[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

みにゃさまと一緒につくる連載、「保護猫しあわせ物語」。
Vol.36は、「第39回 神戸猫ネット・フェリシモ猫部 譲渡会」で幸せになった4きょうだい「ソラくん」「カイくん」「モモちゃん」「リクちゃん」が保護されるまでのお話です。



今年の５月中旬頃、家の前の空き地で子猫が生まれたみたいと聞き、過酷な環境で生き抜いていかないといけない猫がまた増えたことにため息がこぼれました。
子猫の様子は、門扉を施錠された空き地の奥に母猫が隠してしまって見ることが出来ません。
時々姿を見せる茶トラの母猫は栄養を子猫にとられているせいか、げっそり痩せこけて毛もボサボサ、とても疲れきった様子でちゃんとお乳出ているのかが心配になりました。
そこで、栄養を少しでもとって子猫たちに授乳してもらうべく、ウエットフードとカリカリをお皿に入れてあげることにしました。でも、ウエットフードはきれいに平らげましたが、カリカリやおじゃこ等の固いものは口にくわえようとしてはお皿に戻す動作を繰り返します。凄く辛そうで、口内炎があるのかもしれないと思いました。そして、そんなことが続き、母猫は日々弱っていきました。門扉の前で耳をすましても、母猫に教えられているのか子猫たちの声は一切聞こえてきません。
そこで自宅の２階のベランダから空き地の様子を覗くと、ちっちゃい茶白の子３匹とミケちゃん１匹の４きょうだいが飛び回る姿をやっと確認することが出来ました。みんな元気そうです。
よかった、母猫の乳はちゃんと出ているみたいと安心したのもつかの間、母猫はウエットフードすらも食べたり食べなかったりするようになりました。子猫たちの離乳もそろそろのはずです。心配の種が膨らんでいきます。
そして６月に入った頃のことです。その朝、母猫がご飯を食べ終わったあと、おもむろに上体を起こしたかと思うと、突然私の顔を見上げながら「ニャーーー」と大きく響く一声を上げました。私はびっくりしました。母猫はそれまでずっと無言だったからです。そのとたんに、今度は４きょうだいが「にゃ、にゃ、にゃ」と一斉に鳴き声を上げながら、ワサワサと門扉の下の隙間から飛び出てきて更にびっくりしました。
あの時の光景は忘れられません。それはまるで、母猫が私に「あとはあんたに頼むわ」と言っているみたいでした。
そして、それからちょうど３日目に母猫の姿が見えなくなりました。
子猫たちはその日以来、朝昼晩と私の家の前で４きょうだい揃ってご飯を食べに来るようになりました。



やはり母猫には満足に乳をもらえてなかったのか、どの子も飢えていて凄い食欲です。ウエットフードが入ったお皿に顔も腕も身体ごと入っていく勢いで、我先に空っぽになるまで食べ続けます。
私の家の扉が開く音に反応して、門扉の下の隙間からヒョコヒョコともぐら叩きのように４きょうだいの顔が出てきます。数日もしない内に、ご飯の前後に私の家の敷地で遊ぶくらい警戒心がなくなってきました。
母猫が居なくなった今、無防備な４きょうだいをこのまま外に放置するのがとても危険なことに思えてきました。
この子たちをどうにか家猫にしたい、と願望がむくむく湧いてきました。



猫の譲渡経験がない私がいきなり４きょうだいの里親さん探しは正直ハードルが高いと感じたけど、同時に４匹もの猫を幸せな家猫に出来るチャンスは今しかないと決心しました。
そして、7月14日「第39回 神戸猫ネット・フェリシモ猫部 譲渡会」へのエントリーを目標に、私の保護生活が始まりました。



４きょうだいは本当に元気で仲良く可愛くて、譲渡会まであっという間の出来事でした。



譲渡会の当日は、４きょうだいの里親さんに出会うことが出来るのかという不安と期待が止まりませんでしたが、４きょうだいは、全匹がトライアルエントリーしていただく快挙となり、その全てが正式譲渡まで繋がることができました。
そして、里親様から「４きょうだいのその後」を教えてもらいました。

～幸せになった４きょうだいのお話（その2）へ続く～

（ソラくん　カイくん　モモちゃん　リクちゃん／5ヵ月　ペンネーム: にくきゅうーんより）

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スタッフより

みにゃさまからの、「保護猫しあわせ物語」を募集しています。

保護される前、または家に迎え入れる前のエピソード（Before）と、家に迎え入れた後しあわせに暮らしているエピソード（After）の2つを盛り込んでお送りください。
ご応募いただいた作品はリサイズや加筆修正等させていただく場合がありますのでご了承ください。

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