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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2019年09月17日

人生を変えた猫

MYSTくんは、5歳のキジトラの雄猫。
温厚で、誰にでもフレンドリーな猫さんです。

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「今日はちょっと暑いね~」と話しかけているようなMYSTくん。
大好きなパパといっしょに、どこへでも出かけます。
(今年、房総の樹木葬のお寺で開かれた「地域猫」写真展、そして、松山庭園美術館での「猫ねこ展」で、2度もMYSTくんにぱったり出会ったことから、ご縁を感じ、今回の取材を引き受けていただきました)

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「犬みたいな猫なんです」と、パパのSPYDERさん。可愛くてたまらないようです。

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運転するパパのそばで、風景や会話を楽しみながら、ドライブは日常茶飯事。
ハーネスを手にすると、すっ飛んできて、玄関でスタンバイするほど、お出かけ大好き。

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そう、あの日、パパと初めて会ったときも、MYSTくんは、「この人についていく!」と断固決めたように、自らSPYDERさんの車に乗り込んできたのでした。

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4年半前の4月の終わり。
SPYDERさんが茨城県の霞ケ浦に行ったときのこと。
若い猫が、その辺の草むらから飛び出してきて、足元から離れず、帰るときに当然のように車にいっしょに乗り込んできたのです。
それまで、犬派で、猫と暮らしたことのなかったSPYDERさんはびっくりしましたが、そのまま九十九里に近い家に連れ帰りました。

「きっと、車で連れてこられて、湖畔に捨てられたんだと思います。初めての猫との暮らしが始まったわけですが、犬仕様の家は、猫仕様となり、猫グッズが増えていって......、僕の人生をもがらりと変えてしまいました」

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なんで、こんな人懐こい、いいコが捨てられなければならないのか。
そんな思いが、捨て猫や外猫など、猫たちの置かれている境遇へ目を向かわせました。
調べれば調べるほど、自分のそばでMYSTくんが幸せそうにしていればいるほど、外猫たちが耐えている虐待をも含むつらい事実が突き刺さってきました。

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いっしょに暮らすようになったかえでさんとは、動物愛護法改正の署名をきっかけにして知り合ったそうです。
かえでさんは、福島で保護された「楓」ちゃんという雌猫と暮らしていました。
楓ちゃんは「ヘミングウェイ・キャット」という多指症の猫さん。(道ばた猫日記『ヘミングウェイ・キャット「このは」ちゃん』参照)
同じキジトラで、年齢も同じくらいで、すぐにMYSTくんと仲良くなりました。

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MYSTくんは、ふたりのどちらにも大甘えですが、楓ちゃんは、ママがいないときだけパパに甘えるそうです。

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すべての猫たちが安心して、誰かの庇護のもとで暮らせるように。
SPYDERさんとかえでさんの思いは、同じです。
最近は、富山県で起きた猫虐殺の裁判の傍聴にも、名古屋のインコ虐待事件の公判にも、ふたりで出かけてきました。
「犯人を追い詰めたり晒したりするのではなく、どうしたら、猫たちに同じ危険から遠ざけることができるのかを知りたくて」

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猫にすっかり人生を変えられてしまった(おかげでかえでさんとも知り合ったわけですが)SPYDERさんは言います。
「こうやって人間に出遭って幸せになったMYSTや楓のような子がいる一方で、出遭えないまま短い一生を終える子もいれば、虐待犯に出遭ってしまう子もいる。この違いは何なのか。外にいる子がもっともっと幸せになる方法を 、国はもちろん、みんなで考えていかなければね」

そして、こうも言い添えました。
「社会的弱者の方たちも動物たちも暮らしやすい社会が、結果的には、僕たちにとっても暮らしやすい社会のはずなんです!」と。
まったく同感です!
MYSTくん、楓ちゃん、パパとママのそばで仲良く、これからも同じ志の人たちの輪を繋げ、広げていってね。

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

こんなにフレンドリーな子なら、きっと過去に人間と暮らしたことがあるかもしれませんね。何があったか知らないけど、そんなに可愛がっていたなら、なぜ捨てるようなことをしたのでしょうか?先日、ネットのコメント欄に猫の虐待について書き込みました。ある方から返信が届きました。アレルギーや糞害、鳴き声を我慢することの苦しみが分かりますか?と書かれていました。確かに気持ちは分かります。でも、根本的な原因は人間なんだということを分かってはいないようでした。文句があるなら、無責任な餌やりや避妊、去勢をしない人間に言ってほしいです。

by ふみちゃん 2019-09-17 14:47

家のぽんちゃんは元の飼い主から捨てられたんではなく
虐待を受けて逃げ出してきたんだということが最近判明しました
自分より弱いものは何をしてもいいとでも思ってるんでしょうか?
腸が煮えくり返ります
MYSTちゃん良い飼い主さん見つけられて良かったですね
ぽんちゃんも家の子になってから
立派な私のストーカーになってます(^_^;)

by ぽん子 2019-09-17 18:16

素敵な記事ありがとうございます。

by あゆみ 2019-09-17 19:54

パパのSPYDERさんのクルマが
高級車な件(^_^;)

多分ダイヤル式シフトレバーなので

「レンジローバー イヴォーク」


と見たにゃん!

そりゃおいらもドライブ行きたくなるにゃん!!

by ドラ猫マスター 2019-09-17 20:44

佐竹さんの記事を読むといつも幸せな気持ちになれます!毎週楽しみにしています。

by momo 2019-09-17 22:19

この世に生を受けたすべての生き物が毎日楽しく笑って幸せに暮らせるといいなぁ。

by shelly 2019-09-17 23:20

命に 重い軽いなんて ないですよね
どの命も 尊い命 ですよね

by さと 2019-09-18 06:12

佐竹さん
素敵な記事をありがとうございました
おかげさまで、富山の猫虐殺事件の裁判は、求刑を上回る判決が出ました
これが少しでも虐待を受けるような不幸な猫たちを減らす一助になってほしいと切に願います
まだまだミィと一緒に猫たちのために頑張ります(=^x^=)

by SPYDER 2019-09-18 06:28

MYSTくん、意志のあるきりりとしたキレイなお顔で茶のお鼻もチャーミングですね♪こんなに可愛くて人懐こいいい子、素敵な方に家族にしてもらえて本当に良かった。猫はちゃんとわかっているのですね。楓ちゃんも可愛い!二匹仲良しなのもとってもいいですね。
ほんとうにみんなみんな尊い命。

by とも 2019-09-18 07:15

パパさんとラブラブなMYSTくん、見ていて心が和みます。この世に生を受けた生き物達がもっと過ごしやすい世の中になる事を願ってます。

by シーマン 2019-09-18 07:25

>ふみちゃんさん

5枚目の写真が、乗ってきたときの写真なのですが、これは、どう見てもノラ生まれではないですよね。
天真爛漫な性格が損なわれないうちに拾ってもらえて、ほんとうによかった!

by 道ばた猫 2019-09-18 10:56

>ぽん子さん

そうだったんでしか・・・。ぽん子ちゃん、つらかったね。でも、逃げ出して、自分で新しい運命をつかんで、えらかったね。これからはずっと幸せにね。

by 道ばた猫 2019-09-18 10:58

>あゆみさん

こうして、いろいろなすばらしい飼い主さんと出会えるのは、猫たちが会わせてくれているとしか思えません。MYSTくんもしかり。「ボクは幸せになったけど、つらい思いをしてる仲間たちのことも書いて」って。

by 道ばた猫 2019-09-18 11:02

>ドラ猫マスターさん

ドラ猫マスターさんが気になったのは、今回は名の由来よりも、クルマでしたか。ちなみに「MYST」は、霞ケ浦で拾ったからだそうです。SPYDERは、わかりません(笑)。

by 道ばた猫 2019-09-18 11:07

まったく同感です。みんなが同じ気持ちになれたらどんなに幸せかと思います。MYST君と楓ちゃんの幸せそうな2ショット。ありし日のちい子がぺったんに寄り添う姿と同じなんです。相性ぴったりなんですね。
うちの2ショットも見ちゃまずいかな~と思うほどラブラブでした。いつまでも二人仲良くね♡
抜歯の手術を無事終えたぺったんは、帰宅後ごはんにまっしぐらでした。(笑)朝からの絶食がよほどきつかったみたいです。

by ぺったんの母 2019-09-18 11:08

>momoさん

ありがとうございます。そう言っていただけると、すごく張り合いが出ます。
猫たちをめぐる境遇は、まだまだ課題多々ですが、これからも猫たちの味方になって書いていきます。

by 道ばた猫 2019-09-18 11:11

>shellyさん

そうです、そうです。この世に生まれてきた生きとし生けるものはみな幸せになるべき・・・ニンゲンのために悲しい思いをする一生では哀しすぎます。

by 道ばた猫 2019-09-18 11:15

>さとさん

ほんとうに。猫と暮らす人は、その猫を通してすべての猫のしあわせに思いを及ばすようになり、猫を愛する人は、すべての生き物のしあわせにも思いを及ばすようになっていくのだと、思えます。

by 道ばた猫 2019-09-18 11:19

>SPYDERさん

今回の、富山事件の、求刑を上回る判決、よかったですね! 「虐待、許すまじ!」のいい流れになりそうです。SPYDERさんやかえでさんのお話を伺えて、「自分にできることを」とあらためて思いました。

by 道ばた猫 2019-09-18 11:27

>ともさん

そうそう、MYSTくんの鼻先がちょっとオレンジがかった茶色なの、チャーミングですよね!
楓ちゃんも、人見知りな上目遣いがなんともかわいかったです。いいコンビ。

by 道ばた猫 2019-09-18 11:29

>シーマンさん

「心を許し合う」ってこういう光景なんだなあ・・・・と、3枚目の写真を撮りながら思った私でした。
猫と暮らす者にとっては、至福のひとときですよね。

by 道ばた猫 2019-09-18 11:36

>ぺったんのお母さま

ぺったんちゃん、無事抜歯手術終了、お疲れ様。
猫にとっては、歯のないことはそんなにダメージはないそうで、食欲もりもり、よかったよかった。

by 道ばた猫 2019-09-18 11:39

佐竹さん
素敵な記事と写真をありがとうございました
とても良い記念になりました

by かえで 2019-09-18 21:46

楓ちゃんのお手々かわいいの~。
アメリカのヘミングウェイ・キャットの本場キーウェストでたくさんのヘミングウェイ・キャットさんに会った事があります。
あそこの猫さんはみんにゃもっとボテッと大きな手でした。
そりゃかわいいんですよ。
ショーケースの上でどうどうと手を投げ出して寝てて、きっとご自慢の手を観覧者に見せつけてくれてるんだろうな、と。(^.^)

by 才蔵 2019-09-19 00:19

>かえでさん

富山事件の判決の日に、アップさせていただいたこと、これも不思議なご縁と思います。
こちらこそ、ありがとうございました!

by 道ばた猫 2019-09-19 04:00

>才蔵さん

楓ちゃんも、言われるまでは気がつきませんでしたが、ポテっとしたグローブ型のお手々でした。
以前の記事のこのはちゃんたちと血がつながっているそうです。

by 道ばた猫 2019-09-19 04:05

楓ちゃんとこのはちゃんは同じ遺伝子でしたか。納得。

このはちゃんの記事で私今回と同じ内容のコメントしてたんですね。(やれやれ...これだから年寄りは┐( ̄ヘ ̄)┌)
実はヘミングウェイ・キャットに惚れ込んでしまいアメリカに行った際、少々無理してキーウエストに寄らせてもらったのです。
それはもう夢のような時間でした。(^_^)


この機会に私がネット断捨離(?!)してた間のここのコメント欄を少し拝読させていただきました。

世の中にはいろいろな方がいますね。
当たり前ですけど。
時に意見の対立や激しいやり取りや厳しい文言も。
でも、どんなコメントもここでは受け入れて、その上でコミュニケーションをはかろうとする茉莉子さんの一貫した強い意志を感じました。
それはとても貴重な場だと思います。
どうか、これからも出来うる限りは続きますように陰ながらに応援してます。
最近はここは総じて平和ですね。

社会全体としては自分以外の人の思いや意見、立場、環境等に思いやったり耳を傾けることなく自分の主張をひたすら強く押してくる人がどんどん増えてるようで...
私はすっかり首をすくめたカメさんになってしまってます。

それでも愛すべき猫や犬たち、生き物が生きやすい社会になってくれる事を願ってます。
当面は穏やかに密かに猫好きさんを1人でも増やしていけたらなぁと。(-_-;)

by 才蔵 2019-09-20 23:47

猫がご縁で家族になるって、素敵ですね~。2匹がすぐに仲良くなれたのも、運命を感じます✨
お二人と猫ちゃんたち、末永くお幸せに!


猫虐殺事件…‘’50匹以上殺した‘’と聞いたときはショックでした。被害にあった中に飼い猫が含まれていたから発覚したのであって、外猫だけだったら、犯人は犯行を続けていたかもしれない。有罪になるのは、当たり前です。犯人側が控訴したようですが、自分のしたことを重く考えていないのでしょうか。相手が人間なら死刑なのに。
怖い思いをして亡くなった猫たちのことを考えると涙が出てきます。こんな事件が二度と起こりませんように…。そして、これ以上悪いことで県名が出てほしくないと願うばかりです(-_-;)。

by さび茶風 2019-09-21 09:48

2匹の猫の可愛さがたまらなくて可愛い!と先日コメントしました。外猫や動物虐待のことについても少し……本当に外猫にとって暮らしやすい世の中が何よりですね。お世話してくださる人間と外猫の共存。人の温かい気持ちが猫を通じて世の中全て良い方向に行くのではと思います。

by とも 2019-09-21 12:56

>才蔵さん

ほんとうに、世の中は様々な考え・感覚の人で成り立っていますよね。あなたはそうお考えかもしれないけれど、私は・・・という柔軟さと最低限のマナーだけは守りたいものですね!

by 道ばた猫 2019-09-22 02:46

>さび茶風さん

富山事件の犯人は、弁護士に言われるまま、いったんは控訴しましたが、その後、「よく考えたら、それだけのことをしたんだから」と思い直し、ひとりで控訴を取り下げに行き、判決が確定しました。彼の人生が、少しでも罪亡き猫たちの償いに向かいますように。

by 道ばた猫 2019-09-22 02:50

>ともさん

おっしゃる通り、これからの猫愛護・保護は、人と人のよい関わりなくしては進まないと思います。
世の中の醜さって(国と国も)、たいてい「そっちがその気なら」で始まりますからね。

by 道ばた猫 2019-09-22 02:57

そうでしたか…。教えていただき、ありがとうございます。
孤独は、何かを傷つけることでは埋められないので、これから自分のすべきことを考えて生きてほしいです。私も考えていかなくちゃ!

by さび茶風 2019-09-22 09:21