[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

アタシの名は、「ゆめ」。
パパとママに愛されて暮らしてる。
ほら、ママのネイルは、アタシの目の色とおんなじきれいなブルーなのよ。



寄り気味の青い瞳とすらっとした手足。「品がある」って言われるアタシだけど、南房総の海辺に捨てられた猫だったの。



海辺の猫たちのお世話をしてくれて る千鶴子さんに 、アタシもご飯をもらい始めたのだけど、どうしても海辺の猫たちに仲間入りさせてもらえなくて、いつもポツンとひとりぼっちだった。
そんなアタシをかわいそうに思った千鶴子さんが、「ドリームキャット」という自宅シェルターに引き取って里親募集をしてくれたの。
アタシ、人間が大好きだったから、きっといいおうちが見つかる、って。
そして、アタシの里親募集写真を見て一目ぼれした、聡志パパとりえママのおうちの子になることができたの。
ここのおうちの子になってまだ１年よ。



パパとママは、新しいおうちに越して、アタシを迎えて、入籍して夫婦になったの。
毎日毎日、アタシは甘え放題。
「ゆめはほんとにおしゃべりだなあ」と言われるくらい、いっつもニャアニャア甘えてた。

だけどね、パパとママがお仕事に出かける朝が、さびしくてさびしくて、鳴いて鳴いて、ママたちを困らせた。
「夕方僕たちが帰ってくるまで、ゆめはずっと鳴き続けてるんじゃないか」って、パパたちは心配し、「もう１匹迎えたら、ゆめは留守番しててもさびしくはないんじゃないか」って結論に達したらしいの。

それで、千鶴子さんに相談したら、「ぴったりの子猫がいます！」って返事。
めいは、海辺に現れた母猫が引き連れていた子猫たちの１匹。千鶴子さんは母猫をTNRして、保護した子猫たちの里親を探してたの。千鶴子さんは、アタシのことをよく知ってるから、この子だったら、相性のはず、ってピンと来たのね。

人見知りのめいが、パパたちが房総に会いに行ったとき、パパのお膝の上でずーっと寝ていて「この子でいいかな」ってパパも思ったんだって。

それで、去年の９月に、４か月のめいがやってきた。
来た日は「シャ～！」って、いちおう「ここはアタシの縄張りだからね」って教えてやったのだけど、めいはきょとんとしてた。
いっさいめげずにアタシの後をついて回って、１週間たったらとうとう根負けして相手をしてやったわ。



アタシはニンゲンが大好きだけど、めいはアタシが大好きなの。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん」って、もう、 くっついてくっついて。

アタシは、人間が大好きだから、誰が来たって、機嫌よく応対するの。
だけど、めいったら......。
カンペキ内弁慶で、よその人には超ビビリなの。



きょうも、あれで、隠れてるつもり。
遅ればせの新婚旅行にパパとママが出かけた間も、キャットシッターさんはめいの姿を一度も見なかったそうよ。しっかりご飯は食べてたけどね。



ママに抱っこされて「めいちゃん、だいじょうぶだよ～」って、いいコいいコされて、やっと落ち着いたみたいね。
いつもは、ものすごいやんちゃ娘で、アタシと遊んでほしくて「飛び蹴り」なんて仕掛けてくるのよ。アタシは知らんふりしてやるけどね。



パパとママは、アタシたちを見てはいつもニコニコ笑ってる。



パパなんて、アタシが足を鼻先にくっつけただけで、こんなに大喜び。
アタシも、めいがやってきてから、お留守番がさびしくなくなったの。
だって、めいがいっつもそばにいるから。
だけどね、ちっちゃかった妹は、あれよあれよと大きくなった。
それなのに、自分が大きくなったことに気づかないのかしら、アタシのそばに無理やり入り込んできたり、おぶさってくるから、重いんだってば！



ひとりで、ハンモ ックでのんびりしてても、つかのま。すぐにやってくるめい。
毎日飛び蹴りで「遊ぼ」と仕掛けてくるめい。すばしっこく逃げていくけど、そのうち捕まる、めい。
ちょっとうざくて、うんと可愛い、アタシの妹。



縁あって、半年遅れで、同じ海辺からやってきたアタシたち。
え？　似てきたって？



パパとママが結婚した時、ママの友だちが手作りしてくれたカードには、アタシもいるのよ。



今度、結婚記念日にカードを贈ってもらえるとしたら、アタシのそばにめいもよろしくね。



パパは言うの。
「おうちに帰るのが楽しみだよ。いつもほっこりさせてくれてありがとう」って。
ママは言うの。
「ゆめもめいも、うちらの大事な家族。できる限りのことはするから、揃って長生きしてね。保護された猫たちがみんな家族を持てる世の中になりますように」って。

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