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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

岩津さんに聞く!

2018年05月25日

アニマルコミュニケーター岩津さんに聞いてみよう ~一日を一生のように生きる猫さん

みにゃさま、こんにちは。
今回は、訪問アニマルコミュニケーションにご応募くださったKさんのお宅に行ってまいりました。
いただいたご相談はこちらです。


猫:三毛(MIX)/キティ/女の子/6歳
今年1月19日に急性リンパ球性白血病を発病して危篤状態となりました。
おかげさまで、抗がん剤治療の効果があり2ヶ月以上が経過しました。
現在も引き続き抗がん剤治療をがんばってくれています。
普段からキティちゃんとはたくさん会話していますが、岩津さんに病気のこと、治療のこと、
最期はどうして欲しいかを聞いていただきたいです。
いつもTwitterの猫ブログを拝見しています。
先日「猫があなたに伝えたいこと」を購入させていただき、思い切って応募いたします!
どうぞよろしくお願いいたします。



6年半前のこと。
ご近所で生後2か月の七つ子ちゃんが里親募集されており、その内の2匹を譲り受けました。


(左がレオン君、右がキティちゃん)
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キティちゃんとレオン君と名付け、2匹は仲良くすくすくと健やかな日々を送っていましたが、今年の1月にキティちゃんが突然食べたものを吐き、呼吸が異常なまでの早さに。

すぐに動物病院に駆けつけるも危篤状態の白血病という診断。
検査もすぐにできる治療も体力が無いためになす術がない重篤な状態でしたが、輸血により治療ができるまでに回復。
輸血はレオン君の血液型が合わなかったので、ご近所にいるキティちゃんの兄弟である7つ子の1匹、リキ君の血液を提供してもらったそうです。

体力が十分に回復したところで抗がん剤治療を開始。
2週間おきの治療の後は、3日間飲まず食わずで過ごすことも。(治療は8月で一旦終了です)
治療は体力勝負。
食べないことには治療が続けられません。
4月から始めた強制給餌がきっかけとなり、少しずつ自力で食べられるようになりました。

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強制給餌で胃を少し刺激すると食欲が湧くようです。
自力で食べられる時は強制給餌を嫌がるので、給餌か自力かキティちゃんに任せています。

「私の為に食べていてくれるのが分かるんです。おばちゃんの為に食べてってお願いしてから給餌をするんですよ。」とKさん。
ご近所にキティちゃんの猫のお父さんお母さんがいるので、Kさんご夫妻はご自身のことをおじちゃんとおばちゃんと呼ばれています。
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毎日のバイタルチェックノート。投薬、体重、体温、呼吸数、心拍などを発症してから記録されています。
体に触れるとゴロゴロ喉を鳴らすので聴診器でも心音がなかなかとらえられないそうです。

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では、お食事が終わったキティちゃんにさっそくKさんの質問を聞いてみましょう。

ハンモックにいるキティちゃんの元へ行くと、「馴染ませてるの」と言います。
食事を内臓と体に馴染ませているそうです。
突然私に頭痛と吐き気が襲ってきました。
今の彼女の症状です。(動物の体に何か不調がある場合、症状を共有することがあります)
脳の血管が収縮し頭がきゅっと締めつけられるように痛み、頭から喉元までが気持ち悪くなります。
食事の後はこういう症状になるので、これが治まるまでじっとしているのだそうです。

「そうなんです。食後はいつも暗い所に籠ってじっとしています。普段は頭や顔を撫でると喜ぶのに食後は嫌がるんです。気持ち悪かったんですね。」とKさんはおっしゃいます。
例えるならば車酔いの症状です。

車酔いの時には新鮮な風に当たったり、涼しい場所に行くと少しすっきりしますが、キティちゃんも同じです。顔や頭を撫でられるとその部分の体温が上がり増々気分が悪くなるようです。
食後に窓を開けてキティちゃんが外の風に自由に当たれるようKさんにご提案しました。

ハンモックで症状が治まるのを待ちながらも閉じていた目を開き私の方を向いて話そうとしてくれていたので、体や頭を動かさず目を閉じた状態でお話しましょうとキティちゃんに伝えると、「うん、わかった」と目を閉じました。

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岩 病気と治療のことをどう思ってる?
キ 決して蝕まれてるんじゃないのよ。そんなのじゃない。今は余生を楽しんでるっていう感じかな。
治療はね、仕方のないこと... でもゆっくりのペースがいいわ。しんどいから。
治療しないとほら、悲しむでしょ?
岩 おじちゃんおばちゃん想いなのね
キ うん。だってわたしの大切な人だから。
岩 最期に際して希望はある?
キ 最期は来る。わたしも知ってるわ。おひさまと笑顔を感じて穏やかに逝きたい。
きっとみんなのことを思い出して逝くわ。そう感じるの。
不思議ね。すごくいい気持ちがする。
優しい木漏れ日が射す窓辺の白いふかふかの布の上で、彼女が横たわり目を閉じてにっこり微笑み、その生涯を想い返している様子が見えました。
キティちゃんが思い描いている最期でしょう。
過去も今もこの先も、ずっとずっと満たされているであろう彼女の気持ちが伝わってきます。

岩 再発した場合のことを聞いていいかしら?
キ ええ。
もし完全に起き上がれない程ぐったりしてたらもうそっとしておいて欲しい。
無理はしないでほしい。
みんなに無理のないようにしてほしいの。
岩 お二人にふだん伝わってないことはある?
キ わたしの愛よ!
ふふっ。冗談。
わたし達は通じ合ってるわ。わたしはこの家に生きてしあわせです。
ここには全てがあるの。ぜんぶあるのよ。

キティちゃんはこれは確かなことなの、と確認するかのように頷いて言いました。

岩 お二人に伝えたいことはある?
キ まだ終わってない!
まだ終わりじゃない。これからもよろしくね。
みんな仲良くいこうね。
わたしね、楽しいことが好きなの。
と、Kさん宅の明るいリビングでお客さんたちが楽しそうに笑って食べている姿が見えました。
楽しいお喋りと笑い声、笑顔。
彼女が大好きないつもの光景です。

Kさんは彼女が賑やかな雰囲気が好きなことを知っておられるので、ご自身の気分が心配で落ち込むとあえて家中に歌が響くよう大きな声で歌を歌って家を明るくするよう努めてこられました。
キティちゃんが安心して、そしてKさんの気持ちを受け取り穏やかなお顔で過ごしている姿が目に浮かびます。

岩 レオン君について聞いていい?
キ わたしの大切な子。
ちょっと手が焼けるけどね。あの子がいるからわたしがここにいれるの。
いつまでも家族よ。

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レオン君への溢れる母性、慈しみ。母の大きな愛が伝わってきます。

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彼女が幼いころからレオン君に対する眼差しや態度は姉や親のようだったとKさんは仰います。
レオン君はキティちゃんが辛い時には寄り添い見守り、時には嘆き、キティちゃんと共にあるのです。

岩 ところで、キティちゃんの好きな食べ物は何?
キ みかん!(即答です)
岩 え!?あのみかん?
とみかんの映像をキティちゃんに送ると、
キ そうよ。そのみかん。
皮を剥いたみずみずしいみかんの他には魚肉ソーセージ、白く細長い紙の筒も見えます。

Kさんにお伝えすると「ええっ!」と驚かれ、
「子どもの時に一度だけ食べたんです。みかんを剥いたら食べたので、みかん食べるんだって思いました。
でもそれっきり一度だけです。魚肉ソーセージも子どもの時に一度だけ。
二つとも子どもの時のものですね。
白い筒はラップの芯にじゃらしおもちゃを通して遊んであげていました。それのことかな?」
キティちゃんに食べ物のことを聞いた途端、もぞもぞ動き出しハンモックから降りてきました。
そしてカリカリを食べること食べること。
ひとしきり食べた後、「まだまだ入るわよ」と自慢げに言い残しお二人のおられる部屋の窓辺へ向かいました。

開けた窓から清々しい風とおひさまの匂いが入ってきます。
窓辺で丁寧に毛づくろいをするキティちゃん。

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満たされている心がストレートに伝わってきます。

毎日を悔いなく生きる。
一日をまるで一生のように生きるキティちゃんとKさん。
清々しくこの上ない温かいキティちゃんとKさんの関係です。
取材後、キティちゃんに改めてメッセージをもらいました。(写真を通してのコミュニケーションです)

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これでいい。
間違ってなんかない。
おかあさんの選択に間違いはない。
わたしを生かしてくれてありがとう。
(キティちゃんはKさんのことをおばちゃんではなくおかあさんと呼んでいますよ)

Kさん、キティちゃん、ありがとうございました。

Kさんから後日談をいただきました。

早速、子ども時代に食べたことのある温州みかんを買ってきました。
みかんを見せると釘づけで、小房の袋を剥いてあげるのもジ――っと見ていましたが
果肉を差し出すと、酸っぱい匂いに逃げて行き、食べることはなかったです。
でも、子どもの頃に美味しかった記憶があるんですね!





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アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!

岩津 麻佳

2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。

HP

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みにゃさまのコメント

治療をがんばるのもすべては家族のため。おかあさんの選択肢に間違いはないといいきるキティちゃんの意思の強さ、気高さが伝わります。
最後が来るのをしっていてなお、家族が悲しまないようにしたいと言う彼女のどこまでも深い愛が読んでいて涙が溢れます。最後の時を迎えるのはつらいですがこれを受け止めるのも残る者たちへたくされた仕事ですね。でもきっとKさんご家族なら彼女の思い描く最後を迎え、受け止められるとわかります。

Kさんこれからはどうかご自分のことを堂々とおかあさんと言ってくださいね。

by あずにゃん 2018-05-25 09:57

このお話を読んで、昔どなたかが歌っていた、「愛し愛されて生きるのさ」という歌のワンフレーズを思い出しました。
病気と闘うのは本ニャンも家族も辛いですが、大好きな家族の笑顔と笑い声があれば頑張れちゃうのかもしれませんね。
1日1日を精一杯というよりは、日々おだやかに過ごせますように(*˘︶˘*).。.:*♡ 

by はなこママ 2018-05-25 11:13

ご病気には見えない美しさ!
一切悲壮感なしで、穏やかで毅然として全てを受け入れて生きている姿に感動、愛しかないですね。
なんて素敵なんだろう。
見習いたいものです。

by おやかた 2018-05-25 18:03

6枚目のレオン君と一緒に写ってる正面向いた写真。
なんて、高貴な。そして、可愛い。

by Miki 2018-05-25 20:44

つい10日前に黒猫を見送りました…まだ5歳だったのに胆管が詰まってしまい、あっという間でした…
私自身も癌になってしまいちゃんと状態を見てやれなかった事が悔やまれます…ずっと帰ってこなかった子が、最後の力を振り絞って帰って来てくれ、辛く苦しい姿であっても見せてくれた事に感謝しかありません。キティちゃんの様に思ってくれていたらと願うばかりです。

by ぴかにゃ〜 2018-05-25 22:19

皆さんコメントありがとうございます。
病気の猫さんとお話する度に、猫って、動物ってなんて強くて大きく優しいのだろうと思います。
Kさん夫妻の揺るぎないお気持ちにも頭が下がります。

by 岩津 2018-05-27 10:30

なんでこんにゃステキな生きものが、ヒトなんぞの傍にいてくれるのかニャ~?恥ずかしいかぎりです~(/_・、)

by にあ 2018-05-28 09:51

>にあ様

人は愛されてます(=^・^=)

by 岩津 2018-05-30 18:06

我が家も癌で大事な子を失くしています。また同じく白血病キャリアだった子もいます。
ずっと私たちなりに必死で悩み考え、そして治療を続ける度に「本当にこれでいいんだろうか?」という迷いが常にありました。この気持ちはこの子達にとって本当は辛いものではないか?無理させているのではないか?何を考え何を望んでいるのか?けれど、どの子にも私たちが愛しているがうえに頑張って欲しいという願いをくみ取ってくれた気がします。それを改めて思い出されました。いつかの別れが優しい別れでありますように、キティちゃんだけでなく全ての我が子の仲間たちに祈るばかりです。

by チィパッパ 2018-06-05 16:45

私も先々月に愛猫が天国へ旅立って、寂しさや悲しみがまだ残っていますが、一緒にいて楽しかった事や嬉しかった事などを思い出せるようになってきました。
いつかまた愛猫の生まれ変わりか私の寿命が尽きた時に再会できる日を想って毎日を生きています。
ここにコメントをした理由はひとつ。
猫は柑橘系はダメなのは有名な話なんですが、みかんなんかあげて大丈夫なんですか?
私が今まで飼ってきた歴代の猫達は全員、柑橘系の匂いがしただけで逃げて近づいてきませんでした。
食べるどころか舐める事すらもっての外だと思います。
猫ちゃんに嫌われたいなら柑橘系を与えれば良いと思いますが、猫ちゃんにとっても毒なのでそういう基本的な事を知らなかったなんて言葉では済まされないと思います。
これは岩津さんに対してではなく、キティちゃんの飼い主さんに対して怒りすら覚えます。
このコメントが都合が悪くて消去するなら勝手にすれば良いと思います。
でも私は真実と本音を述べているので。

by 通りすがり 2021-07-25 18:40