[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

東京都西部の、まだ自然がたくさん残る町に暮らす、英海（ひでみ）さんと直子さん夫妻のおうちには、４匹の猫がいます。
みんな、ワケアリ保護猫。そして、みんなそれぞれに個性的。



今いる猫たちのうち、はじめにやってきたのは、灰白の「グリ」ちゃんです。７歳のメス猫さん。
直子さんが、当時実家にいた柴犬ケン太くん（この子も子犬の時に保護）の散歩をしていたら、ケン太くんのまわりをウロウロついてきた猫でした。

すらっとした脚の持ち主で、どこか飄々とした「我が道を行く」猫さん。
「マイペースで過ごすのが好きで、抱っこすると、『何すんのよっ』ってすごく怒るんです（笑）」と、直子さん。



そのくせ、食い意地は人一倍。ご飯の要求どきの鳴き声がものすごくうるさいので、ある時、直子さんはこう言いました。
「うるさいときは、もうご飯をあげないことにするからね」
すると、どうでしょう！
グリちゃん、その日から、ピタッとうるさ鳴きをやめて、黙ってじっと待つようになったのだとか。悟ってますね！

２匹目は、８歳の三毛猫、「茶々」ちゃん。



この家に引っ越してきてから保護した猫です。近所で新築工事中の大工さんに可愛がられているのを目にしていたのですが、おうちがないのがわかって、保護しました。
人にも猫にもフレンドリーな、ムードメーカーさんです。お客さん応対は一身に引き受けます。



丸っこいからだと、ぐるんと巻いたカギ尻尾がご愛敬ですね。



３．４匹目は、見るからにおっとりのキジトラ兄妹、「イズモ」と「カンナ」のご登場。
妹のカンナちゃん（写真右）のほうがかなりの人見知りで、２階から連れてこられ、こんな表情に。
７年前、子猫の時に直子さんの実家で保護され、神様が出雲に集まる神無月（かんなづき）の１０月生まれだったので、この名前を付けてもらいました。



観念して、目をつぶってしまった妹のカンナちゃん。
岩合さんの「猫歩き」テレビの熱心なファンで、かぶりつきで見ているそうな。直子さんのストーカーでもあって、スキあらば、隣に座りたがる甘えんぼさんです。



いい味してるお兄ちゃんのイズモくんは、そろそろ相撲部屋からスカウトに来そうだなあ。

直子さんは、独身時代、勤務先の玄関にやせ細った猫がいるのを連れ帰ったのが、保護猫と暮らす始まりだったとか。
実家の庭に現れ、首輪がたすき掛けに脇の下に食い込んでいた猫を保護したことも。
その猫は、大ケガをしていたので「ケッちゃん」と名づけられ、この家でお二人に可愛がられて、昨年旅立ちました。



英海さんは、ご実家でニワトリは飼っていたけれど、猫と暮らすのは結婚して初めて。
ご夫婦で心を合わせ、こうして保護猫を次々迎え、それぞれの個性を尊重して暮らしていらっしゃるのは、ほんとうにすてきです。



「マイペースなグリ。懐っこい茶々。おっとりイズモに人見知りカンナ。猫それぞれで、おもしろくて、毎日笑えます。これから寒くなってくると、足の間に入ってきて湯たんぽ代わりになってくれるのはうれしい」と、英海さん。



「猫はしゃべらないのがいいですね。だから、お互い気を遣いすぎず、程よい距離感を持てる。人間もこうありたいものと教えられます」と、直子さん。

次々と保護したワケアリ猫たちは、いまや英海さんと直子さんの大切な家族。



そう、猫は、それぞれに個性的。（ことにワケアリ保護猫の個性といったらハンパない）　だからこそ、猫はいとしくて面白い。
そして、どんな猫も、めぐりあって心通わせれば、かけがえのない「家族」となり、「福猫」に。
おふたりの穏やかな笑顔を見て、改めてそう思いました。

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