フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:北海道帯広市
①2017年4月から5月にかけて、民家で放し飼いになっていた多頭飼育の成猫、乳飲み子レスキューを行ないました。
「庭にたくさんの猫が集まっている家がある、ゴミも散乱しており不衛生だ」というお宅の話を以前から聞いており、十勝総合振興局の環境生活課からも指導がはいったのですが、あまり前向きな解決にはならない雰囲気だったため、当会が出向き繁殖制限のお手伝いをすることになりました。
成猫4匹はTNR、人馴れした5匹は当会で保護しました。他にも乳飲み子4匹を引き取りスタッフ猫とスタッフがミルクやりを行っていましたが、残念ながら全て亡くなりました。
最初あまり友好的な態度ではなかった飼い主さんでしたが、最終的に当会のアドバイスも聞いてくれ、今も定期的に様子を見に伺っています。
※手術代は負担していただくことが前提でしたが、全額いただくことは叶いませんでした。
当会のブログにもご報告させていただきました。
https://ameblo.jp/catcafewish/entry-12266229227.html
当会の社員とボランティアも出動し、屋外に自由に出入りしている猫を中心に捕獲を行ないました。
私たちが作業をしていると近隣の方が様子を見に来ました。「実は今までとても迷惑していた、いろんなゴミは飛んでくるし、餌をおきっぱなしにしているからアチコチから猫が集まってくる、私の敷地内にも猫がきて本当に困っていた」。猫を外に出すことは猫自体の健康や事故などの心配はもとより、近隣住民への迷惑にもなります。
餌の匂いにつられ、捕獲器にどんどん入っていく猫たち。
この家には未去勢の9匹の猫がおり、玄関や玄関フードが半開きになっていて自由に屋外に出入りしていたようです。飼い主さんにはしっかりと愛玩動物の適正飼養についての理解を促しました。
②9月/帯広市営住宅で多頭飼育崩壊が発生、39匹全て去勢手術を行ない、25匹を当会で引き取りました。
元々は親戚が亡くなり、残された猫を飼ったのが始まりで繁殖制限をせず増えたとのこと。もう猫の餌も買えないと切羽詰まった所まできていました。
産まれた子供は食べられ、オス同志が激しいケンカを繰り返し、けがをしても(経済的に)病院へ連れていけずそのまま死んだり、10匹いる子猫のうち2匹は奇形でまともに歩けない。5階のベランダから落ちて大ケガをした猫もいたそうです。
今回のお話は市営住宅で起こったことから、地元の新聞でも大きな問題として取り上げられ、帯広市の担当者さんともお話をさせていただきました。
私たちが考える多頭飼育崩壊は、猫の問題はもとより、人の問題でもあります。今回のケースは4年前に当時4匹だった猫がいると市の担当者も把握してのことでした。未去勢の猫たちの繁殖力のスピードは早く、そのことも認識していただき、4年前にせめて我々のところに相談してほしかったとお伝えし、今後の連携についてお願いをしました。
多頭飼育による近親交配の影響で、引き取った猫や子猫は生まれつき障害を持った子が多く見受けられました。
写真の2匹は立ったり、歩いたりすることができません。自分でバランスを保つことができず、右へ左へ倒れ込み、食事も支えがないとできません。トイレもうまくできないため、保護スペースに新聞紙を敷き、スタッフが毎日シャンプーなどの世話を行っています。
9月に多頭飼いのお宅より25匹受入れ、保護数が一気に増えてしまいましたが、10月末日には譲渡も進み、保護猫は99匹となりました。
それでも通常の数よりかなり増えているため、現在保護数60匹くらいになるまでは新たな受け入れはできない状況です。
保護した時は威嚇していたこの子も、すっかり太ってこんなくつろいだ表情を見せるようになりました。
<ご支援くださっているみなさまへ>
みなさまからのご支援は、当会の大きな支えとなっております。
社会問題にもなっている多頭飼育崩壊は、人口わずか17万人にも満たないこのまちにも発生しており、独居者の孤独死後のペットの引き取り相談も含め、猫だけではない、人を取り巻く環境の改善も急務になっているように感じます。
そのことも考慮し、私たちの活動は学生のインターンシップ受け入れなど、歩みはまだまだ小さいですが、成長過程の子どもたちへの愛玩動物の適正飼養についての啓蒙啓発は引き続き行ってまいります。
今後ともどうぞご支援をよろしくお願いいたします。
「NPO法人 猫たちを守る十勝Wishの会」
https://catcafe-wish.jimdo.com/