みにゃさま、こんにちは。
今回は、訪問アニマルコミュニケーションにご応募くださったKさんのお宅に行ってまいりました。
いただいたご相談はこちらです。
天(てん):オス、1歳3カ月 / 美子(みこ):メス、1歳半
大阪府松原市の近鉄河内天美駅で保護された仲良しニャンコです(兄弟ではありません)
保護動物の支援活動を行っている「一般社団法人エイベット」を通じて保護主さんと出会い、2匹を迎え入れてもうすぐ3週間です。
里親募集支援の記事はこちら
夫婦2人家族です。2人とも猫を飼うのは初めてです。
今はトライアル期間ですが、もうすぐ正式譲渡の予定です。
在宅で仕事をしているため、主に私がお世話をしています。
距離を縮めてこれているように感じてはいるものの、なかなか打ち解けることができず、彼らにとってイヤなことをしてしまっているのではないかと思い、日々の接し方に自信が持てません。
ケージの扉を開けて、1室内フリーにするところまで来ましたが、ケージの中ではご飯も食べて、ナデナデも平気なのに、外に出るとご飯も食べず、こちらが動くとすぐにビクビクして逃げてしまいます。
ゆっくり慣らすのがいいと頭では理解しているのですが、
このままだとご飯を食べずに弱ってしまうかもしれない、爪切りできずに肉球を痛めてしまうかもしれない、ブラッシングもできず毛玉を食べてしまうかもしれない......等々、彼らの健康がとても心配になり、お世話できないことを申し訳なく思ってしまいます。
本当に人に慣れてくれるのだろうか、室内フリーは早すぎたのだろうかと、ネットに溢れる情報に右往左往してしまい、何を信じたらよいのかわかりません。
やるせない気持ちで自分を責めてしまい、落ち込んでいます。
彼らの要求にちゃんと答えてあげたいんです。
お家で人間と過ごすのも楽しいよ、幸せだよって伝えたいんです。
どうすれば仲良くなれるのでしょうか。
どう接すればストレスを感じさせることなく過ごしてもらえるのでしょうか。
安心してこれからの猫生を過ごしてもらいたいのですが、
彼らは今、どんな気持ちでいるのか、我が家に何を求めているのかが知りたいです。
お部屋に入ると扉を開けたケージの中に天くん(クロ)と美子ちゃん(三毛)がいます。
こちらを見ていますが、挨拶をしながら近づくと後ろを向いてしまいました。
天くんは少し怖がっているように感じたので、「お話をしにきたよ」とだけ伝えケージから離れました。
ご相談文にはトライアルを始めてもうすぐ3週間とありましたが、訪問したこの日は7/26に正式譲渡が決まった後でした。
正式譲渡のお知らせの記事は
こちら
正式譲渡が決まった時には仕切り直しとして、正式に家族になった報告と、「お父ちゃん(ご主人)の還暦祝いを一緒にしてな」とご夫婦と2匹でお話されたそうです。
2匹との距離は少しずつ縮まっていて、Kさんが同じお部屋にいる時もケージから出てきてごろんと寛ぐようになりました。
ただ、ケージ内では触れますが、ケージの外では一定の距離を保っています。
誰もお部屋にいない時間、2匹は活発に遊んでいて物が落ちたり壊れたりもしているとか。
Kさんは2匹を迎えてから、2匹と同じ室内でお仕事をするようになりました。
ということは、ほとんどの時間を2匹と共に過ごしていることになりますね。
いつもの日中。
目の前にKさんがおられる一室で2匹は「見られている」と感じ、視線や動きが気になり落ち着きません。
Kさんはそのつもりがないかもしれませんが、ずっと見られている生活と2匹は感じています。
この生活にも慣れてきてはいますが、もっともっと仲良くなるには、家族になるには、一日も早い全室の開放がベストです。
そして仕事部屋を2匹のいるお部屋とは別にして、2匹だけの時間を作ることも必要です。
2匹に自由に選んでもらい、より寛いでもらうためです。
好きな時に好きな場所にいける。もし2匹と同じ境遇だとしたら、そうしたいと思いませんか?
自分の居心地のいい場所、安心できる場所を見つけ好きな場所で1日を過ごす。
会いたい時にKさんに会える。
虐待を受けた猫さんのように、大好きな飼い主さんの気配があり、守られていて自分の居場所があることが心の平和を保てる猫さんもいますので、ベストな環境は猫それぞれです。
インターネットには情報が溢れています。人から聞く情報や考え方も様々。
参考にしたり、お勉強するにはいいことも多くありますが、それに振り回されてしまい笑顔が無くなるほど心配で胸も頭もいっぱいになるのでしたら、情報の使い方・選び方が違うのかもしれません。
目の前にいる猫を見て、猫を信じて、何よりご自分を信じて下さい。
「自分だったらどうか」も考えてみて下さい。
もちろん、猫を迎えるには猫に関する基本的な知識は必要ですので、保護団体さん、獣医さん、シッターさん、ブリーダーさん等の猫のプロからの情報や経験談は学びになります。
十猫十色。
様々な境遇の猫に「絶対」や「100%」はないのかもしれません。
手探りで目の前にいる猫の「好き」を探し、「嫌い」を知るのも楽しいのではないでしょうか。
猫さんも一緒に探し物の協力をしてくれるかもしれませんよ。
Kさんから2匹への質問「好きな食べ物」と「うちに来てどう思っているか」には答えてもらえませんでした。
天くんがこちらにちらっと好意を見せると、美子ちゃんが「そんな簡単に笑顔を見せるなんて!」という圧力を感じて天くんが引く、を繰り返していました。
2匹の関係がよくわかり微笑ましかったのですが、答えてはもらえず。
読み取った形にはなりましたが、天くんは「甘いもの」、美子ちゃんは「歯ごたえのある大きめのもの」が好きなようです。
甘いものはお外で暮らしている時にどこかで口にしたのでしょうか。
うちに来てどう思っているかについては、ご相談いただいた時から今回の訪問までに2匹との距離が縮まっているのが答えですね。
Kさんから大切に思われていることを日々感じ、気持ちを受け取り、それが積み重なり信頼に変わったのです。
Kさん、天くん、美子ちゃん、ありがとうございました。
どんな家族の形になるのかこれからが楽しみですね。
Kさんから後日談をいただきました。
先日はありがとうございました。
あれから約2週間が過ぎ、2ニャンと我々との距離感がちょっとずつ縮まっているような気がします。
以前は、近づくとケージの上まで逃げていましたが、最近はちょっとだけ離れてこちらの様子を見て、そのまま座り込んだりします。ケージよりタワーや外に出てくる時間も増えてきました。
この週末には脱走対策の扉が完成したので、アドバイスに従って2階への開放を始めました。
おっかなびっくりで探検している2ニャンですが、夜中は階段を走り回って機嫌よく遊んでいます。
また、病院にも連れて行きましたよ。
天ちゃんは威嚇しつつ終始ビビりまくり、美子ちゃんは噛んだり引っかいたり大暴れで、かなり私も負傷しました。
病院では2ニャンとも猫をかぶって大人しく、先生には「いい子ニャン達やね~」と大変ほめていただきました。
そんなことがあったので、ちょっと嫌われたかなと思っていましたが、しばらく放っておいたら、夕食時には向こうからスリスリ甘えてきたので、大丈夫だったようです。
特に美子ちゃんは大きな変化が見られ、ずっとキッチンの奥に籠城していましたが、こちらが近づいても逃げず、そこでじっとおとなしくしていました。
また、扉の前に座り込んで、「通せんぼ」するんです。こんなことは初めてで、「ちょっと外に出たいから通してよー」と扉を開けてもずれるだけで動かない。おしりポンポンしても、体を撫でても逃げない。
何かを悟ったのか、多少こちらが何かをしても動じないようになりました。
美子ちゃんとはケンカ?を重ねると仲良くなれるというか、戦った後の彼女は心を開いてくれます。
彼女と一緒に何かを乗り越えているような感じです。
天ちゃんは全くそんな感じはないですけどね。
彼は彼のペースで、納得しながら距離感をはかっているみたいです。
劇的な変化はなく、ドラマチックな展開ではないのですが、
彼らなりに何かを感じながら、少しずつこちらに近づいてきているみたいで、
その感覚は主人とも共有しており、それを感じられる毎日がとても楽しいです。
冬にはコタツに入ってきてくれるようになるかな~と、ちょっぴり期待しています。
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岩津 麻佳
2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。
HP
うちにも三毛猫と男の子シロクロがいます。三毛ねーさんは美子ちゃんと同じように弟分に厳しく、人にもクールと甘えを気分で使い分けているような気がします。
天ちゃんは男の子ですし、きっと天真爛漫で甘えんぼのような気がします。ただ美子ちゃんの眼があるからセーブしてるのかも??(^m^)
こたつでみんなぬくぬく・・・!見られますよ!
by あずにゃん 2017-09-15 11:39
>あずにゃん様
こたつでぬくぬく、日本の冬のしあわせの象徴のひとつですね^^
by 岩津 2017-09-15 19:33