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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2019年10月16日

毎日のおしゃべりが元気の秘訣!? 健康優良ご長寿猫

〝カシャ″「お前頑張るなー!」「最近その辺、全然いかないのに!」「見て! 専務が普段しない行動をしているよ!」カメラを構える私の耳に届いて来る飼い主さんの驚きの声。隠れて出て来なかったらどうしよう......。という取材前の不安を一掃するようなハツラツぶりを見せてくれた今回の主役は、どうやらヤル気のようです。

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ニャンとも可愛い。

飼い主の大津清子さん(千葉県浦安市在住)と私は顔馴染み。じつは大津さんのお仕事は編集者で私の別の媒体の連載担当者なのです。そういった気心が知れた関係性も良かったのか? 茶トラ白の猫「専務」(16歳・男の子)はすぐに心を開いてくれたのでした。

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子ども部屋に専務。

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いつもと違う行動を見せてくれるのです。



運命を感じた専務との出会い


専務は定食屋さんの向かいのパーキングで保護された猫でした。いつも定食屋さんが野良猫たちに餌やりをしていたのですが、子猫の1匹が全然ご飯を食べないことを憂い、ランチに来ていた大津さんグループにそのことを相談。大津さんの同僚の一人が「動物看護師」ということもあり、その子猫を家で看病することになりました。その間、大津さんは里親募集をするのですが、良いご縁に恵まれず、「よし、うちで引き取ろう!」となったというのです。保護からすぐに譲渡先を探すというスピード感のある行動は、動物系の仕事をしていたからでもあります。また大津さんは結婚後、猫と暮らしたくてペット可物件に移り住んでいたため、この出会いに運命的なものを感じていたのでした。

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ケリケリ蹴りー。

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じゃらしにニャーン!

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毛玉ポーン!

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お姫様ネックレスにガブー。専務16歳、いまでも遊びに夢中なのです。




家族とともに成長する日々


幼い頃から猫とともに成長し、動物が大好きだった大津さんは専務を迎えた2年後に三毛猫の「ミカ」(女の子・15歳没)を保護団体から迎え入れ、さらに1年後にはフレンチブルドッグの「ボク」(男の子・11歳没)を。それまで心配するほどのなきグセがあった専務ですが、ミカとの共同生活で徐々に落ち着き、猫らしさを取り戻したようでした。また、フレブルのボクとの相性は最初の2年はダメでしたが、晩年は一緒に寝るまでになったそう。そして、その後に長女(5歳)が産まれたときは、喜ぶでもなくなぜか塩対応の専務。しかし「ベビーベッド」の登場には大興奮! 夫婦が降ろしても降ろしてもすぐに乗って来るため、結局根負けし、専務は娘さんと一緒に寝るように。そんな背景もあって、今でも専務は「娘のお兄ちゃん」的存在なのだとか。

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靴下かわええー。



元気で大らかな食生活


ペット保険会社やペット業界で長く編集者として就く大津さんなので、食事はさぞかし気をつけているだろうと思いきや、「高齢なので、ただ元気に食べてくれればいい」と意外にそこはシンプルに考え、ドライフードの「銀のスプーン三つ星グルメ(ユニ・チャーム)」をメインに与えています。このスティックタイプのフードは、ちょこちょこ食いの専務にはピッタリで、小分けにされている点も選ぶ決め手となりました。また専務は茹でたとりのささみ、脂身を採った豚肉が大好物なようで、この日も「撮影が終わったらお肉!」と私の技術云々よりもお肉に釣られて頑張ってくれたのはここだけの話に(笑)。

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貢ぎ物も忘れずに。

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ニャンといい顔をするのだろうか。

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ごろーん。ご満足いただけたようです。




思いがけない出来事


フードや病気にも詳しい大津さんですが、この時ばかりは焦ったと言います。それは、今年の7月のこと、突如専務の目から瞬膜が降りてきて、驚いた大津さんは専務を連れて病院へ急ぎました。検査すると左右の瞳孔の大きさも揃っていなくて、調整ができていない模様。先生も「原因不明」とお手上げ状態だったのですが、処方された点眼・飲み薬が効いたのか2ヶ月経った現在、その兆候は私の見た目にはわからないほど回復していました。

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うん。目の調子は良さそうだ。



おしゃべり上手な専務


後からやって来た三毛猫のミカに比べ、専務は健康優良猫でした。今も体重は5kgほどあるため、飼い主にもあまりシニアの感覚がないようです。一方、2頭が先に虹の橋を渡り、やっと飼い主を独占して甘えられるようになった専務。この機会を逃すまい! と「ニャーニャー、ニャーニャー」。多頭飼育で落ち着いたなきグセまでも復活か!? と思いきや、「いえ、これは会話です」と平然と言い切る大津さん、なんとも頼もしい!

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ほんと、よく喋ります。

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「歳を重ねると言葉が通じすぎて困るわ」とニャンともうれしそうでした。




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ご長寿猫がくれた、しあわせな日々

15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。

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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

専務さん、とても16歳に見えない若々しさですね!大事に愛されてるお顔、幸せに長生きして欲しいです。専務さんは喉の作りの問題なだけで、ふつうに喋れそうな気がします(^^)

by よえちゃん 2019-10-17 00:10

よえちゃんさん
私たちの耳はいつ進化するのでしょうか?
猫の声が聞けたらそれはそれで煩わしかったりするのでしょうかね?w

by ケニア・ドイ 2019-12-20 13:31