岩津さんに聞く!
2019年10月11日
みにゃさま、こんにちは。
今回は、訪問アニマルコミュニケーションにご応募くださったUさんのお宅に行ってまいりました。
いただいたご相談はこちらです。
黒猫 女の子 年齢不明 ぐりまるちゃん
知り合いから紹介してもらった方が保護猫の活動をしていて、その方からぐりちゃんを譲り受けました。
譲り受けてから1ヶ月ほど経ちますが、最初の対応が悪かったのか、家庭内野良の様な状態になっていて、私たちに鉢合わせると、猛ダッシュで逃げていきます。
元々、臆病な性格らしく、それでもたまに、手からおやつをあげると、へっぴり腰ながらも食べてはくれます。「シャー」と言われたり猫パンチはされても、引っ掻いたり噛み付いたりはしないので純粋に私たちが怖いだけなのかなとも思うのですが、やはり、ぐりちゃんに快適に過ごして欲しいという気持ちでいっぱいです。
気になる点は夜鳴きです。保護主さんのところは仲間が沢山いたので、もしかしたらうちは寂しいのかもしれません。でも決してうるさくて寝られないとかではないです。うちの家族は全く影響ありません。
相談したい内容は、少しずつでも歩み寄りたい、今どんな気持ちでどういう事を考えているのか、ぐりちゃんにとって快適なのか、こうして欲しいという要望はないのか。そして、ここのお家を気に入ってくれているのかを知りたいです。ずっとツンのままでもいいので、ここがぐりちゃんの居場所だと思って欲しいのです。
ひょんな事から「家庭内野良」というワードを知ってしまい、うちの子も、もしかしたらこれに当てはまるんじゃないかと心配になった時に、アニマルコミュニケーターの岩津さんの存在を知りました。是非ともうちのぐりちゃんとお話して欲しい、今回応募したのはそう思ったのがきっかけです。
Uさんのお宅に伺うと、あらら?猫さんが増えてる! こんなにかわいい子猫2匹が出迎えてくれました。
もぐちゃん(5月生まれの女の子) 美しく気高い女の子
てんちゃん(5月生まれの男の子)
マンチカンとメインクーンのミックスなのですが、望ましい容姿にならなかったからとブリーダーにより処分予定だったところを無事レスキューされました。
訪問依頼を頂いた後もぐりちゃんの引きこもりと夜鳴きは続き、Uさんは猫仲間がいれば安心できるのは?と考え8月にこの2匹をお迎えされたそう。ぐりちゃんと同じお家出身です。
しかしながら大人のぐりちゃんと遊びたい盛りの子猫2匹はペースが合わず、今のところ仲良しとはならず......。
ご依頼を頂いてから2か月後の訪問となりましたが、その間ぐりちゃんに変化がありました。
夜鳴きは毎日ではなく、たまにまで減ったそうです。
そして完全に引きこもり状態ではなく、ご飯の時は2階のウォークインインクローゼット(定位置の引きこもり場所)からリビングに降りてくるようになり、夜になるとパトロールするようにふらっとリビングを一周して帰ることも。
日中も、このようにUさんの近くで寛げるまでになりました。但しUさんが動くと逃げ去ります。
引きこもりが一生続くのではないかと不安になりご依頼されましたが、こうして最近の様子を伺うとこの2か月で大進歩! ぐりちゃんがかわいくてたまらないので、触れられなくても居てくれるだけでいい、何年掛かろうといつか触れるようになったらいい、とUさんは仰います。
Uさんにとって、ぐりちゃんは初めての猫。
猫と暮らしたくて暮らしたくて新居に引っ越しようやく準備が整い、縁が結ばれ迎えたぐりちゃん。
ただ居てくれているだけで幸せですが、どうしたらもっと寛いで安心して暮らしてもらえるのかが知りたいと仰います。
2階に上がるとウォークインクローゼットの奥から私の気配を察したぐりちゃんの「シャーシャー」が聞こえます。クローゼットは暗い上にワンピースの裾に隠れているので全く姿が見えません。ご挨拶をするもお返事は「シャー!」。
すると、ぐりちゃんがクローゼットから決死のダッシュで寝室のベッドの下に移動。これでお顔を見ながらお話ができます。
ベッドの下は安全地帯。威嚇することもなくすぐにリラックスした表情に変わり、お話の心準備ができました。
岩 ぐりちゃん、このお家はどう?
ぐ 明るい。前の家と比べて明るいから落ち着かない。
私、静かに暮らしたいの。落ち着ける場所が欲しい。
私はお家に入った瞬間、Uさんは猫の為に家を建築されたのではないかと思いました。
実際は猫の為に建築された家ではありませんでしたが、木と漆喰の自然素材の室内、開放感、採光、お外にいるようなサンルーム、物が少なくシンプルで清潔――。猫が気持ちよく暮らせる室内、と思いましたがこれは家暮らしにすっかり慣れた猫限定なのかもしれません。
無垢の床で窓辺からの優しい木漏れ日に当たり、すやすやお昼寝をしているてんちゃんは最高に幸せなお顔。てんちゃんは物怖じせず初めての人にも遊んで!と寄っていく天真爛漫な子猫です。てんちゃんのようなオープンな性格なら最高に暮らし良いお家なのでしょう。
この明るくて開放感溢れるお家は、仕切りが少ないぶん人の気配を感じやすく声もよく通るので、まだ慣れないぐりちゃんは逆に落ち着かないのです。落ち着いて居られる(籠れるような)場所がない、とぐりちゃんは言います。
前に暮らしていたお家はここまでの採光はなく、物も多かったので籠る場所もあり、ぐりちゃんにはちょうど良かったのです。住居の好みは環境や人に慣れている場合とそうでない場合にもよりますし、性格にもよりますね。
ぐ 気持ちはわかるの。望まれてるのはわかる。でも私の気持ちが追い付かない。
遠くに来ちゃったなって思う。ちょっと寂しい。
Uさんのぐりちゃんを触りたい、早く慣れてほしいという気持ち。居てくれるだけで良いとUさんは言われましたが、「一日も早く」という思いがぐりちゃんを急かしプレッシャーとなり、距離を作ってしまいました。
ぐ 私が至らないから......。
もぐちゃんとてんちゃんをお迎えしたことに対しての言葉です。
自分がUさんの期待に応えられないから2匹を新たに迎えたのだとぐりちゃんは思い、悲しんでいました。
Uさん一家と2匹が1階で仲良くしている声を2階で聞き、「私だけ別」と孤立感を感じていたようです。
夜鳴きは慣れないストレスと緊張の発散によるものでした。
ぐりちゃんが窓から外に向かって夜鳴きをしている時に外に猫がいるのが見えたので、Uさんは猫の家族が欲しいのではないか、同じ猫がいればもっと安心できるのではないかと考え2匹を迎えたこと、ぐりちゃんを思ってのことだったと伝えると、「うん、わかった。」と頷いてくれました。
岩 Uさんに何か伝えたいことはある?
ぐ 私でいいのかな?
岩 もちろんよぐりちゃん! あなたがいいのよ。あなたはあなたでいいのよ!
Uさん宛てのメッセージに私が答えてしまいましたが、そうですよね、Uさん?
ぐりちゃんにとって、触れたいというUさんの思いがプレッシャーになっていました。
何年かかっても、と待たれていることも辛かったようです。望まれるとそれに応えたいと焦ってしまう彼女の性格。応えたいけど応えられないから辛いのです。
応えたいということは、ここに居たい、ここで家族の一員になりたいという思いと決心の表れでもあります。
ぐりちゃんにもっともっと安心して寛いでもらうには、そんな彼女の思いと性格を丸ごと受け入れて期待しないことです。
今は2階が定位置でちょっと距離はありますが、他の家族と同じように話しかけたり、アイコンタクトも大切です。家を出るときは「行ってきます」、帰ってきたら「ただいま」、姿を見たら優しい笑顔を向ける。2階にいるからそっとしておくのではなく、家族なので必要最低限の声かけはします。怖がったり嫌がったり緊張していなければ、少し距離を置いて同じお部屋で、「しばらく一緒に居ていい?」と本を読んだりお昼寝したりそれぞれのペースで過ごすのも良いですね。
彼女の心の距離が縮まれば実際の距離も必ず縮まります。
こうしてお互いに近づこう、近づきたいと思う家族になる過程もきっと何年か後には良い思い出になっているはずです。
Uさん、ぐりちゃん、ありがとうございました。
ぐりちゃんの為の模様替えもまたどうなったかまた教えて下さいね。
Uさんより後日談をいただきました。
今回、岩津さんに来て頂き、ぐりちゃんの気持ちを聞けて本当に良かったと思いました。
あれから変化という変化はないのですが、トイレの掃除や猫ちゃん達にご飯をあげる時、すぐ近くに来て座って待っていてくれたりすると、ぐりちゃんはぐりちゃんなりに気持ちに応えなきゃって頑張ってるんだなと思い、なんだか気持ちを押し付けているだけの自分が少し恥ずかしく思えてきました。
ぐりちゃんには、「そのままでも大丈夫、今のままのぐりちゃんでも大好きだから、これからも仲良くしようね。」と伝えました。
これからはお互いの距離感を保ちつつ、思いやりながら楽しい猫ライフを満喫したいと思います。
フェリシモ猫部からのお知らせです。
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次回のブログは11月8日(金)公開予定です。
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うちも今、家庭内野良になりつつある5さいのコが…。子育て中で、どうしても子供達に目がいってしまい、先日も彼の口の中に大きな歯石の塊をようやく発見しました。
ごめんね、こんなになってたら、痛かったでしょう?そう話すと、目を瞑って「うん」と頷くようにしていました。はーーーー、、私が彼の終の住処になるのに!と反省。とは言え、双子の子らから目を離すわけにはいかず、今は起きてからの数十分と子供らが寝てからの時間、彼が自ら来た時、目一杯お目々を見てスキンシップです。子供らと仲良くして欲しい、っていう飼い主ワガママは遠く置いといて、彼がゆったり過ごせる場所であれば良いと思ってます。ぐりちゃんも、うちのコも、自分が落ち着いて幸せを感じられる時間を一緒に作っていこうね。
by のんハハ 2019-10-11 13:42
>のんハハ様
どんなに時間がなくても、その少ない時間で心を向けていることは必ず伝わります。
家族ですからいろんな時がありますよね^_^
by 岩津 2019-10-12 14:10