フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所: 鎌倉市内 横浜市 藤沢市 逗子市 葉山町 三浦市 茅ヶ崎市 他
私達NPOと活動協力する(公財団)神奈川県動物愛護協会から依頼を受けた案件をご紹介します。
鎌倉市に程近い横浜市内の公共宿泊施設が依頼主で、周辺から集まる猫達の不妊化手術です。
1 依頼内容
施設周辺から集まる12頭の猫達(成猫3頭、月齢3~4猫が9頭)を施設従業員の協力を得ながら、全頭手術と状況に応じて子猫達の譲渡を行う事でした。
2 状況
①木立に囲まれ、バーベキューなど屋外飲食も提供する施設であり、猫達が集まりやすい
②猫達の行動範囲が広く、食べ物をもらえる事もあって、従業員の給餌に集まる猫が不定
③従業員の不妊化意識は高く、過去には個人的に不妊手術や保護をしていた
④冬場の繁殖期が近づいていて、出来るだけ早く手当てしたい
⑤横浜市の助成金を利用して、神奈川県動物愛護協会(KSPC)付属病院で手術する事に
3 作業経過
1)初期観察 2018年10月初旬
未手術の母猫が2頭、成猫オス1頭と術済み子猫1頭、それぞれの母猫に4頭の子猫が付き切りで別行動している為、行動パターンを知る為に監視カメラを使用しました。
2)給餌場所と時間帯の設定
約1カ月の観察で、給餌場を2か所に決め、時間帯も3つに絞り込み経過を観ました。
3)捕獲と手術
11月中旬からそれぞれの給餌場に捕獲器を設置して捕獲作業を開始したが、2つのグループの内片方のグループは2回2日で母と成オス猫、子猫計6頭を手術出来ました。
別グループは母猫の影響が強くて子猫達4頭は捕獲器に入らず、捕獲に2週間を要して12月末に4頭手術出来ました。母猫はこの時に捕獲出来ず、年明けて1月後半に大型捕獲器で捕獲出来、一番最後の手術となりました。
4)術済みの猫達
術済み子猫8頭は譲渡に向けて保護預かりのために順次引き上げし、成猫3頭は耳先を
Vカットしてリリースしましたが、子猫1頭だけは捕獲手術出来ずにいました。
5)事故とその猫の譲渡
未手術子猫の1頭の右前足が骨折しているらしいとの知らせが1月中頃にあり、大型捕獲器で捕獲出来ました。
私達が通常通う鎌倉市内の動物病院で診察・検査と治療をお願いしましたが、結果右前足の肘直前で骨折していたとの事。
治療法は自己骨細胞の発達を待つ方法や、断脚手術がありますが、獣医さんは若い猫なので細胞の発育を待つとの選択をされ、約1カ月の入院で完治しました。
この間に病院側の協力で、スタッフの友人がこの子猫の里親さんになって頂きました。
6)2018年4月末現在
子猫9頭中、人慣れに遅れている1頭を除き、骨折事故入院中里親さんが見つかった1頭と、7頭の里親さん探しは順調に進んで譲渡が済んでいます。
今回は鎌倉市内の猫カフェに里親さん探しの協力を頂いて大きな成果を上げられました。
4.結び
里親さん探しする猫の中で、時として人に慣れるのに半年、1年或いはそれ以上の長期間を要する場合も有りますが、私達は何時でも里子に出して飼い主さんの愛情を一身に受けさせてあげたいと考えて、長期間保護も準備期間としての活動ととらえています。
<ご支援くださっているみなさまへ>
不妊化手術する猫達の捕獲には、猫達の行動を観察して、どうすれば安心して近づいてくれるのかを考え、自分が石に見えるようにと息を殺して見守ります。
20年近く猫達の不妊化手術に関わっていますが、捕獲作業は何時もドキドキします。 毎回が真剣な気持での活動です!
生まれてくる事を人が阻むのは許せないと言う人もいます。自由に外で遊ぶのが本来の猫の姿と云う人もいます。
確かに、飼い主が飼い猫の生活の保障、繁殖の判断が出来る場合、猫の屋外の行動に責任を負えるのであればの話ではないでしょうか?
飼い主のいない猫が自由に繁殖をして、例えば毎回4頭の子を年間2回産めば8頭、親子で10頭。
半年で子猫は出産可能になりますから、もし4頭産めば親子6頭、合計16頭になります。 この例は現実的な試算です。
「2頭のペアから16頭」これでも不妊化手術に反対出来るのでしょうか?ふつうの場合、生まれた猫達は成猫になって行く途中で、親と別れ、兄弟とも別れて自立して行きます。「拡散」すなわち猫密度又は濃度が薄まって行くのです。ですから、定住している人には2頭が16頭とは実感できないだけです。
もう少し現実的な状況を考えたとして、2頭が16頭にならない場合、すなわち、生まれても育たない事もあり得ます。その場合も多くの場合、人には見えません。
ただ見えないだけで、地域内の猫総人口が増えて飢えるか、死んで行くか・・・どちらにしても、悲しい、やるせない現実になります。
人が人として、生命体としての猫の存在を考え行動する事が意義ある事として、私は考え続け活動し続けます。
代表理事 村田
「認定特定非営利活動法人 キャットネットかまくら」
http://www.catnet-kamakura.jp