ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2019年05月15日

ご長寿へと繋がる厳しくも温かい猫暮らし

犬好きの奥様のハートを射止めたのは意外にも「猫」。近所のペットショップで子猫と目が合い一目惚れするも、「衝動買い」は嫌だというご主人の説得もあり、その日は一旦自宅へ――。見た目の可愛さの裏側にある、日々のお世話や金銭的な問題を夫婦で話し合い、それでも「あの子がいい!」と双方が合意。そうして家族に迎え入れた「momo太郎」(男の子)は、現在16歳になっていました。

kd20190515-1.jpg
THEリラックススタイル。



猫暮らしのはじまり


スコティッシュフォールドのmomo太郎は、飼い主の太田利次さん、薫さん夫妻(京都市在住)が初めて迎えた動物でした。当時はマンション暮らしで飼うなら犬よりも猫かなという雰囲気があったそうで、そこからスタートした猫暮らしでしたが、猫を飼うのが初めての奥様はとにかくmomo太郎を目一杯甘やかしたのでした。

kd20190515-2.jpg
人見知りのないmomo太郎。

kd20190515-3.jpg
ドア開けろってことかい?

kd20190515-4.jpg
お庭が見渡せるいい場所ですね。

kd20190515-5.jpg
ここはお風呂かい?

kd20190515-6.jpg
いますいます。お風呂場の水が好きな子が。
でもmomo太郎さん、前脚が桶に入ってない?



6年目に始めた食生活の改善


スコティシュフォールド特有とも言われる心臓疾患の薬は処方されていたものの、momo太郎は穏やかに成長。しかし6歳のときに「尿路結石」にかかります。おしっこをしたいようだけどモゾモゾと様子がおかしいmomo太郎にご主人が気づき、病院で検査をしたところ、そう診断されたのです。原因は食事でした。夫婦ともに働いているので日中は置きエサを多めにし、また市販のおやつも「喜ぶから」と頻繁に与えていたようです。そこから獣医さん指導のもと、心を鬼にしておやつはなし!ごはんも市販のドライフードから療法食に切り替えたのでした。(その後、尿路結石は完治)
現在の食事は朝晩の2回。ドライタイプの療法食「糖コントロール(ロイヤルカナン)」がメインフードです。

kd20190515-7.jpg
階段を軽快に登る16歳。

kd20190515-8.jpg
しかし、さっきから距離感が遠いなぁ。避けられている?

kd20190515-9.jpg
あ、水飲み場でしたか!



家族みんなの頑張りで


健康に関してはシニア期に入って一時、腎臓病と糖尿病を患いました。腎臓の方は標準値よりも高く、自宅での補液も経験。糖尿病も同じくインスリン注射を続け、約1ヶ月後には必要のないところまでに......。この話に深くうなずく私がいました。私も過去にスコティッシュフォールドを飼っていたからです。その猫「こじろう」の晩年も腎臓病と糖尿病にかかり、太田夫妻と同じように夫婦で頑張ったことを思い出しました。もちろん、症状の改善は猫の頑張りがあってこそです。momo太郎も頑張りました!今は心臓の薬と「アンチノール(Vetz Petz)」、健康補助食品「ルンワン粒」を服用。アンチノールは主に関節用にと獣医から勧められ、そのお陰か階段もスーッと行けるようになったと太田夫妻は感じているそうです。

kd20190515-10.jpg
さぁ次へ!

kd20190515-11.jpg
ご主人の趣味の部屋のようです。

kd20190515-12.jpg
そして、私は気づく。家の中を案内してくれてたのか!賢い!



ずっと元気でいて欲しいから


毛艶が良いのは毛づくろいを欠かさないキレイ好きな猫だから。触るとすぐに匂いを舐め取られます。そして目力があって、とにかく取材時に歩き回る行動力、脚力は16歳とは思えないほどでした。momo太郎の場合、若いうちに食事を見直したこと、普段と違う行動を見逃さなかったことがご長寿に繋がっているように思います。「普段行かない場所」でこもったりするのは特に要注意と、日々厳しい目で見守る温かな太田さん夫妻でありました。

kd20190515-13.jpg
光線で遊ぶ16歳!

kd20190515-14.jpg
食べて、飲んで、遊んで、寝て。

kd20190515-15.jpg
大好きな家、自慢の家なんだね。案内してくれてありがと!




「猫又トリップ」が書籍になりました。

gochouju200-290.jpg
ご長寿猫がくれた、しあわせな日々

15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。

試し読みはこちら (ΦωΦ)


写真

猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

X

Instagram

カテゴリ: 猫又トリップ
  • ツイート
  • いいね!

みにゃさまのコメント

動物は、お金で買わないでください。
高いお金を使わずとも保護猫が温かいご家族を待っています。
毎日、たくさんの命が殺処分されていることを考えてください。

by しろみこ 2019-05-15 15:16

すべての猫の命は等しく尊い。momo太郎くんが、今のおうちで可愛がられて長生きできますように。
それを前提で書きます。
保護猫活動を応援しているフェリシモ猫部で、今その哀しい歴史と販売が問題になっている耳折れスコティッシュを、何ら問題意識なく取り上げる意味を教えてください。

by 3匹の母ちゃん 2019-05-15 15:54

ドイさんはスコティッシュフォールドとか血統に関係なく、ただ15歳以上の猫さんの取材をしているだけです。ドイさんもスコに特有の病気を理解した上で、このブログを書いています。これはあくまでもブログなので、そんなに悲観的にならなくてもいいと思いますが。ドイさんも彼なりに保護猫・保護犬活動を行なっています。

by neco 2019-05-15 16:41

皆さま
ご感想ありがとうございます。
私も猫を飼うなら保護猫を!という立場です。ただ買った猫も分け隔てなく取材させていただいております。
なぜなら猫にはなんの罪もなく、どんな猫も可愛いからです。
この連載のテーマは「15歳以上のご長寿猫の暮らし」を通してご長寿猫になるべくヒントを探す旅になっております。ミミ折れスコの問題を追求するのは私のテーマではありません。
ただ、こちらのコメント欄を見て、読者の方にそういった問題や気づきがあれば意義があるのではないでしょうか。

by ケニア・ドイ 2019-05-15 21:05

momo太郎くんは、16年間ご家族に可愛がられて、大事にされてきたから、’今’があるのですね。
私は今一緒に暮らしている猫が、20歳(!!)超えて生きてくれたらいいなと思い、その為のヒントになればと、毎回ブログを楽しみにしています。
さすがに20歳は、ハードル高いですかね~(^-^;

by さび茶風 2019-05-15 21:14

猫と一緒に暮らし、猫のことを知るうち、
初めてペットショップでの問題を知った一人です。
コメントでの意見も、これから一緒に暮らそうとする方にも
とても参考になると思いました。
どちらの意見も、更に考えるきっかけになりました。

私は里親としてスコと暮し、19歳半で虹の橋に旅立ちました。
腎臓、心臓、関節の問題、色々乗り越えてのご長寿旅立ちだったことを、
記事を拝読させていただきながら当時を振り返り、思い出していました。

ご長寿猫さんや、そのご家族が、穏やかで暮らせるヒントとなる記事、
これからも楽しみにしております。

by クランベリー 2019-05-15 23:25

さび茶風さん
いつもありがとうございます。
20歳は全体の1割未満ですからハードル高いですよ〜

by ケニア・ドイ 2019-05-16 10:16

クランベリーさん
ご感想ありがとうございます。
19歳半のスコですか!今まで聞いた中で最長寿かも?!
しかも心臓と関節の問題を抱えての!とても強い子だったんですね。
育て方も気になります。
ちなみにうちのスコは17歳半で猫生を全う。
心臓や関節の問題は全くありませんでした。
最期は猫種を問わない腎臓病でした。
これからも旅を続けます。ご声援ありがとうございました!

by ケニア・ドイ 2019-05-16 10:31

ケニア・ドイさん、
お返事ありがとうございました^^

食事は、腎臓の値でひっかかった時から腎臓ケア食に替え、
心臓疾患が見つかってからは投薬してました。

育て方として、あまり気にしてなかったかも?なのですが、
本人(猫)、気ままに穏やかに、
のーんびり暮らしていたような気がします(笑)

ケニアさんのスコちゃんも17歳半のご長寿だったのですね。
それも心臓、関節の問題もなかったとのこと。
ご長寿お仲間ですね!

今は食事も医療の力も、飼い主さんの意識もあって
20歳越えの猫ちゃんも増えるのではないかなあと思ってます。

またお邪魔しますね。
お返事、ありがとうございました!

by クランベリー 2019-05-21 02:47

いつも楽しみに拝読しています。まだまだご長寿には遠い猫たち6匹と暮らしていますが、若い時からの健康管理、異常の発見、早い治療が長生きの秘訣だと感じます。
シニア手前、エイズ陽性、皮膚病など様々な状態の子もいますが、家族としてねこ生を全うできるよう努力をおしまないつもりです。
猫をとりまく環境も年々かわるとともに、人の意識もまた変わっていきます。
野良猫やペットショップというカテゴリが今よりすくなくなり、猫たちが人と寄り添いどちらも幸せに生きいけまうように。
歩は少しづつですが、きっと変わるはずです。
ドイさんのこのブログでも、ご長寿でしあわせな猫とヒトの暮らしをみるとしあわせな気持ちになれます。それだけでも十分意義はあると感じています。

by あずにゃん 2019-05-22 11:03