フェリシモ猫部は、NPO法人「神戸猫ネット」さんと、保護猫の譲渡会を開催しています。「譲渡会便り」では、譲渡会で素敵な里親さまと出会い、しあわせになった猫さんのお話をお届けいたします。
①ミルキー
去年の春のことでした。
段ボールに入った状態で捨てられている仔猫を3匹保護しました。三毛猫三姉妹は、ひとまず「ミルキー」、「ミント」、「プリン」と名付けられ、すくすくと元気に育ちました。
※真ん中の白い子がミルキー
ミルキーが里親さまと出会ったのは「第27回譲渡会」。
里親さまは、猫を飼うのが初めてのご家族で、最初はとても緊張されていました。でも、すぐに慣れて、2週間のトライアル後に正式譲渡が決まったのです。
新しい名前はクレイス。カギしっぽにちなんで、ギリシャ語で「鍵」という意味の言葉を選んで付けたそうです。
正式譲渡からまもなく1年が経ち、里親さまの元で元気に暮らすクレちゃんの幸せのお便りがこれからも楽しみです。
~里親さまより~
クレちゃんは、相変わらず元気です。
大好きな「チャオ」がもらえる時間になると私の手を噛みにやってきます。
そして、私の見ているパソコンを邪魔するためにキーボードの上に乗っかってくるんです!
「ごはんの時間だにゃ~」
クレちゃんがわが家に来てからもう一年だなんて感慨深いです。
②テンちゃん
テンちゃんとの出会いは去年の3月末でした。お寿司屋さんの駐車場でフラフラになっているところを保護したのです。ヘルペス性の風邪を引き、目やにで目が塞がり、ガリガリに痩せて弱っていました。
※保護時のテンちゃん
獣医さんによると、さまよっていた期間はかなり長いだろうということでした。そこで迷い猫の可能性も考えて飼い主さんを探しましたが、見つからなかったのです。
※保護されて少し元気になった頃
ここからは、少しだけテンちゃんの病気についてお話させてください。
まず、ヘルペス性の風邪というのは仔猫の時にかかると、一生完治することはなく、症状が出たり治まったりを繰り返すのだそうです。さらに、テンちゃんは猫後天性免疫不全症候群、いわゆる猫エイズ陽性であることがわかりました。
ただし、猫エイズは人のエイズとは全然違うもので、「猫エイズ=すぐに死」ではありませんし、人にも感染しません。そして、潜伏期間も長く、感染した全ての猫が発症するとも限りません。快適でストレスなく生活すれば、発症せずに寿命を全うする猫が多いのです。
現にテンちゃんは、そんなハンデを全く感じさせないくらいに元気になりました。
人懐っこくて、やんちゃで愉快!甘える時も怒る時もイタズラする時も全力! 毎日、私たちを楽しませてくれる猫ちゃんでした。
だから、テンちゃんみたいな猫ちゃんなら、きっといつか理解ある里親に出会えるのではないかという思いで譲渡会に参加することにしたのです。
そして、何度か譲渡会に参加した後の今年3月、テンちゃんは素敵なご縁に恵まれました。猫エイズの説明を受け、ご理解の上エントリーしてくださったのは、ご両親と小学生の男の子2人のご家族です。
トライアルまでに猫についての本をたくさん読んで勉強してくださり、ご家族は初日からすぐにテンちゃんと仲良しになれました。
※トライアル初日
そして、4月に正式譲渡が決まったのです。
2人のお兄ちゃんはとにかく動物が大好きで、テンちゃんはいつも楽しく遊んでもらっています。
※カードゲームに参戦!
お兄ちゃんが学校から帰ってくれば、走って玄関に迎えに行き、夜は一緒に寝ているそうです。
朝早くお母さんを起こしてしまったり、誰かがお風呂に入っているとテンちゃんも入っていったり、先住のメダカを狙ってみたり......。
「爪切りは勘弁してにゃ~!」
相変わらずのやんちゃっぷりは治らないようですが、ご家族全員で優しく見守ってくださっています。
※眠いけど遊びたいテンちゃん
テンちゃんは、天真爛漫な持ち前の明るい性格でハンデなんてもろともせず、見事に幸せを手に入れたのです!
※一家のお笑い担当!
おめでとう!テンちゃん!
元気なテンちゃんの様子が綴られた里親さまからのお便りが、これからも楽しみです。
(フェリシモ猫部スタッフより)
猫を飼いたいと思われたら、「譲渡会に参加する」という選択肢をぜひご検討ください。さまざまな境遇で保護された猫さんが、みにゃさまとの出会いを待っています。どの猫も、とってもかわいいですよ。