が抜けます。
「これから私はどうなるの?」と不安と心細さに襲われ、体を縮ませ震えているマロンちゃん。
夜の山に響き渡る音はマロンちゃんの恐怖の対象、トラウマです。
半年前から震え続けているのは、永遠に続くかと思われたあの夜を思い出しているのです。
Oさんによると、夜回りの拍子木の音が聞こえた日から震えが始まったそう。
ここひと月で震える時間は徐々に短くなり間隔も空いてきたそうです。
山に響き渡っていたのが拍子木の音なのかは特定できませんでしたが、拍子木の音がきっかけで恐怖の日々を思い出したのは確かです。
「この震えはおさまるでしょうか?」とOさんは言われました。
人の愛情でトラウマは克服できると私は信じています。
このひと月で震えが減ってきたのがその証ではないでしょうか。
Oさん一家の愛情のたまものだと思うのです。
一緒に悲しんだり慰めるのではなく、
「もうあの日は戻ってこないの。だってあなたはここにいるんだから。大丈夫」
と心を据えてきっぱりと揺るぎない大きな愛情で包む気持ちでマロンちゃんに伝えて下さい。
(トラウマに関してはその時期と性格・環境によって対応が変わります)
お話を終えると、ほっとした表情のマロンちゃんとルーク君が、お散歩がてら駅まで見送ってくれました。
マロンちゃんが「ついて来てる?」と私を気遣って何度も振り返ってくれます。
改札を入ると姿が見えなくなるまでまっすぐ私を見つめてくれていたマロンちゃん。
「あなたはもう大丈夫」と私がアイコンタクトで伝えると、「うん、大丈夫。ありがとう」としっかりとした眼差しで返してくれました。
マロンちゃんもルーク君もOさん一家の愛情でもっともっとしあわせになれます。
より明るくよりしあわせな明日に向けての毎日の積み重ねですね。
Oさん、ありがとうございました。
Oさんから後日談をいただきました。
岩津さんに来て頂いてから4日、
内2日、ルークは夜中のお散歩(徘徊)へ行きました。
1日は家族総出(夜中に大勢で行くのは初めて)で行ったのですが、本領発揮!!と言う感じで、全身からルンルン♪♪が溢れ出ていました。
日中のお散歩では相変わらずビビってますが...(笑)
それも根っからの性格のせいなのだと、怖いトラウマがある訳でないと知れて、安心しました。
マロンも変わらず、夜になったら不安になる日があるのですが、何に対して「大丈夫」と言ってあげれば良いのか、岩津さんに教えて頂きようやく分かったので、出来るだけマロンの気持ちに寄り添い、見守っていこうと思います。
本当に、来て頂き、有難う御座いました。
とても感謝しています。
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写真
アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!
岩津 麻佳
2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。
HP
不遇な状況に置かれた動物たちがどんな思いでいるのか、胸にささる思いで読ませてもらいました。
捨てる人たちは、きっと「動物だから(辛いとかかなしいとか感情なんてない)、どこでも生きていける」とか思っているのかもしれません。私たち以上に感受性豊かで、聡明で、健気で・・・
同じ生き物として考える人がいてくれたら不幸な動物は減るのに・・・・。
こんなにも愛情をたくさんうけて幸せになったマロンちゃんもいまだに過去のトラウマにしばられ辛い思いをしてしまうなんて。
コミニュケーションが助けになり、もう二度とつらい過去を思い出す暇もないほど、幸せいっぱいになりますように!
by あずにゃん 2017-04-28 11:36
マロンちゃんとルーク君の保護されるまでの一年を思うと胸が痛みます。まだまだ辛い思いをしているねこちゃんやワンコ達が沢山居ると思うと人間の身勝手さに申し訳ない思いで一杯になります。
全ての命に穏やかに過ごせる場所が見付かります様に祈らずには居られません。
ご家族の皆様の思いやりに感謝しております。
マロンちゃんとルーク君、家族の皆様とお幸せに
by チェリー 2017-04-28 21:00
>あずにゃん様
様々な事情により動物たちに迷惑をかけてしまっているのは確かです。
それに対して私たち人間ができること、一人一人ができることをしていきたいですね。
by 岩津 2017-04-29 11:52
>チェリー様
私たち人間ふくめ、全ての命が穏やかにしあわせに過ごせること。私も祈ります^^
by 岩津 2017-04-29 11:55