ちょっと足をのばせば、奥多摩の山々や秋川のせせらぎ。
そんな里山に暮らす陶芸作家、河村郷子(さとこ)さんのお宅には、2匹の三毛猫がいます。
その1匹、母屋暮らしのキクちゃんは、もうすぐ20歳になる、堂々たる三毛猫さん。
19年前の春にこの地に越してきて、「猫が飼いたいね」と、家族で話していたら・・・・。
なんと、越してきて3か月目に、小学生の坊ちゃんが、学校に近くに「落ちていた」子猫2匹を発見。友だちとそれぞれ1匹づつ家に持ち帰ったのでした。
拾われた子猫は「道ばたに咲いている野菊みたいに地味なふつうの猫だから」と、「キク」と名づけられました。
わあ、ほんとにか細くて小さかったですね!
そして、こんな具合に「ふつうに」やんちゃして、みるみる大きくなりました。
今では、大輪のキクのごとき三毛猫さん。
「主人がキクをよく踊らせるんです」と、郷子さん。
ええっ、猫が踊る?それは見てみたい!
画家である正之さんの2階アトリエにキクちゃんとお邪魔しました。
正之さんは東京学芸大学教授を早期退職して、会派に属さず、自由に絵を描き続けてい
ます。
「はい、キクちゃんが踊ります」と、正之さん。
文楽の黒子のようにキクちゃんの手足を持ってひょいひょいと操ります。郷子さんが節をつけます。
「もう、お父さんたら、つきあってらんない」と言いたげに見上げながらも、つきあってあげているオトナなキクちゃん。
拾ってくれた息子さんは、もう自立してこの家にはいませんが、さぞ家族3人から可愛がられてきた、のんびり長寿猫生なのでしょう。
ご夫婦共に創作家同士のおうちで、創作の合い間に絶妙なリラクゼーションの役割も果たしてきたに違いありません。
さて、もう1匹の三毛猫ミケタちゃんは、10年ほど前にその辺をうろつき始めた子猫でした。
ですから、キクちゃんとはおよそ10歳違い。
家に入れたものの、キクちゃんとの仲が折り合わず、庭に建っている郷子さんの陶房「またたび工房」で暮らすようになりました。
夏は風通しのよい場所で、冬はあったかいねぐらで自由気ままに過ごします。
ミケタちゃんは、人見知りしないキクちゃんと違って、かなりのビビリで人見知り。
意志の強そうなキクちゃんとはまた別の魅力のある、やさしいお顔の美人さんですね。
郷子さんは、すぐ前の畑で、ありとあらゆる野菜を無農薬で作っています。夏は、スイカやウリまで。
毎朝の畑の手入れ・収穫に必ず同行するのは、ミケタちゃん。
里山の空気や大地が気持ちよくて、ゴロンゴロンしてしまいます。
猫2匹との心地よい里山暮らしの中で生まれてくる郷子さんの作品は、お人柄も反映して、どれもやさしく温かみのある味わいで、物語性も秘めています。猫のモチーフもたくさん。
6月の道ばた猫日記「
不思議な場所」でご紹介した、ギャラリー・ネオ・エポックで今週土曜17日から始まる「KNIT and CAT展」では、郷子さんの猫モチーフ陶芸など、10人のものつくり作家さんによる「あったかもふもふニットとキャット」をテーマとした作品が展示販売されます。部屋数も多く広いので、それはそれは見応えある展示になりることでしょう。ギャラリーの猫たちも出迎えてくれるかもしれません。
今週から4~5週の予定で、「KNIT and CAT」展に 出品の作家さんの猫たちを紹介していきます。
◆* ギャラリー ネオ・エポック *◆
東京都あきる野市戸倉1514
月曜休み。10:30~17:30
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。
『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。
『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。
『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
Instagram
里山でのびのびと暮らす、可愛い三毛猫さん、のどかな風景に猫は本当によく似合いますね。青空の下でコロンコロンしてるネコさんを見ると本当に癒されます。猫がこんなふうにリラックスできる環境が後世まで残すことは人にとって大切な義務のような気がします。
今月21日に娘が入籍します。ちゃちゃ子とぽんずに正式にパパができます。動物好きの優しいパパなので、二匹とも安心して甘えられます。
by ふみちゃん 2018-11-13 15:59
キク(^_^;)
またまた貫禄ネコたん登場!
推定6キロだな。
でも高齢ネコは太めのがいい感じ(^_^;)
キクはお父さんのケアしてやってると
思ってるよ、これは間違いなし!
我が家と同じだから(^_^;)
ミケタは同じ三毛猫の
「ドラキー」
と性格が違うのお。。。?
しかし
自由気ままで
ゴロンゴロン
は全く同じだな(^_^;)
空気や大地が気持ちいいって
さすがの観察力にゃんね(^_^;)
しかしドラキーめ
最近俺の膝の上に鎮座しまくるから
き、厳しい。
二時間超えるとしびれが。。。
そのうちエコノミー症候群で
俺のが先にお陀仏かも?(^_^;)
by ドラ猫マスター 2018-11-13 17:42
>ふみちゃんさん
はい、猫は自然や自由人のそばがよく似合いますよね。
そして、お嬢さんのご入籍、おめでとうございます。おしあわせに!
by 道ばた猫 2018-11-14 05:47
>ドラ猫マスターさん
いい勘です! キクちゃんは6キロちょいって聞きました。
うちも同じく、スキあらば膝に乗られて、足がしびれる季節となりました。うれしいけど。
by 道ばた猫 2018-11-14 05:54
ドラ猫マスター様さすがです。推定6キロほぼ正解です。20歳近くともなると朝起きてご飯がっつり食べて→トイレ→戻ってきてご飯まだ? と、なります(^^;; 好きな様にさせているので、デブデブですがほとんど医者いらずの元気猫です。
by 河村郷子 2018-11-14 21:53
おおお♥
郷子さんの旦那さま、正之さんの
会派に属さぬという、天晴れその自在さは
正にニャンコに通じるニャ♥
そのお膝の上なる猫じゃ踊りなれば
キクちゃんも、きっと納得♥満足なのニャ~
キクちゃんの踊り、カワユイにゃり~(^^)
by にあ 2018-11-14 22:54
>郷子さん
楽しい里山取材でした。
家族全員(ヒト2ネコ2)、「お互いに好きなように生きましょうね~」って感じがすごくよかった。長生きの秘訣ですね。
by 道ばた猫 2018-11-15 05:02
>にあさん
そうそう、意に沿わないことはしない、群れない、へつらわない、居心地のい場所を知っている・・・同じ魂ですね。自由人と猫たちは。
by 道ばた猫 2018-11-15 05:07
キクちゃん!なんとまぁ意志のあるきれいなお顔♪20歳近くまで生きている猫ちゃんはどんなことがあっても動じなさそうですべてお見通しのようです~(*^_^*)大きくなって良かったね、たくさんの愛情と食事のおかげなのでしょうね♪ミケタちゃんもほんとに優しげな美人さん♪いつまでも二匹とも、長生きしてね。作品も素敵ですね~!!
by とも 2018-11-15 13:01
>ともさん
老猫は、「すべて世はこともなし」って感じで超越していて、カッコいいですよね~。
本当に2匹しておいしい空気吸って可愛がられて長生きしますように!
by 道ばた猫 2018-11-16 05:28
意に沿わない事はしない、群れない、へつらわない、その通りかも〜〜
ただし人間の場合は結果として、あまり出世しない感じとなります(笑)
ニャハハ〜〜それでイイのら〜〜٩( ᐛ )و
by 河村郷子 2018-11-16 22:18