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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2018年03月22日

「動物ノート」さまの活動レポート(2017-18前期)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:静岡県東部・及び伊豆半島

TNR      274匹
その他不妊手術   42匹
※当会の手術数のカウントは、すべてメンバーが捕獲し、地域調査・行政対応・自治会対応した現場であり、プロジェクト内で派生したカウントではない。
ただのTNRで終わらせるのではなく、数年先を見越したやり方で、地域猫もしくはそれに準ずるやり方で、結果を導けるよう非常に沢山の時間や労力をかけている。

●基 調 活 動 
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行政から依頼のあった多頭飼育現場

飼い主のいない猫数減少の為、事務局のある沼津市では活動成果の目安である行政の引き取り処分数や路上遺体数を毎年詳しくチェック。他市町村の減少率と比較しても、確実な成果を上げ続けている。
国が策定した2008年の動物愛護管理推進計画に始まり、ほぼ10年目に入っているが、保健所や行政との連携はじめ、当時では考えられなかった体制も整ってきた。
現実、そういった信頼関係も行政の職員の異動により、数年おきに一からやり直しになるのが常だが、このところは着実な活動実績により、協力関係が引き継がれていく事が多いのが嬉しい変化。

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警察による捨て猫現場の捜査風景

以前なら遺棄猫事件も「捨て猫かどうか判らない」と警察も捜査対象にしてくれない現場も多かった。
しかしながら当会の関わったすべての現場ではTNRの行われた全て個体の写真や管理状況などが把握されており、容易に捨て猫である証明が出来る。地域猫活動の優れた一例である。
捜査により犯人にたどり着くことは少ないにせよ、警察の捜査が入ったことで次の遺棄防止につながる。遺棄事件があったことの告知看板設置も、以前は行政の許可を通すのに苦労したが、長年の活動実績によりスムーズに協力依頼を受け付けて貰えるようになった。

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23匹の猫たちのTNR現場

当会ではなるべく短期で結果を出せるよう、戦略的TNRを心掛けている。時間をかけた事前調査や準備、行政や近隣への告知などを丁寧にすることはもちろん、必ず70%ルールを守っている。
初回TNR率を95~100パーセントに上げる事や、半年先に追加捕獲することで、確実な成果をえている。管理者との継続的な付き合いは言うまでもない。
11月に開催された県主催の動物愛護ボランティア意見交換会では、推進計画の進捗状況の発表だけでなく、沼津市役所環境政策課からの報告もあった。助成金制度の約半数の手術数をこなす当会が95%以上の手術率を達成している為、他市民の申請による手術率が50パーセントとしても、しっかりした70%ルールが守られている為と推測される。

※70%ルールとは・・・CDC(米国疾病予防管理センター)の感染対策ガイドラインを参考にし、米国で学術研究が盛んに行われている、猫の繁殖抑制に効果のあるとされる不妊手術率。米国では適切でないTNRにより「TNR禁止」の動きもある為、TNRによる繁殖防止が真に可能なのかといった学術研究が盛んである。最近の資料によると、初回75%以上の不妊去勢率が必要で、追加捕獲と遺棄防止が必要との論文もある。

●その他 活動
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ボランティア協力した現場の猫達

このところ行政との連携の無い市町村のボランティア達に活動協力することにより、前述の戦略的TNR始め地域猫活動の進め方などをお伝えしている。
当初、行政の職員から「この辺りで"地域猫"なんて言っても、無理な話だよ」と言われた現場だったが、つい最近は餌やりと地元ボランティア達の連携も取れ始めている。
最初からモデル地区として行政をからめて始めたプロジェクトなので、失敗した時の事を考えて"動物ノート"として取り組み、万が一上手くいかなかった時は地元に責任が及ばないよう取り組んだ。が・・・現在はほとんど地域猫としても体をなしてきたので、そろそろ地元ボランティアにバトンタッチする予定。地元ボランティアが使い勝手の良い助成金制度の策定にも、他活動から支援している最中。ボランティアが行政批判しても何も変わらない時代を経て、地域猫活動の主軸である「三者協働」が、良い効果を生み出すためのコツなどを、引き続きお伝えしていきたい。


<ご支援くださっているみなさまへ>
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毎月開催される譲渡会の風景

日頃は基金を通じて私たちの活動にご支援いただき、本当にありがとうございます。
あまりに多岐にわたる活動により、手術の数字ではない内容を誇れるよう、丁寧な活動を常に心がけています。
細かい内容がご報告できないのが残念ですが、本当はそこには日々ドラマがあります。皆様の良心や優しい気持ちをくすぐるような感動的な活動報告をすることも出来ますが、ぜひ客観的な愛護活動をご覧いただきたいが為に、簡潔な活動報告となっております。
TNRも最近では20匹程度の現場が数多くあり、以前はどうにもならない為にあきらめていた現場にも着手していますし、そういった情報も頻繁に入ってくるようになりました。
残念ながら、丁寧な地域調査とTNRのテクニックに基づいた捕獲は出来ても、受け入れ獣医の不足と言う新たな問題も発生してきています。
静岡県東部の飼い主のいない猫対策が浸透してきた証拠とも思えますが、前述の70%ルールに基づく為には、初回TNRの徹底した手術率が必要不可欠です。今後は新しいスペイクリニック誘致の必要も感じています。
少ないメンバーが効果的に活動できるよう日頃から最大限の努力を図っていますが、顧問獣医師始めTNRメンバーの体力が追い付かない位の依頼数となってきています。
前期ご報告に上げさせていただいた80匹多頭飼育現場がやっと終息を見たものの、続いている20匹レベルの現場は本人たちの資金では賄いかねるのが現状です。
どうか引き続き基金によるご支援を賜り、真に効果的な当会の活動が継続できるよう、重ねてお願い申し上げます。



「動物ノート」
doubutu-note.jp
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