猫好きに愛されている雑誌「猫びより」。私も毎号楽しい記事を書かせていただいています。
今週と来週は、「猫びより」編集者のおうちにやってきた子猫たちのご紹介です。
片ややんちゃ娘。片やおっとり娘。
今週は、若き編集者真穂さんちの、やんちゃ娘「とら」のお話です。
こんにちは!
まるでものおじなく、玄関まで走り寄って迎えてくれたとらちゃん。
興味津々で、ソファーから初めての客を見つめます。
お尻の方がサビ三毛っぽい、キジトラさん。4か月のいたずら盛りです。
笑顔がとってもキュートなとらちゃんは、真穂さんと、犬の「くま」さん(5歳・メス)と、東京郊外に暮らしています。散歩が楽しい歴史のある町です。
真穂さんの膝の上が定位置で、先住のくまさんをうらやましがらせているとらちゃん。
昨年11月の初めにここにやってきました。
真穂さんの実家は茨城県。小学校時代の友達から、こんな相談を受けたのです。
「ノラ母さんが子猫を5匹産んで納屋で育ててる。同じ敷地の別棟で暮らしてるおじいちゃんが保健所に連れて行くと言っている。何とかしないと」
それで、友人が2匹、真穂さんが3匹、家の中に緊急保護し、譲渡先を見つけることにしたのでした。
11月30日。やってきた日の3匹です。
茶トラ2匹、キジトラ1匹。いずれも女の子。
くまさんは、3匹のチビをじーっと見つめた後、素知らぬ顔になり、翌日になって、「なんかいるんですけど」と真穂さんに訴えに来たそうな。
くまさん自身、真穂さんの実家近くにあったお店が火事で全焼したあとに、一家が夜逃げして遺棄された犬でした。
外でつながれていて、消防士さんに助け出されたくまには、、眉の上に大きな火傷の痕があります。
当時は実家暮らしだった真穂さんが、面倒を見て、今の住まいに引っ越した時、連れてきたのです。
「21キロある大きな犬を室内飼いできる部屋探しはなかなか難しかったけど、オーナーさんがOKしてくださったこの町に決めました。いろいろなコースの散歩道もあって、気に入ってます」とのこと。
さて、やってきたチビ3匹は、ノラ出身にもかかわらず、すぐに人馴れし、その夜からどったんばったん遊びに夢中。
くまさん用の大きなケージに入れたのですが、犬用で屋根がないので、天井にバスタオルをかぶせて使いました。
そうしたら、この通り。
すぐにすき間から天井突破。バスタオルをトランポリンにしてくつろぐ3匹。
性格はそれぞれで、茶トラの大きい方は、真穂さんいわく「脳筋(脳が筋肉)娘でパワフル」。茶トラの小さめ丸顔の方は「おっとりしててケンカに弱くマイペース」。
キジトラは、「真っ先にいたずらを考える策士」だったのでした。
茶トラおっとりちゃんは、同じ「猫びより」男性編集者のおうちに。
茶トラ脳筋ちゃんは、編集プロダクションの方のおうちへ。それぞれ貰われていきました。
(友人宅の2匹も無事おうちが決まったそうです)
一緒に遊んだ2匹がいなくなった日。茶トラやんちゃ娘は、ぽつんと寂しそうでした。
真穂さんがふと見ると、それまで一定の距離を置いて近づかなかったくまさんにそっとくっついていました。
そして、茶トラやんちゃ娘ちゃんは、「とら」という「くま」に負けない強い名をつけてもらって、真穂さんちの子になりました。
「残ったからしかたなく、というのではなくて。2匹を送り出すときも、とてもつらかった。3匹共は無理だったけど、1匹はうちの子にと決めてました」
ご実家には「はなくそ」くんという、なんとも衝撃的な名の17歳の猫が可愛がられています。お鼻のそばに黒い丸染みがある子です。
でも、子猫は久しぶり。
「くまには申し訳ないけれど(笑)、じつは、犬だけでは満たされない思いがずっとあって」と、真穂さん。
そう、猫びよりの編集者には、やっぱり猫成分は日々欠かせないものなのでした。
犬と猫のいる暮らし。
帰宅時には、玄関まで「ワンワン!ミャーミャー!」とにぎやかに出迎えてくれます。
すぐに真穂さんの膝に乗るとらちゃん。くまさんは、しばし我慢していますが、やがて「わたしのこともかまってくださいな」とばかり、真穂さんの膝をこづきます。
「なんでくまさんだけ散歩に行くの」という目でとらちゃんが見るので、リード付きでとらちゃんと庭先を散歩するのも真穂さんの日課です。
甘えん坊でやんちゃなとらちゃん。
真穂さんが家にいると、ずっと後をついて回り、トイレに入っても「みゃあみゃあ!(あたしも入れて)」
顔を洗ってると、背中に飛び乗り。
キッチンからビニール袋を勝手にくわえてきて、遊び道具に。
郵便物をテーブルにのせておくとビリビリに。
真穂さんは笑って言います。
「とらがきてから、卓上に何も置きっぱなしにできなくなりました。開けたてのペット用煮干しの大袋をテーブルの上に出しっぱなしにして外出してしまったことがあったんですが、帰ってきたら、床の上で、袋はビリビリ、中身はからっぽ。とらが落として、くまが食べた共謀事件だと思います。2匹をかまうのは大変だけど、猫が加わってやっぱりすごく面白くて楽しいです!」
くまさん、とらちゃん、ふたりでのお留守番は、退屈しないでいいね!
くまさん、やんちゃだけど、さびしがり屋のとらちゃんをよろしくね。
やんちゃなのは、たぶんいまのうちだから。
きっと、種を超えたいい家族、いい親友になると思うよ。
今は、ちょっとやんちゃすぎるかも、だけどね......。
来週は、猫びより編集者斎藤さんちにもらわれていった、おっとり娘「ミイ」ちゃんの登場です。
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。
『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。
『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。
『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。
『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
Instagram
う〜ん。楽しそうで羨ましい。
by 桜さくら 2020-02-18 16:47
「くまさん」
この目つき(^_^;)
おっとり君だな!!
「なんかいるんですけど」
大爆笑(^_^;)
「くまには申し訳ないけれど(笑)、じつは、犬だけでは満たされない思いがずっとあって」
「わたしのこともかまってくださいな」
大 爆 笑(^_^;)
ダメだ、くまさんに釘付けだ!
他の猫はもうどうでもいいわ
(言いたい放題)
それと最後に
「はなくそ」
はないだろ(^_^;)
絶対「はなくそ」
って呼んでないな
きっと「はな」のはず
「はなくそ」は
餌付けしてた野良猫に
「ブス子」
呼んでたババア以来の衝撃や(^_^;)
by ドラ猫マスター 2020-02-18 17:45
みんなかわいい
ホントに元気な子たち
最後の写真のポーズ
笑っちゃいました(^_^;)
はなくそって名前もなあ
由来はなんなんでしょうね(^_^;)
by ぽん子 2020-02-18 19:07
ペットの名前は数あれど「はなくそ」は初めてです。居所を探す時「はなくそ~、何処にいるの~」なんて呼びかけながら探すのでしょうか(笑)一度聞いたら忘れられない名前ですね。
by シーマン 2020-02-18 20:49
>桜さくらさん
犬と猫が帰りを待ってる生活って、楽しいでしょうね~
かつて私も、犬1匹と猫7匹に帰りを待たれていましたっけ。(今は猫だけ)
by 道ばた猫 2020-02-18 23:54
>ドラ猫マスターさん
いやいや、真穂さん、ふつうに「うちのはなくそはね」って、よく話してますよ~。
イバラキの女性は、気取らないのだ。とても素敵な女性です。
by 道ばた猫 2020-02-18 23:57
>ぽん子さん
最後の写真はですね、お庭の散歩を終えて、家に入れられ、網戸を締められて「まだおそと~~!」って抵抗してる図です(笑)。
by 道ばた猫 2020-02-19 00:01
>シーマンさん
はい、私も初めて聞いた時、「は?」と聞きなおしちゃいました。
同じ名前の子は聞いたことないですね(笑)。
by 道ばた猫 2020-02-19 00:03
おてんば娘のとらちゃん、網戸に張り付いた姿笑えました。うちのりん吉とゆいぽんの子猫時代もそうでした。網戸の修理が大変ですよね笑❗️くまさん、辛い過去があったのですね。優しい真稲穂
by ぺったんの母 2020-02-19 00:12
とらちゃん!!やんちゃで甘えん坊さんな感じがお顔からでてます、でてます~(笑)くまさん、こちらさんもまたおっとりの優しいいいお顔(*^-^*)2匹の姿はほんわかしますー。くまさん、悲しい過去があったのですね。今はなんとも幸せそう♪とらちゃんは愛情たっぷりに育てられて愛くるしさが溢れていますね。
素敵なお話を今回もありがとうございました。ハッピーになります♪
by とも 2020-02-19 07:37
途中で切れてしまい改めます。ごめんなさい。優しい真穂さんに愛情たっぷり育てられているくまさん、とらちゃん本当に幸せそうで嬉しいです!!
by ぺったんの母 2020-02-19 09:00
とらちゃんの最後の写真。命綱付けて必死に
登ってます感がすごく爆笑!くまさん体重21k
おっきいけど、優しいですね。辛い体験した分
優しいのかしら。
by 妖怪元気ババァ 2020-02-19 09:41
美人トリオ♪ですね~
毎日が楽しそう。
猫びより毎号買ってます。
by さび猫びいき 2020-02-19 10:37
くまちゃん、とらちゃん(^^♪
どちらも真穂さんに救われた尊い命°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
仲良く幸せな毎日が送れて何よりです。
by まおけい 2020-02-19 12:28
>ペッたんのお母さま
つらい思いをした子は、次にやってきた子にも優しいですよね~
くまさんとらさんのコンビ、何ともいい感じ!!
by 道ばた猫 2020-02-19 12:45
>とらちゃん、1年後には、案外どっしりゆったりの猫さんになってたりして……。
4か月ですでに2キロごえだそうですから。くまとらコンビの将来楽しみ!
by 道ばた猫 2020-02-19 12:49
すみません。↑コメントは、ともさんへの返信です。
by 道ばた猫 2020-02-19 12:50
>妖怪元気ババアさん
仕事柄、いろいろな人生を送ってきた方と出会ってきましたが、辛苦を乗り越えた方こそ、うわっつらでない心の底からの優しさをお持ちだと感じています。きっと、犬猫も同じでは。
by 道ばた猫 2020-02-19 12:54
>さび猫びいきさん
真穂さんとは、毎号「私と猫」の連載取材で、ご一緒させていただいてます。
若いけど、話題の写真集「くぅとしの」を手がけた名編集者なんですよ~。
by 道ばた猫 2020-02-19 12:58
>まおけいさん
命を救われた者同士、ひなたぼっこの図は、ほんとうにほっこり。
編集者の優しさは、誌面にバッチリ反映されているはずです。
by 道ばた猫 2020-02-19 13:02
きょうだいが居なくなって、くまさんにくっつくとらちゃんの写真が切ない…。うちのコも心細かっただろうなぁ。
でも、元気一杯やりたい放題という感じですね!
くまさんに甘えながら、すくすく大きくなるのでしょうね。くまさんの優しい目が、印象的です。
by さび茶風 2020-02-19 23:12
>さび茶風さん
動物たちは、幼いうちから、自分の運命を受け入れ、たちまち折り合いをつけ、前向きに生きていきますね。
ニンゲンオトナ、負けてはいられない。
by 道ばた猫 2020-02-20 10:08
とらちゃん、いい笑顔だねぇ!
初めて会った茉莉子さんにこんな屈託のない笑顔でお出迎え。
もうイチコロ!今回はこれで決まりだ。
と思って読み進めていったら最後にスゲェのきたーーーーーーーーーーーーーーーーー!
もう大爆笑。どちらも捨てがたい。
(ウチのりんこりんのやんちゃ時代を思い出したよん。)
くまさんの優しいお顔も癒される~。
毎日こんなふたりにお出迎えされて真穂さんは幸せ者だね。
「はなくそ」どストレートにきたねぇ(笑)。
私の猫友達には「はなくちょ」ちゃんという猫さまがいますけどね。
by 才蔵 2020-02-21 07:03
>才蔵さん
とらちゃん、ときにキャットタワーにくるまって「イモムシとら」になったり、網戸駆け上って「ヤモリとら」になったり、千変万化なんです。いつか「大とら」になるんでしょうか。「はなくちょ」さん、いたか!(笑)
by 道ばた猫 2020-02-22 01:43
いきなり先々週の続き(記事からちと離れる事にお許しを。)
昔「レンタネコ」という映画を見ました。独自のセンスで心寂しい人達に猫を貸し出す女性の話。 これをもう少しシステム化したら...と思ってたんですよ。
譲渡会でエリートしか相手にしないんじゃなくて、預かりボラの一形体として間口を広げて今は門前払いされてるお年寄りや独り暮らしでも猫さまと一緒に暮らせるシステム。
そのためにいつでも相談できる窓口やボランティアさん、家を実際に訪問して暮らしぶりチェックするボランティアさんとかがいれば何とかなるんじゃ?
これは飼い主が留守の時ペットの様子をカメラで見たりするIT(仕組み)を共有するのもありかなぁ?とかね...
するとつい最近TVでレンタネコを始めたNGOを紹介してました。
そうそう、これこれ。
なんとかうまくいって欲しい。
ちとうれしくなり茉莉子さんにも報告したくなってしまいました。
猫は野生では元々単独で暮らしてた動物。
保護団体での対猫達やお世話してくれる人達との集団生活が苦手でストレスになってる猫さまも実は多いのでは?
そんな猫達には茉莉子さんもおっしゃてた通り愛してくれる人との静かな暮らしが一番。
やはりシニア猫とシニアの方との相性はとてもいいと思うんだよね~。
保護側のいろんな事情もわかりますが...そこはなんとかブレイクスルーして欲しいです。どうか出口戦略の拡大をはかってくださいませ。
今日はにゃんにゃんにゃん(2/22)の猫の日らしい。
どうか少しでも多くの猫達が幸せにくらせますように。
by 才蔵 2020-02-22 15:36
>才蔵さん
本当にそうですね~ いろいろな組み合わせで、人も猫もしあわせになりますように。地域福祉とかHPOとかのバックアップ体制で、ひとり暮らしのお年寄りが猫と暮らせるのは、とてもいい仕組みと思います! 葛飾区、長野、千葉などで、試みとして進められているのを見聞きし、応援しています。
by 道ばた猫 2020-02-24 01:19