みにゃさま、こんにちは。
フェリシモ猫部は神戸市と提携し、「人と猫が共に生きるまち神戸」をめざして活動しています。
「神戸市人と猫との共生推進協議会」に参加し、野良猫の不妊去勢手術や、譲渡会情報の発信などを推進したり、「神戸のふるさと納税」の動物愛護支援事業に寄附いただいた方へフェリシモ猫部グッズなどを返礼品としてお送りしています。いただいた寄附は、保護猫のミルクボランティアや譲渡活動、野良猫の不妊去勢手術などに使われます。
今回は、「人と猫が共に生きるまち神戸」をめざして活動に取り組んでいる人たちや猫たちのしあわせを願う人たちを取材した冊子のご紹介をします。
『人と猫が共生する街、 神戸』のブックは
こちらからもご覧いただけます。
きもちよさそうに日向ぼっこしている猫たち。
でも、どこかの誰かにとっては、迷惑だと感じさせてしまっていることがあります。
例えば、ふん尿の匂いだったり、鳴き声だったり。神戸市にはそんな猫による苦情が寄せられています。
神戸で生きる人と猫。
どうしたらともに生きることができるのか。
猫とどのように付き合っていくのがよいか、ということを考えできたものが、「神戸市 人と猫との共生に関する条例」です。
野良猫によるトラブルとさつ処分をなくすため、協議会をたちあげ、野良猫の不妊去勢手術に関する事業や猫の新しい飼い主を探す活動などを行っています。
◆数ヶ月限定、猫たちのお母さんになる ミルクボランティア
保護された子猫たちには、残酷ですが、さつ処分という道が存在しています。
現在の猫のさつ処分のほとんどは、子猫。
そんな子猫たちを救おうと、神戸市では動物病院と連携し"ミルクボランティア"という取り組みが2016年から行われています。
ミルクボランティアは、保護された子猫の授乳、体調管理を務める、お母さん的な役割。目が開いていない子猫が保護されることもしばしばで、一匹一匹様子を見ながらつきっきりでお世話が必要です。
子猫は、人間の赤ちゃんと同じで、ミルクは3~4時間おきにあげるそう。ですから、病院の看護師さんたちは、子猫のお腹を触るだけで、お腹の空き具合がわかるようになるといいます。
「子猫たちが、病院を離れる時はやっぱり、寂しいですよ。でもいっぱい可愛がってもらえる場所が見つかることは何より嬉しい。里親さんが見つかって、その数ヶ月後に通院するときにはシャー!とか言われちゃったりするんで、猫らしいな~って笑っちゃいますよね」。
取材協力:神戸市西区 ライフ動物病院
◆猫たちの新しい家族を 探す場
保護された猫たちの新しい家族を見つける場所。それが譲渡会です。
猫たちにとっては、一生涯の家族と出会う場所でもあります。
飼い主になる人たちは、可愛いだけで猫を選ばず、きちんと猫それぞれの特徴や個性を理解することが大切です。何より、譲渡を受ける前には、今の自分は猫を迎えることができる環境にあるのか、家族全員が同意しているのか、最期まで責任を持って飼い続けることができるのかを考えることが必要です。
これからの人生をともにするパートナーですから、猫とともに暮らす人の相性も見極めなくてはいけません。猫を保護している方との面談や、一定期間、その猫ときちんと家族になれるかどうかをお試しする期間(トライアル)もあります。
猫を迎え入れるのって、いろいろ大変だな、って思いました? でも、新しい家族を迎えるのですから。
◆野良猫とどう付き合っていくか
「地域猫活動」ってご存じですか?
「地域猫活動」とは、地域の理解のもとで野良猫の不妊去勢手術を行い、地域でルールを決めて適正に管理を行う活動をいいます。
神戸市の西のエリアで、地域猫活動を行う山田さんと中村さん。
地域猫活動を初めて10 年。当初は15匹いた猫たちも、今では4匹になったといいます。
山田さんたちの一番の課題は、地域猫活動への理解です。
どうしても山田さんたちが猫の世話をしていると、猫を増やそうとしていると勘違いされることもあるのだそう。世話をしている猫たちには、きちんと不妊去勢手術をして、これ以上猫が増えないようにしています。また、猫は縄張り意識が強いので、きちんと猫の生きる環境を作ることで、新しい猫もよってこないといいます。
「今生きている猫たちが悪いわけではない。きちんと天寿を全うしてもらえるように活動しています。地域猫活動をマンションの共有の場で行うのは、賛否両論があるからこそ、猫たちの食餌時間を決め、糞尿の掃除と花壇の手入れを徹底的にしてるんです。」と話す山田さんと中村さん。
中村さんが毎日お手入れをする花壇は、神戸市のコンテストで表彰されるほどの美しさ。
最終的には、ここにいる猫もみんな亡くなるときがくる。寂しさはあるけど、このような活動を続けることで野良猫が減っていくこと。それが大事。
取材協力:伊川谷ねこクラブ
◆猫たちを見守る、人たちの輪
神戸市のとある街に、不妊去勢手術を終えた猫たちが穏やかに暮らしているという話を聞き、地域で愛される野良猫ナンデスに会いに行きました。
野良猫が不妊去勢手術を受けている目印が、猫の耳にあるカット(耳カット)。
不妊去勢手術は、猫が地域で繁殖を繰り返さないようにするためにとても重要です。かわいそうだと思うかもしれませんが、飼い主がいない猫たちは、悲しい運命が待っていることもあります。そんな猫たちを増やさないための取り組みが、徐々に神戸の街にも浸透してきました。
街を訪れた当日、結局ナンデスには会えませんでしたが、チャーちゃんと呼ばれる猫が迎えてくれました。1年前からこのあたりに暮らす野良猫だそう。いつも同じ広場にやってくるチャーちゃんを、美容師さん、八百屋さん、塾の先生たちが交代で面倒を見ているとのこと。
1年前は、誰もチャーちゃんに触れることはできませんでしたが、今では、頭をなでることができるまでになったそうです。
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神戸市ではこうしたミルクボランティアや、その後の譲渡にかかる費用を「ふるさと納税」の仕組みを活用して集めています。
離乳前の子猫に数時間ごとに哺乳をし、一般の飼い主さんのもとに譲渡できるまで育てる「ミルクボランティア」、動物管理センターに保護された犬猫の健康管理、野良猫の繁殖防止などの数々の取り組みは、みなさんからいただいたご寄附によるものです。
今も多くの小さな命が救われています。
平成27年度は197頭だった犬猫の譲渡数を、平成30年度には359頭にまで増やすことができました。その他にも、168頭の子猫のミルクボランティアや保護された108頭の犬猫にワクチンや病気の治療を行ったり、野良猫の不妊去勢手術の費用に寄附金を活用したりした結果、さつ処分の頭数を平成27年度から457頭減らすことができました。
ふるさと納税についてはこちらをご覧ください▼
神戸市ふるさと納税HP
・『神戸市 人と猫との共生に関するガイドライン』
・『ひとと猫が共生する街、 神戸』 のコンセプトブック
は、上記URLからご覧いただけます。
こうした神戸市の取り組みが全国に広がることで、しあわせに暮らす猫たちが増えること、猫たちを想う街が増えるといいですね。