想像してください。あなたは20歳の学生で、ひとり暮らしをしています。授業に遅れないよう玄関ドアを開けると、突如1匹の子猫が現れます。子猫は慣れた様子で部屋に飛び込んで来ました。さぁ、あなたならどうする?
どうなってるの?
ねこ、本田ねこ
本田さんと「ねこ」との出会いはあまりにも突然でした。人馴れしていることもあって、迷い猫ではないかとご近所さんを尋ねたのですが、なしのつぶて。実家で犬を飼った経験はある本田さんですが、猫を飼うこと、ましてや学生の自分がひとりで面倒を見られるのか不安になります。
実家の両親にも相談の上、結局、ねこを迎え入れることにしたのですが、今ほど命を預かる責任感は持てていなかったと、当時を振り返ります。
愛猫の名まえは「ねこ」、本田ねこ。(斬新!)17歳10ヶ月の三毛猫です。
「ねこさーん、こっち向いてー」
私はカメラを構えながら、言いたい衝動を抑えきれませんでした。改めて良いネーミングだなと思います。
キモチいいにゃー。ねこは耳掃除がお好き。
飛行機搭乗回数30回超!
学生時代は休みも多く、よく帰省されていたという本田さん。ねこは?どうしていたかというと、友人にお世話をお願いすることも、一緒に連れて帰ることもありました。
一緒に帰省するときは「飛行機」でブイーンと!
ねこが飛行機に乗った回数は延べ30回以上!(私より多いのではないだろうか??)ねこさん、すごいっす!
しかし、ここ2〜3年はねこの体調を考え、飛行機移動はなし。本田さんもゆっくり帰省できない状況です。
離陸準備。
今は自宅フライトを楽しみます。
点滴袋に愛を込めて
2014年頃、ねこに肝臓機能の低下が見られました。2ヶ月に1回の動物病院通いでしたが、その頻度ですらねこにはストレスだったようです。人慣れしていたねこはだんだんと人間不信、用心深くなり......、必要以上に病院に連れて行くことを、控えるようになりました。
ある日、ねこが突然呼吸困難に陥ったときも、動画を撮って獣医師に相談すると、「過度のストレスになるので病院に連れてこないように」と言われたそう。結局、酸素室をレンタルしての自宅療養となり、処方された抗生剤でなんとか一命をとりとめたのでした。
バックシャン
ちょこんとおすまし。
2017年夏、今度は腎臓機能の低下が見られました。1日1回の点滴、腎不全の薬は1日1/2錠が必須です。点滴するときは、タオルをレンジでチンして、点滴袋を包んで温め、体内に入った時になるべく「ヒヤッ」としないよう温度調整するのが本田さん流。幸いねこの機嫌はよく、点滴も楽にできているようです。
「なるべくストレスのないように」という、本田さんの優しさが随所に見られます。
本田ねこ様の内用薬。
爪とぎはダンボール!とコスパ高!
ねこのごはん、ドライフードは「腎臓サポート」(ヒルズ)、ウエットフードは「MiawMiaw|おにくクラス」(アイシア)が今一番のお気に入り。ウエットの方が食いつきが良く、体重維持の要因が大きいとのこと。現在、ねこの体重は3.0kg。2kg台にならないように食事管理に気をつけています。
口笛を吹くとなぜか?寄って来るねこ。
みよ!バレリーナのよう!
責任感の鬼
いろんなお話を聞く中でわかったことですが、病気を経験して用心深くなったのは、ねこよりもむしろ本田さんのようです。ねこが飲んだ水の量をチェックし、呼吸困難の前兆がないかねこの呼吸をよく数えています。
よく見ているおかげか、今ではねこの毛艶で調子がわかるというし、どんな些細なことも「見逃さないぞ!」という責任感の鬼になられていました。
買って来たじゃらしよりその辺の糸が好き。猫あるある。
遊びもまだまだ現役だにゃっ!
ねこの心配事も尽きない中、勤め先周辺の野良猫が気になり餌やりや、保護しようかどうか悩む本田さん。実は私と本田さんとの出会いは「
ぶんねこの会」という保護団体を通じてのこと。ねこの年齢を考えたら、多頭飼いは現実無理だけど、TNRや里親探し、自分のできる範囲で活動していきたいという気持ちは本当に頭がさがる思いです。
ねこの益々のご長寿と、本田さんの「ぶんねこの会」でのご活躍に思いを寄せながら、家をあとにしたのでした。
シャー!これが終わりの合図のようですね。
「猫又トリップ」が書籍になりました。
『
ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』
15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。
試し読みはこちら
(ΦωΦ)
写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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20歳の自分にその決断ができたろうか・・・本田さんの行動力に感服です。
その三毛猫さんとともに17年。病気もあるけど、ゆったりと過ごしている様子がうかがえます。みけさんはなかなかに神経質で気難しいところもあり。そこがまた魅力なんですよね。
これからの猫生も本田さんとともに・・・!ねこさん、しあわせですね。
by あずにゃん 2018-05-09 16:19
バレリーナなのようなねこちゃん♡ 今年一番かも(*^^*)
by たまちゃん 2018-05-09 20:12
あずにゃんさん
うちの三毛も神経質かも。でも猫らしいといえば猫らしいですよね。
本田さんはほんと行動力があって素晴らしいオーナーさんでした。
by ケニア・ドイ 2018-05-25 10:24
たまちゃんさん
シニア猫にはなかなかあれこれリクエストできない考えが働いて、
淡々とそのままの姿を捉えることが多いのかも。
もっと貪欲に行きますかー!
by ケニア・ドイ 2018-05-25 10:27
飼い主です。皆さんにも可愛がっていただいた、ねこ。実は2020年4月28日の深夜に亡くなりました。内臓機能はバッチリだったのですが、突然の発作からの悪化で急に…でした。でもこちらではいつも元気でかわいいねこのまま。記事にしていただいて良かったと思っております。ありがとうございました。
by 本田 2020-05-13 19:42