[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2017年05月24日

なけばわかる、なにごとも

薄暗い夜道を歩いていると、何処からともなく聞こえてくる子猫の強いなき声。
「母猫に置き去りにされたのかな？」
辺りを探ると、予想は的中。畑の中でぽつんとなき続ける1匹の子猫を発見するのです。

いらっしゃーい！と歓迎を受ける。うれしー。

猫にまみれて

こどもの頃から犬や猫に囲まれる生活をしていたという田村かおるさん。畑の中で茶白猫「チャム」（18歳・男の子）を発見したのも偶然ではなかったのです。それまでに何匹も保護し、家族に迎え入れたり、里親さんを探したりの経験があり、猫の気持ちがわかっちゃうからでしょうか、田村さんはかわいそうな猫を放っておけない性分なのです。

お散歩シーン。

耳をすまし、

鳥を見つけて、ケケケケケ。

チャムを保護したとき、家には4匹の血のつながった親子（父、母、子ども2匹）の先住猫がいました。それはそれは仲睦まじく和やかな猫生活を過ごしていたので、突如あらわれた部外者のチャムに対して、当初は仲良くできなかったようでした。しかし、子猫時代暴れん坊だったチャムも、年月をかけて「猫社会」での協調性は身につけたのか、晩年はくっついて寝るまでになったんだそうです。しかし、人間に対しては......。

あきたー！部屋入るー！

猫の気分に合わせて

「チャムは隠れてしまうかも知れません。」事前に田村さんにそう言われていました。堂々と家族に物言うチャムですが、「お客さん」に対しては免疫がありません。それは田村さんの「知らない人はきっと嫌だろう」という優しさから、人間は家族と獣医さんぐらいしか接したことがないというのです。なので、この日の取材は「撮れたらいいなぁ」ぐらいの軽い気持ちで望みました。それがかえって良かったのか、思いのほかいい表情をおさめることが出来ました。へんに息巻いて行くと猫にプレッシャーがかかることもあるのかな？　撮影のコンディションもすべては「猫次第」、肩の力を抜いていこう！　チャムにはそんなことを教えてもらったような気がします。

落ち着くようにと隠れ家を作成。

万全を期す！

食事は、療法食ではなく市販のものを各5〜6種類常備。朝はスープ状のパウチを1袋＋カリカリ、夜は缶詰を1缶。田村さんが18年懸けてチャムの好みを研究し、セレクトした食事なので、食欲旺盛です。
それでも気になるのは「腎臓」機能。年相応の数値なので朝1回「セミントラ」（ベーリンガーインゲルハイムベトメディカジャパン）という腎機能低下を抑える薬を与えています。
そして田村さんが実行されているのは納得の「セカンドオピニオン」！　果たして「それがベストなのか？」と疑うのも飼い主の役目。動物病院もいろいろ、獣医さんもいろいろ、猫にとって出来ることはやっておきたい！と思うのはみにゃさん同じですよね。

オープンすると固まります。

動物病院へ行くと「若いー！」と黄色い声援で迎えられるチャムさん。毛艶、その体格からプロの目にも18歳に見えないのは、田村さんの努力があるから。

じつは抱っこが苦手......。

ちょっとぐらいいいじゃないの。

ニャーとなけば

「まるで人間同士のよう」と田村さんとの意思の疎通はバッチリ、「ニャーニャー」とものを言えば、なにをして欲しいのか？すぐにわかります。「なけばわかってくれる」というのは畑で保護されたときに味をしめた技なのでしょう。逆になかなくなったら要注意！　わかりやすいチャムだからこれからもきっと大丈夫。猫語がわかる田村さんに出会えて良かったね。