フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:北海道札幌市中央区
★恵庭 高齢者案件
札幌から2時間、高齢の飼い主が入院し8匹の猫が置き去りに。飼い主が自宅に戻ることはできないとのことでレスキューに向かいましたが、本人は飼育放棄をしていない状況。
お庭もお家も立派で穏やかに暮らしていた様子が見てとれますが、それでも家は住まなくなるとあっという間に劣化していきます。
まずは自宅の環境改善をして1匹ずつ引き出していくのが最善の方法と考え、ツキネコスタッフとツキネコボランティアさんでお掃除を行うことにしました。
参加した人それぞれが、猫達が過ごしやすい環境を考え、どんどんゴミをかたづけていきます。
カビや排泄物の温床になる布ものはご法度。出来るだけ何もない状態にしていきます。
壁や床に消臭剤を噴霧しての吹き上げ作業は猫に害の無い消臭剤ですから安心です。
「なぜそこまでするの?」とよく聞かれますがこのお掃除に関しては全くのボランティア行為で、自分達も気持ちよくお世話したいからです。
ツキネコ北海道の目的の1つが【猫を保護し、新しい里親へ命を繋ぐこと】ですが猫の問題はあくまで人の問題。
こちらのお宅はとてもキレイな方で、他の多頭飼育崩壊現場ではゴミ屋敷化したお家も少なくありません。そのような中から猫だけを引き出して終わりにするのではなく、飼い主とも正面からきちんと向き合い、片付けや掃除など人が住む環境もしっかり整え、同じことが繰り返されないようにしていかなくてはなりません。
猫の命と向きあい【適正に飼育することをきちんと考えてもらうこと】
また、昨今多くなっている今回のような高齢者の飼い主の場合には特に自分の命とも向き合い【終生飼養が可能なのか、自分に何かあった時の受け皿を整えておくこと】が大切で、それらの啓蒙活動もまたわたしたちの使命の一つだと考えています。
★苫小牧野良猫案件
札幌から1時間半ほど。古い小屋や民家の間のゴミ山などに長い間野良猫達が住み着き、妊娠を繰り返している猫や現在に妊娠中の猫もいるとのこと。
所どころで、次々に現れる餌やりさん達。
これからの捕獲・避妊手術のことを説明して、餌をあまり与えないようにお願いしました。
餌やりさん達も協力的で、猫達は人馴れしていて素手で捕まえられる子も数匹いるといい、早速近くにいた猫を抱き上げます。
すぐに捕獲でき病院に運んだメス猫4匹(1才くらい)は全て妊娠中。
マダニだらけ、回虫、条虫のオンパレード・・・
ボス猫と思われるオス猫はWキャリアな上に今まで見たこともない大きなマダニに吸い付かれていました。
リリースも考えていましたが、一見のんびりしているようにみえる野良猫生活は過酷なものだといつも思います。
さらに北海道の厳しい冬の寒さ。野良猫が越冬することは難しいのです。
あの場所が猫に取って幸せなのか...毎回葛藤する瞬間です。
捕獲の期間中はこの度の捕獲に関してポスターに明記し《餌を与えないように》注意書きをしましたが、全く効果無し。1匹も捕獲できずに帰ってきた日もありました。
連日の往復約150キロの運転 、高速費用...全頭を捕獲できるのはいつになるのか...ぐったりとする気持ちを抑えながらも、苫小牧に向かったある日のこと。
3台の捕獲器が忽然と消え、ポスターもビリビリに破かれていました。
やはり沢山の餌やりさんがいる場所では、全ての方の理解を得るのは難しいのです。
ドラム缶の中で出産した後、赤ちゃん猫は忽然と居なくなっていたそうです。
地方の高齢者の中には昔ながらの考え方がまだ抜けていない方が多く、野良猫が赤ちゃんを産んだら捨てるという行為を平気でする方がいるのも事実です。
動物の遺棄が虐待行為になるとか、罰金が課せられるとか動物愛護法なんて一般人には全く知られていないのです。
現在 6匹を保護。残り4〜5匹。
諦めませんが、問題はやはり餌やり行為について。
餌やりさんがいる限り、またどこからか野良猫が現れ住み着くと餌を与えてしまうでしょう。
猫達を心配して餌やりをされているようですが、やはりこの行為が不幸な命を増やす負の連鎖になることを知ってほしいと切に願います。
<ご支援くださっているみなさまへ>
いつもご支援ありがとうございます。わたしたちは広い北海道を走り回り、猫と人を繋ぐ活動をしています。それは時に猫の保護からはじまり、荒れ果てた猫屋敷のお掃除だったり、活動費捻出の為のイベント出店だったり、子ども達へのボランティア教室だったりと多岐にわたり線引きはありません。
また、それらの活動や私達が関わってきた問題を多くの人たちに、"知って"もらい、《適正飼育》《終生飼養・飼育放棄》《野良猫・餌やり》について考えてもらうことが大切だと感じています。
当団体の活動について慈善団体と思われる方も多いようで、行政などから助成を受けているとも思われがちですが、現在はほぼ個人の寄付者が多く、行政の助成はほぼありません。
命のバトンを繋いでいく私達の活動は、グッズ販売などの自助努力だけでは活動を賄える金額には程遠く、皆様からのご支援なしでの継続は難しいです。
これからも不幸な猫たちを救うために活動していきますのでご支援、ご声援を何卒よろしくお願いいたします。
「特定非営利活動法人 猫と人を繋ぐツキネコ北海道」
http://tsukineko.net/