みにゃさま、こんにちは。
今回は、訪問アニマルコミュニケーションにご応募くださったSさんのお宅に行ってまいりました。
いただいたご相談はこちらです。
こまち 女の子2歳、
とらきち 男の子2歳 猫のきょうだいです。
現在1階2階住み分け中です。(週一だけ交代)
7月22日 こまちがアクシデントで、数時間外に出てしまいました。
その日の晩に保護できましたが、それ以来とらきちが威嚇してうまくいかず、家庭内別居中です。
その後威嚇なくなりましたが、とらきちは遊びたくてこまちをおいかけ飛びかかり、こまちは絶叫して逃げオシッコを漏らしてしまいます。
フラワーレメデイやフェリウエイなどいろいろ試しましたが、このまま住み分けを続けていく不安を抱えています。よろしくお願いいたします。
Sさんがこまちちゃんととらきち君に出会ったのは譲渡会でした。
生後5か月の姉弟として参加していたところを2匹一緒に迎えました。
事の発端は、こまちちゃんが紙袋で遊んでいたところ、紙袋の持ち手に頭がすっぽり入ってしまいパニックに。
そしてこまちちゃんは持ち手に頭が入ったまま、網戸を突き破って外に出てしまいました。
その日のうちに近所にいたこまちちゃんを発見し保護できましたが、かなりの興奮状状態。
興奮が収まるまでそっとしておこうと、Sさん一家は2階に身を隠したこまちちゃんからあえて離れて過ごしました。
こまちちゃんはその日の夜には落ち着き、2階から皆のいる1階に降りてきました。
しかし、その姿を見たとらきち君は今まで聞いたことのない妙な唸り声を出して襲いかかり、だんごになって取っ組み合い。
この日から今までこういう状況が続いているのです。
各々をお見合いのようにケージに入れてみたり、階を分け住み分けてみたり、住み分けの階を変えたり。
勧められたことは全て試しましたが、一向に2匹の関係は変わりません。
さて、仲の良い兄弟にいったい何が起こったのでしょうか。
現在は1階にとらきち君、2階にこまちちゃんという住み分けをしています。
2階にとらきち君を住まわせると、器用に梁を伝って1階に降りてきてこまちちゃんを襲ってしまうので、こういう住み分けになったそうです。
1階にあるリビングに入ると、とらきち君が奥のお部屋から出てきておでこごっつんぐりぐりのご挨拶をしに来てくれました。
あまえんぼでのんびりさんの弟気質に感じます。
神経が高ぶっている様子は無く、とても落ち着いています。
こまちちゃんについて聞いてみますが何も教えてくれません。
しばらく待ってみましたが話す気はなさそうなので、2階に住むこまちちゃんに聞きに行くことにしました。
「ようこそようこそ」と大歓迎してくれるこまちちゃん。
この一声とその様子でしっかりもののお姉ちゃんということがわかります。
ひとりで2階にいるのが寂しく、退屈しているのようです。
こまちちゃんと仲良しになったところで、弟とらきち君とのことを聞いてみました。
こまちちゃんは、
「ああ、そのことね。ったく、いつまで続けるのかしら。はぁー」
とため息をついてあっさり話してくれました。
深刻な様子は一切なく、「仕方ないわね」といった感じです。
「それよりさ、遊びましょうよ。ね!」とこの件についてはもういいから、とでも言うように遊びに誘ってくれます。
この2匹の温度差に驚きましたが、ふと1階を見ると、とらきち君が下からこちらの様子を伺っています。
とらきち君が2階にいる私たちの様子を知ろうと、こちらに向けて気持ちを全開にしていたので、先ほどまで閉じていた彼の心のうちが見え、すべてに納得。
とらきち君は、こまちちゃんが怖いのです。
7月のあの日、とらきち君には、興奮状態で帰宅したこまちちゃんの姿がまるで得体のしれない化け物のように見えたのです。
動物は生き物が体から発するエネルギー、オーラが見えます。
興奮したこまちちゃんのオーラはとてつもなく大きく激しく、いつもの優しいお姉ちゃんのそれとは全く違うものでした。
この時の印象と恐怖が今も目と心に焼き付いていて、いつかまた化けの皮がはがれるのではないかと恐ろしくてたまらないのです。
とらきち君は、もともと怖がりさんです。
初めての人や初めてのこと、自分が知らないことには神経質で慎重になるタイプ。
怖がりさんが得体の知れないものを見た時の恐怖は、命の危険を感じるほどのものでしょう。
自分の身を守るために命がけで相手を排除しようとしますし、恐怖のあまり自分自身が何をしているのか分かっていません。
恐怖でしかないのです。
とらきち君に、Sさんは「飛びかかっちゃだめでしょ」と言っておられましたが、当のとらきち君は自分の命を守るのに必死ですから、Sさんの言葉は耳に入ってきません。
お姉ちゃんのこまちちゃんは、実はとても強い猫さんです。
本気を出さなくとも、とらきち君をねじ伏せることは簡単にできるほどの強さの持ち主。
なので襲い掛かられてもあえて無抵抗なのです。
大切な弟にケガをさせては大変ですからね。
1階に降りて、とらきち君と話しました。
2階から見下ろしているこまちちゃんを見て鼓動が速くなっています。
「とらきち君、まずゆっくり呼吸して。深呼吸よ。落ち着いたらゆっくりこまちちゃんを見て。ね? 怖くないでしょ? いつもの大好きなお姉ちゃんでしょ? 怖くない。大丈夫、大丈夫。そう、落ち着いて」
こう伝えるとこまちちゃんと私を何度も見て、ごくりと唾をのんで「うん」と一言。
Sさんに抱っこされ、私と猫部さん、周りの人間が落ち着いて見守っていたので、それが後ろ盾になり少しずつ受け入れることができ安心に至りました。
周りにいる者が落ち着いていることが大切です。
慌てたり焦ったり怒ったり、心が波打つとそれが彼に伝わり、興奮と恐怖を更なるものにしてしまいます。
一緒に呼吸を合わせ、大丈夫という気持ちで居ることです。
とらきち君、怖かったね。でももう大丈夫。お母さんがいつもついてくれてる。
そしてSさん、大切な2匹がひとつ屋根の下で仲良く暮らせない日々は、本当に本当にお辛かったと思います。
2匹に気を遣って息をひそめて暮らしておられたとか。
これからは明るく笑顔で2匹に話しかけて下さいね。
みんなのお母さん、家族の太陽ですもの。お母さんが大丈夫ならみんな大丈夫です。
この話を聞いていたこまちちゃん。
話が終わるまで待てず、「降りていい? ねえ、もういい?」と今まで降りたことのない梁に飛び移って1階に来ようとするので、「待って!もうちょっと待って!」と何度お願いしたことか......。
こまちちゃんは2階から降りられないのではなくて、とらきち君が怖がるからあえて降りなかったようです。
さすが弟思いのお姉ちゃん。
Sさん、こまちちゃん、とらきち君、ありがとうございました。
後日、Sさまよりメールを頂きました。
岩津様にコミュニケーションをとっていただいて、とらきちはこまちがこわいとわかり、とても驚きでした。
しかも、こまちはとらきちに怪我をさせないようにかわして逃げていたなんて、頭が下がる思いです。
わかりやすい変化といえば、
こまち:以前は私達ヒトの方ばかり見ていたのが、とらきちの動きをよく見ていること。
とらきち:私が2階に行くとき、大丈夫だよと理由を話しているのに、下でヒャンヒャン鳴いてトイレの大きい方を必ずしていたのが、たまには落ち着いて待っていられるようになってきたこと。
あれから、こまちは息子に着いて2階から下り、居間にとびだしたことが3回ありました。
1回目2回目は、とらきちに追われシャーギャーの騒動となりましたが、3回目は、すぐさま自ら2階に戻って行きました。
とらきちをなだめますが目を放すと飛びかかるので、こまちが2階に戻るまでゲージに入ってもらったりもしました。
2回目のときのこまちは、とらきちに追われすごい声で「いい加減にしてよ!」と堪忍袋の緒が切れた状態。
追いかけられ高いところにあがったまま数時間。
話しかけても引いてもとらきちを隠しても動かず、夜遅く塾から帰った息子とおもちゃで遊びながらやっと戻りました。
3回の騒動のあとしばらくして、こまちを下で過ごさせてあげようとしましたが怒られました。
先日は、私がとらきちを病院に連れていっている間(とらきちは以前から皮膚病です)、こまちは息子に誘われて居間に下りましたが、辺りの匂いをかいでウーと言って2階に戻っていってしまったそうです。
毎日のように、こまちは2階からからだ半分までのりだし飛び降りんばかり、階段の下の方まで下りてきていることもあります。
とらきちは目を真ん丸にしてこまちを見ています。
ながーい猫じゃらしを用意して、こまちととらきちに振り、同じおもちゃで一緒に遊んでる感を出すのはどうかな? と思いやってみてます。
こまちが上から見ていると、やはりとらきちは思い切り遊べないこともあります。
こまちが2階で息子と過ごせるのはあと数ヵ月。
焦りがない、心配ない、とは言えませんが、「なんとかなる!」くらいの気持ちでいようと思います。
母はどっしりかまえてないとですね。時々はくじけますが(笑)
本当にありがとうございました。
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アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!
岩津 麻佳
2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。
HP
我が家にも、捨て猫から住人になった猫2匹。姉弟。血の繋がりないので、威嚇が凄いです。ゆったりした気持ちで、対応していきたいです。
by マロン 2017-12-08 16:08
仲のいい姉弟ですもの、時間はかかるけど、岩津さんが示してくれたように「いつものお姉ちゃん」だと徐々にわかってもらうしかなさそう。幸いこまちちゃんがしょうがない弟ねと思ってくれているのは救いですよね。大丈夫、ですよ。きっと。
おかあさんはハラハラでしょうがとらきち君が安心するまで見守り、支えて下さいね。
うちも三匹、時期も年齢も違うしみんな捨てられた子たち。3カ月過ぎ、それでも男同士はおちりをくっつくけてこたつに入れるようになりましたよ。
by あずにゃん 2017-12-09 17:17
>マロン様
猫の気持ちももちろんですが、家族ですから人間の気持ちも大事ですね^^
by 岩津 2017-12-14 10:51
>あずにゃん様
こまちちゃんは本当に大きな懐のお姉ちゃんだと思います。
動物と共に暮らす上で「待つ」ことは欠かせませんね(^^)
by 岩津 2017-12-14 10:54
とても参考になる内容でした。
姉弟でも仲良くできなくなってしまったほどの恐怖心・・。
理由がわかってSさんも少し気が楽になったことでしょうね。
うちでは、
私がソファに座ると最初に膝に乗ってくるオス猫、それを追い払い自分が乗るメス猫。
夜寝るとき私の左にいる一番年下のオス猫、右側にいるメス猫。
朝起こしてくれる一番年上のオス猫。
複数飼うことになって、それぞれ性格が違うことがよく分かりました。
自分もそうですが、猫も年を重ねていき、体と気持ちにどう変化があるのか・・
さぐりながらの生活かな。
長々と失礼しました。
岩津さん、これからも頑張ってください。
by イリス 2018-01-06 12:12
>イリス様
猫と人間と、お互いに探り合い譲り合い求め合い愛し合い…
動物との暮らしは本当に素晴らしいものですね(^^)
これからも頑張ります。ありがとうございます。
by 岩津 2018-01-09 15:51
我が家も、ついこの年末、血のつながりはないけど団子になるほど仲の良かった兄弟が、弟猫の怪我をきっかけに同様の状態になってしまい、こちらの記事にとても励まされました。今はだいぶ落ち着き、同じ部屋で過ごすことができています。
こちらのご姉弟も、早く落ち着くといいですね。
by たこぱんだ 2018-02-05 10:20