みにゃさまと一緒につくる連載、「保護猫しあわせ物語」。
Vol.9は、ガリガリの状態で家のガレージにやってきた「ミント」ちゃんのお話です。
ミントが実家に来てからちょうど1年が経ちました。
去年の夏、実家のガレージに見慣れないガリガリの猫が1匹、顔を出すようになりました。
その前の年末に22歳の愛猫が天寿を全うし、70歳を前にした母は「もう寿命まで世話できないかもしれないから、猫は飼えない」と言っていました。
1日、2日とそのガリガリの猫の姿を見かけ、しまいには母の姿を見るとなきながら近くまで寄ってくるように。
母は無類の猫好き。そんな猫を放っておくことはできず、近所の猫好きの方々の助けで、保護する決意をした母でした。
すぐに動物保護施設に連絡をし、捕獲用のカゴを借りて保護しました。
カゴを貸してくださった保護施設のボランティの方からは、野良猫は2~3年の寿命なので無理に保護して家猫にするのは、気楽に野良猫で暮らしていた猫にとってしあわせなことではないかもしれませんよ、と言われたそうです。
捕獲時のカゴがよほど怖かったようで、その日は1日カゴの中で大声でないていた猫。
母も捕獲を手伝ってくれた方々も病院で避妊手術だけして、放すべきかと随分悩みました。
しかし、病院に避妊手術で連れて行くと、どうやら数日前に出産した形跡があると先生から聞き、近所に聞いて回るとこの猫が産んだ可能性の子猫が3匹見つかりました。
それに、石のような固いものを食べてきたのか、歯が1本抜けて歯茎が炎症を起こしていました。
それを聞いて母も決心をしたようで、親猫は自分が引き取り、子猫3匹は近所の方が引き取り手を見つけてくれました。
家には先住犬が1階にいるため、2階の1部屋をその猫の専用部屋に。怖い捕獲用のカゴから解放されたと思ったら、病院で痛い痛い避妊手術。
保護前は母の手から餌を食べるくらいにまで慣れていた猫が、すっかり警戒モード最高レベル。部屋に人が居ると餌も食べず、近寄るとシャーと威嚇。
それでも、母と私で「ミント」と名前を考え、私は月1回ミントに会いに行く度に「痛かったね。怖かったね。でもミントの赤ちゃんもみんなしあわせになったよ。今度はミントがしあわせになろうね。ここの家の人は安心だよ。もうミントに怖い思いはさせないよ。」と話し続けました。
父と母が毎日少しずつ部屋に入り、ミントも少しずつ心を開いてくれました。
月1回しか顔を出さない私にも、半年ころから怖がりながらも寄ってきてくれるようになりました。
野良猫だった子が家に慣れるまで何年もかかることがあると聞いていたので、一度心を許すと一気に甘えだしたミントに、家族全員が驚きました。
今では、なでて欲しい時はごろーんと犬みたいにお腹を出して甘え、おもちゃで遊んで欲しい時はおもちゃをくわえて「にゃーん」となきます。
なでても、遊んでても、ずっとゴロゴロ喉をならしているミント。
抱っこ大好き、なでまわされるの大好き、とてもおしゃべり好きな猫になりました。
狭い部屋に一人で暮らさせて、家を自由に闊歩できた前の猫たちと比べると不幸かなぁとも思いますが、手狭な部屋でも餌と雨風しのげる家がある猫になることを受け入れてくれたミント。
大阪で今年、大きな地震や台風を経験し、もし、あのままミントが野良猫のままだったら...と考えると膝の上でゴロゴロとしあわせそうな姿のミントをぎゅっと抱きしめてしまいます。
(ミント/不明(2~3歳) ペンネーム:きくつまさんより)
スタッフより
みにゃさまからの、「保護猫しあわせ物語」を募集しています。
保護される前、または家に迎え入れる前のエピソード(Before)と、家に迎え入れた後しあわせに暮らしているエピソード(After)の2つを盛り込んでお送りください。
ご応募いただいた作品はリサイズや加筆修正等させていただく場合がありますのでご了承ください。
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にゃんてキレイ✨なブルーアイズにゃ♥
♪トンボのメガネは水色メガネ♪
という昔々の童謡があるけれど、
ミントちゃんも、ずーっと青いお空を
見てたのかニャ~(^^)
by にあ 2018-10-26 22:33