[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今年初の道ばた猫日記は、元捨て猫たちの仲良し風景で、ほっこりと始めたいと思います。
伺ったのは、ヒカリさんのお宅です。



キジトラのイチローくん。
何とも、気のいいお顔をしていますね！



キジ白のゴーくん。
この子も、イチローくんに輪をかけて気のいいお顔です。



女優顔の、三毛猫ナナコさん。切れ長の目がすてき。



この３匹は、元捨て猫。共に８歳の仲良しきょうだいです。

８年前の５月。
実家近くの町役場に出かけた旦那さまからヒカリさんのケイタイに連絡が。
「役場に子猫が捨てられてるんだけど。里親が見つからなければ、明日にも処分に回されちゃうんだって」

猫を飼ったことのないふたりでしたが、見捨てることができず、ヒカリさんも駆けつけます。
捨てられていたのは、生後ひと月ほどの５匹。２匹はもらわれ、残る３匹は、キジ白とキジトラと三毛。キジ白だけが元気で、あとの２匹はぐったりでした。

「１匹なら飼える。２匹・・・なんとかなるかも。でも１匹選んだら、２匹が残る。２匹選んだら、１匹残る。残った子は、処分・・・」
ヒカリさんはどうしても選べませんでした。
３匹飼う自信なんて到底ありませんでしたが、３匹を家に連れ帰りました。
とりわけ弱々しい三毛の女の子だけは手元に残すことに決め、男の子２匹の里親探しを開始。

「だけど、３匹ともうちで飼おうと決めるまで３日もかからなかったんです。３匹くっついている姿がいじらしくていじらしくて、１匹ほしいという方に、引き離して譲ることができなくて」と、ヒカリさん。

３匹がやってきたことで、ヒカリさんの生活は一変しました。
お出かけ大好きだったのが、おうち大好きに。３匹の仲良しぶりを眺めているだけで、とっても毎日が楽しかったのです。
犬派のご主人も、すぐに猫にメロメロに。



「夜のおやつ、まだ～？」
３匹が、待ちくたびれています。
ヒカリさんが、チュールを差し出すと...。



あれ、もう１匹、長毛キジトラの子が乱入。
ユウサクくんです。



そして、お客が怖くて隠れていた黒猫サクラちゃんも、抱っこされてお目見え。
ユウサク・サクラの５歳コンビは、元捨て猫きょうだいです。

イチゴーナナの３きょうだいがやってきたちょうど３年後の、５年前の５月。
３きょうだいが保護された町役場に勤めている友人から、旦那さまに電話が。
「また、子猫が捨てられてた。今度は６匹。あしたまでに引き取り手がないと、処分する場に移すことになる」と。

猫と暮らし始めて、猫の底なしの可愛さを知り、猫を保護している友人も周りにたくさんできたヒカリさんは、今度は迷いませんでした。
「里親を探そう！　きっとなんとかなる」

翌日引き取りに行くと、２匹は貰い手が決まっていたので、残り４匹を引き受けることに。
そのうち２匹はすぐに貰い手が決まって、いっしょにもらわれていきました。
残ったのが、長毛っぽいキジトラの男の子と、黒猫の女の子。



キジトラを「ユウサク」、黒猫を「サクラ」と呼ぶことにし、２匹は、旦那さまの部屋に隔離。
いつもは出入り自由の部屋が、開かずの間になったことに、先住３匹は「なんか怪しい！」とばかり、ドアの前で、張り込みも。
初めてのご対面の時。ナナコさんととイチローくんは一度だけ「シャ～」と言い、ゴーくんは後ずさりして逃げたそうな。

ひと月ぐらいかけて少しずつ、先住３匹とチビ２匹の対面を増やしていく一方で、里親を探し続けました。
隔離部屋から出して、チビきょうだいを放牧すると、５匹はすぐにいっしょに遊び始めました。
ふと見れば、サクラがイチに甘え、ユウサクがゴーにひっついています。
またしばらくたってふと見れば、ナナコがサクラに添い寝し、イチがユウサクを舐めてやっています。
そんな、まんべんない組み合わせの仲良し風景が、あちこちで繰り返される毎日。

「このまま、みんな一緒に暮らしていけたら」という思いがふつふつと湧き上がってくるヒカリさんでしたが、住宅事情や、猫たちへの終生の責任を考えると、なかなか決断がつかないのでした。

「悩み抜いた末に、夫の賛成ももらって、里親探しをやめました。決断するまで、結局２カ月かかりましたね」
その時、すでに、３きょうだい＋２きょうだいは仲良し５きょうだいになっていて、５きょうだい＋ふたりは、仲良し家族になっていたのです。

「とにかく、５匹それぞれキャラが違って、しかもみんなものすごく仲がいいので、毎日その様子を見て笑ってばかり。とってもしあわせです！　５匹の写真を撮る楽しみも増えました」と、ヒカリさんはいい笑顔。
ちなみに、ヒカリさんは猫たちの「おねーさん」で、旦那さまは「おとーさん」だそうです。



ユウサクとサクラが大きくなっても、なにかとくっつきたがる５匹。
オレ様キャラで、モテモテのゴー。穏やかで平和主義者のイチ。女優気質で、オテンバなナナコ。のんびりおっとりのユウサク。臆病で甘えんぼのサクラ。
性格はそれぞれなのに、なんでこんなに仲がいいの？
その疑問に、ヒカリさんはこう答えます。
「先住の３匹がとっても性格がよくて仲良しだったこと。それにあとからの仲良し２匹が自然に参加できたからかな。もしかしたら、って思うんですけど、捨てられたのが同じ町役場だから、５匹はどこかで血がつながってるのかも」

それに加えてもう一つ。５匹仲良しの背景には「ヒカリさんご夫婦の愛情が５匹にゆったりとわけ隔てなく注がれていて、『うちの子になってくれてありがとう』という気持ちがみんなにちゃんと伝わっている」ことも、大きな要素ではないかと、私には思えました。
いつか田舎暮らしを始めたいと願う旦那さまは、こんなことをおっしゃっているそうです。
「住宅事情に余裕ができたら、もう少し猫がいてもいいかな」って。



あ、そうそう、フェリシモの日めくりカレンダー。
２０１６年はイチくん、２０１７年はナナコさん、２０１８年はサクラちゃんと、３年連続で、元旦を飾っているそうですよ！



今年も、５きょうだい＋ふたり、思う存分仲良く、楽しき日々を！
ヒカリさんちの５きょうだいの仲良しぶりは、「きょうだい猫と仲良し暮らし」というブログで見ることができます。

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化！