ともに猫作家という樺木さんご夫婦。緊張もありますが、そこは同じ猫を愛し発信するもの同志。どんな思いが聞けるのか?わくわく感が止まりません。
ご主人の樺木宏(かばき・ひろし)さんは「
幸せになりたければねこと暮らしなさい」(自由国民社)の著者、また奥さまのかばきみなこさんはコミックエッセイ「
猫が教えてくれたこと」(アスコム)の著者で、現在8匹の猫と暮らしていました。
ちぃちぃ17歳
飼い猫8匹のうち15歳以上の猫は2匹。シニア猫しかいないという、まぁ......、わかりやすい状況。若い猫は人見知りさんのようで。
いらっしゃーい。
17歳のちぃちぃ(茶トラ白・男の子)は堂々とした振る舞い。「あ?お客さん?ゆっくりして行きなさい」と言わんばかりの対応で私を迎えてくれました。
ちぃちぃはご主人が通勤途中に保護した猫。当時、ご夫婦は「こじろう」(17歳没)という先住猫と暮らしていて、地域の保護活動にも積極的にも関わっていたため、通勤途中とはいえ捨てられている命を放って置けなかったといいます。ちぃちぃはしっぽが動かず後脚にも問題があったことから、里子に出すことをあきらめ、樺木家の子に。一時は9kg台という貫録たっぷりの大猫でしたが、体重が4kgをきった今でもボス的立ち位置に変化はないそうです。
勝ち気な顔をしておる。
まつちよ15歳
「おじゃましまーす」の声に逃げることもなく、じっとキャットタワーからこちらの一挙手一投足を伺っていたのがまつちよ(茶トラ・男の子)。みなこさんのお友だちが保護した猫で、一時預かりのつもりでしたがその後良縁がなく、正式に樺木家の一員に加わります。この時、こじろう4歳、ちぃちぃ2歳としばらくはこの3匹体制が続くのですが、気づけば8匹体制に!
前の家では「5匹が限界かな」と家族会議が持たれたようですが、障がいを持つ猫をそうやすやすと里子には出せないという理由で引き取ることも多く、広い部屋に引っ越して空間と心に余裕がうまれたことで拍車がかかったようです。
様子を伺うまつちよ。
シニア猫は手が掛かることもある
15歳のまつちよは健康そのもの、いままで大病もありません。少しだけ若い猫に比べて手をかけている点を挙げるとするならば「アンチノール」(VetzPetz)という栄養補助食のサプリメントを飲ませていること。こちらは長老のちぃちぃも服用しているようで樺木家のご長寿猫必須の健康サプリといえるでしょう。メモメモ......。
コツは素早く!薬を飲ませるのもずいぶん上達したとご主人。
しかし、17歳のちぃちぃは少々手が掛かります。普通に置きえさをしても食べなくなったので、決まった時間に療法食を給餌し、体重維持に努めています。内容は1日3回、腎臓ケアフードの強制給餌と2回の投薬、週1回の補液です。初めは難しい補液も強制給餌も「こじろう」の時の経験が活きました。2年超の自宅療養で強制給餌の数は2千回以上といいますから、飼い主さんのスキルが上がったのも頷けます。そう、先住猫がくれた経験は決して無駄になることはなかったのです。
これで一目瞭然。何が入ってあるか蓋に記載しています。(ドライフード)
台を使ってごはん処へ。
おかわりー!と雄叫び。
ウエットフードとサプリメント。体調に合わせてベストチョイスを!
社会に貢献
野良ねこを保護し家族に迎え入れ、猫との生活や病気のことに精通し、里子に出した数は20匹以上というみなこさん。この経験を少しでも役立てようと「
ねころん」というブログを立ち上げました。サポートの「相談窓口」を設け、子猫の飼い方など「ねこと人の幸せな生活」につながる情報を提供しています。こうした行動が日本全国のご長寿猫を産むような気がします。樺木夫妻の活動に刺激をもらい感謝!私も私のできるかぎりの貢献を!
足の運びもかろやか。
僕たち、
そろそろ寝るからじゃましないでね。
すやーでさよならー。
「猫又トリップ」が書籍になりました。
『
ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』
15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。
試し読みはこちら
(ΦωΦ)
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猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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ご長寿猫さんには、飼い主さんの丁寧なサポートが不可欠なんですね。
ちぃちぃもまつちよも、いいお顔してます。
by ふ〜みん 2017-12-29 20:42
ご長寿猫さんとの暮らしは、難しいサポートも必要なようですが、それ以上に幸せが溢れているということを感じました。ちぃちぃちゃんとまつちよちゃんの表情は、まさに幸せそのものですね。このように幸せな猫が増えるよう、私も貢献していきたいと実感しました。
by ちーこ 2017-12-29 23:21
ふ〜みんさん
猫を看取って、より深く愛情を注ぐようになったと。
先住猫の「こじろう」はうちも同じ名前でご縁を感じました。
by ケニア・ドイ 2018-01-15 09:27