祐一朗さんと知子さんは、この2月に結婚したばかり。一緒に住み始めたのは、去年の8月からです。
おふたりには、それぞれ、2匹のオス猫と1匹のオス猫という、大切な「連れ子」があり、同居にあたって、こんな同意がありました。
「猫たちが仲よくなれなかったら、結婚はなし」
祐一朗さんの連れ子は、この子たち。
まず、白黒のシブいイケメンさん。「夏空」の日にやってきたから、「なっちゃん」。5歳です。
5年前のこと。祐一朗さんは、ときたまのぞいていたペットショップでいつまでも売れ残っていたベンガルを気にかけていました。
どんどん「値段」が下がっていき、大きくなっても売れないあの子はどうなってしまうのだろう。そう思うと、ほっておけず、ついに迎える決心をして、店に向かいました。
ケージの前に立ったとき、すっとやってきたひとりの女性が「この子、もらいます」。同じ思いの女性だったのでしょうか。
「ああ、よかった。おうちに迎えてもらって」
そんな思いでいたところ、「捨てられていた子猫をもらってくれないか」という、友人からの連絡が入ります。
「ああ、いいよ」と返事をすると、その直後に「別の場所でもう1匹拾った。2匹、仲良くしているので、2匹もらってくれないか」。
写メールを見ると、この子もなんとも愛らしい子猫ではありませんか。
「いいよ」と返事をし、なっちゃんと共にやってきたのが、「くう」ちゃんです。血は繋がっていませんが、同じく5歳。
「あんなにかわいかったのに、いまでは、こんなキツネの妖怪みたいな猫になりました」
マニアックな猫好き(私も含め)が見たら、ゾクゾクするほど最高にキュートな猫さんです。
そして、知子さんの連れ子は、アキラちゃん。3年前、やはり、保護された子猫の時にもらい受けました。
アキラちゃん、一見、白黒のぶち猫のように見えますが、尻尾やあごに茶色があり、「オスの三毛猫」なのです!
そして、なんと、あの名作「やさしい猫」のぽーさんにそっくりなのです。
と、3匹のご紹介が終わったところで、3匹の仲が気になりますね。
おふたりが言います。
「もう3兄弟のように仲がいいんです」
「はい、顔合わせしたその日から」
ほんとだ。おやつタイムにも、ちゃんと順番に仲良くもらっています。
オトナのオス猫同士が仲良くなるって、何かコツでもあったのでしょうか。少しずつ少しずつ馴らしていった?
祐一朗さんが言うには、
「いや、ぶっつけ本番で顔合わせして、シャアもフーもなく、その日のうちにすぐに仲よくなりました。一応1週間くらい隔離して徐々に馴らそうかな、と、大きなケージを買ったのですが、一度も使わず・・・全く予想外でした」
これは、きっと「僕たちが仲良くしないと、ふたりの結婚がなしになっちゃう」と思ったのか、それとも、飼い主譲りで、賢く円満な猫たちだからなのか......。
というわけで、2プラス3は、何の問題もなく、仲良し家族になりました。
「どの子も、おんなじにとってもかわいいです」と、祐一朗さん。
じつは、おふたりは、六本木の同じ会社で働いていました。いまは違う会社で働いていますが、知り合った時は、同じ部屋の同じグループ。
仕事の話しかしなかったふたりでしたが、知子さんがアキラちゃんを飼い始めた時、猫飼いの先輩としていろいろ相談に乗ってもらったことから、仲良くなったとか。
猫たちが、キューピットだったのです。
新居は、知子さんが設計した、猫仕様。
外が見える大きな窓。帰宅時間には、2階の窓から通りをウォッチングしている3匹が、玄関で揃って出迎えてくれます。
キャットタワーなしでも、どこにでも上がれる棚や家具の配置。
なっちゃんは、キッチンの高いボードの上がお気に入り。
それを見つけたくうちゃんが、自分も飛び乗って、なっちゃんを舐めてやっています。これは、「ボクの場所をあけて」というサインです。
どこでも通れるよう、部屋と部屋には間仕切りはありません。
洗面コーナーには、大きな猫ドアが。
こんな快適空間だから、猫たちも、ストレスなく、仲良く暮らせるのでしょう。
もともと仲のよい、なっちゃんとくうちゃんが一緒に寝ていると、アキラちゃんは「ボクも」と、真ん中に割って入るそうです。こんな風に。
「今年の年賀状は、この写真を使いました」と、知子さんが見せてくれたのは、仲良し3兄弟が並んだ写真でした。
おふたりは「弟か妹を迎えたら、この3匹はかわいがってくれるかなあ」と言っていますが、
目に見えるようです。
3匹我先にと、可愛がる光景が。
末永く、お幸せに。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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可愛すぎる~♡
うちも現在は3匹、でもスリーショット収めるなんて至難の業です!
ほんとうに仲が良いのですね。いい光景!すばらしい!
by ぺったんの母 2018-08-28 15:19
ネコがキューピッドなんて、なんて素敵なご縁なんでしょうか。そしてこの子達のなんて賢いこと。きっと二人の事情はお見通しだったんですね。
マニアックな子が好きなのは私もです。ふてぶてしいブサネコが大好きです。
by ふみちゃん 2018-08-28 16:14
>ぺったんのお母さま
ボス格は、なっちゃんのようで、彼が猫格というか猫徳があることも大きいでしょうね。獣医さんに聞いた話ですが、保護された猫は、買った子より、次の子を受け入れることが多いとか。
by 道ばた猫 2018-08-29 09:59
>ふみちゃんさん
はい、可愛い子はもちろんかわいい。
そして、いわゆる一般受けしない猫は、個性的でいじらしくいっそう可愛いのです!
by 道ばた猫 2018-08-29 10:06
かわいすぎる!!( *´艸`)♥
でっかくて個性的な柄の猫さんたち、しかもみんなでっかいのにあまえん坊で仲良しだなんてうらやましすぎます。キュービッドだった猫たちですもの、きっとそのころから「この二人をくっつけて僕たち3兄弟になろうねっ」ってていたに違いありませんね。
二人と三匹家族、ますます増えそうな予感です。
by あずにゃん 2018-08-30 12:59
>あずにゃんさん
連れニャンたちも意気投合なんて、ほんとにハッピーな結婚ですよね~
新メンバーが入ってきたら、物語の続きをまた取材させていただくお約束をしましたので、お楽しみに。
by 道ばた猫 2018-08-31 00:06
なんて個性的なかわいさ抜群の子達!!小さい頃はキュートなくうちゃん、おとなになってからのほうが(キツネの妖怪、に笑ってしまいました)味があって可愛いです~(*^_^*)
みんなちゃーんと状況を理解してそれに見合う行動をしてそう♪猫様は賢いですものね!
たまらない個性的な猫さんたち、心をぎゅっと掴まれました♪♪
by とも 2018-08-31 20:10
>ともさん
猫さんは、人間の上をいきますからね。
おじいちゃんズになっても、仲良く楽しく毎日を送ってほしいものです~
by 道ばた猫 2018-09-01 00:35
ニャハハ~迫力満点
重量級ニャンコの川の字ニャ~(^・^)
by にあ 2018-09-01 09:12
>にあさん
留守番も仲良し3匹だと心配ないですよね。
夫婦ともに猫好きだと、帰宅が遅くなったときも安心だし、いいことずくめ。
by 道ばた猫 2018-09-01 19:47