[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

先々週の道ばた猫日記「新しい居場所」で紹介した、りんちゃんももちゃんの飼い主さんである真理子さんからこんな話を聞きました。
「実家の父が、ついこの前、庭で仔猫を保護したんです。もともと猫はそんなに好きではなかった父ですが、メロメロになって、事務所で飼っています」

というわけで、真理子さんに案内していただき、保護された「あーちゃん」に、会いに行きました。



まるで「こねこのぴっち」という絵本から抜け出してきたみたいなハチワレ猫さんです。
これは、メロメロになる気持ちがよくわかりますね！
てのひらにすっぽり入る小ささのあーちゃん。やってきてひと月といいますから、保護した時は小鳥のような小ささだったことでしょう。



お留守のお父さんに代わって、お母さんと真理子さんが、保護時の状況を話してくださいました。
「主人が庭で草むしりをしていたら、ノラの母さん猫が横切ったんですって。１匹を口にくわえて、１匹は歩かせて。歩いてる子は、ヨロヨロとしてもう歩けなくて、置いて行かれちゃった、って」
「それで、母さん猫はそれきり戻ってこなくて、カラスたちが上を飛び回り始めたたから、父がその子を事務所に入れたんです」

お父さんは、そもそも猫が好きではなくて、お母さんが知人宅の小屋でうまれた猫、カロちゃんを引き取ってきた時も、乗り気ではなかったそう。
それでも、カロちゃんと仲良くしようと、抱っこしようとしては「シャァ」と言われ、頭を撫でようとしては「シャァ」と言われ、ちっとも触れないまま何年も過ぎました。
カロちゃんは、お父さんだけでなく、ニンゲンからはほっといてほしいタイプのあっさり猫さんだったのでした。
最近のお父さんの口癖は「ああ、触らせてくれる猫が飼ってみたい」。
そんな時に現れたのが、庭に置き去りにされたあーちゃんだったのです。
お父さんのお仕事は、耐震などを専門とする建築設計。事務所を自宅続きに持っています。



あーちゃんは、保護された時から、お父さんにべったり甘え、よく食べて元気になると、二部屋ある事務所内を走り回るようになりました。



仕事机の上でくつろいだり、棚から棚へ飛び移ったり、お父さんのスリッパをカジカジしたり、日に日にやんちゃ度が増していきます。



でも、こんな顔で見つめられたら、何でも許しちゃいますね。
それに、夢見ていた「触らせてくれる」猫さんなのですから。



きょうは、お父さんが外出中。
初めて居間に連れてこられました。階段をおそるおそる上り下りしてみます。



「わっ、ボクみたいなハチワレがいっぱいいるぅ！！」
出窓で目をまん丸くするあーちゃん。



プロレスごっこの相手をしてもらって、ハッスル。



走り回って、カーテンに突進し、その後ろのガラス戸に顔面をぶつけて、わけがわからず「何で？」と涙目になる一幕も。



なんだか居間が騒がしいと、階下から先住猫のカロちゃんがそーっとのぞきに来ました。
カロちゃんとあーちゃんとは、一度軽く顔合わせをしているのですが、匂いを嗅ぎに来たカロちゃんのお顔に、あーちゃんのしっぽがパシッと当たり、カロちゃんを憤慨させてしまったのだとか。
無理せず、ゆっくり仲良くなってくださいね～
お父さんがあーちゃんを可愛がる分、お母さんはカロちゃんを立てるようにして、気を遣っています。
少しずつ少しずつ顔合わせを多くして、カロちゃんがあーちゃんを受け入れるようなら、あーちゃんは事務所猫から自宅猫になるということです。



おやつタイム。
「おいちい、おいちい！」とご機嫌のあーちゃん。

ところで、「あーちゃん」という名は、愛称で、、本名は「あしゅら」なんですって。
仏像好きなお母さんが、奈良・興福寺の「阿修羅像」からつけました。



阿修羅は、３つの顔を持っています。
あーちゃんも、「甘えんぼ・暴れんぼ・食いしんぼ」の３つのお顔を持っていますから、ぴったりの名前ですね。



まだまだ小さな紙箱に入るほどの小ささですが、必死に育てていたノラ母さんから引き継いだ大切な命です。



いっぱい遊んでもらって、お母さんの腕の中で、寝落ちしました。

取材は、２週間前でしたが、きのう、真理子さんからこんな楽しい最新情報が届きました。
「カロとあーちゃんの距離はまだ縮まっていませんが、父のあーちゃんへのメロメロ度は増す一方で、母に話しかけることと言えばほとんどあーちゃんのことばかりらしいです。『あー、遊んでやるのに疲れちゃったよ 』と言いながらも、事務所での『今日のあーちゃん』の様子を、毎日うれしそうに話しているそうです」

(･∀･)♪ 以前間違ってお伝えしてしまいましたが、1月の道ばた猫日記「あたたかな場所その③」でご紹介した三浦うみかぜレンタサイクルの看板猫うみちゃんが、明後日５日午後１０：２５～のＮＨＫ「もふもふモフモフ」の １コーナーで紹介されます。ぜひ、成長したうみちゃんをご覧ください。

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化！