「自分が設計した家にシニア猫の姉妹がいたよ」と教えてくれたのは「株式会社ネコアイ」代表の清水さん。一級建築士が提案する猫と人が幸せに暮らせる住まいづくりのプロからご紹介いただけるなんて期待値大! どんな猫用の仕掛けがあるのかも気になります。
理想的な環境
「ここは猫カフェなのか?」脱走防止の2重扉に始まり、部屋に入ると天空にキャットワークが設置されているではありませんか! ここを歩く猫を撮りたい! との思いとは裏腹に猫たちは床で日向ぼっこ......。まぁ焦らずに行きましょう。
光が燦々と。ここは天国なのか?
2匹は姉妹猫。飼い主の鈴木智恵さん(埼玉県川口市在住)が知人から譲り受けたのは今から15年前のお話。本当は1匹でよかったのですが、2匹を見せられて「どっちがいい?」と託されては断れなかったと言います。しかし、今になって思えばキジトラ柄の「ココ」(15歳8ヶ月)とキジトラ白の「ミミ」(年齢同じ)が一緒で本当によかったと。仲良し姉妹なので留守にする時も安心で、また比較ができるので体調管理もしやすいとのことです。
こちらがミミ。
好奇心旺盛な性格。
食べるのが大好き。
後ろでパッカーンと開いているのが。
慎重派のココ。
骨格がガッシリで男の子に間違われることも。
失礼しちゃうわと水をガブ飲み。
キャットシッターというお仕事との出会い
じつは鈴木さんはキャットシッター歴7年でそちらも気になるところ。きっかけは以前に旅行をした時に「ペットシッター」をお願いして上手くいったという経験から。それまでの鈴木さんは猫たちをペットホテルに預けていました。しかし、家に帰ってくると仲の良い2匹がケンカをする始末。慣れない場所でストレスがあったのかな? そこで、次の旅行で試しにペットシッターを探して家に来てもらったところ、旅行からの帰宅時もいつもと変わらぬ日常がそこにありました。素敵な仕事に「これは自分もやりたい」と思い、一念発起しそれまで勤めていた会社を辞め、キャットシッターの第一人者である南里秀子さん主宰「猫の森」の講座を受け、キャットシッターとしての修行を始めるのでした。
クリッカートレーニングにより、
特技、ハイタッチができるように。
おやつをいただきました。
ミミもできるというのだが、今はそれどころではないようです。
猫仕様の家がもたらした幸せ
キャットシッターになるために勉強して来たことや現場で培われた経験値、またお客様からの「噛み癖を直すには?」「トイレは何がいい?」など相談を受ける回数も多く、常にスキルアップする毎日です。それがココとミミにも還元されているのでしょう。2匹ともに体重5kg超のわがままボディを引っさげ、今日も軽快にステップを駆け上がり、天空のキャットウォークへ。知識や経験がある鈴木さんですが、ココとミミが14歳の時の現家への引越しには多少の不安があったと言います。しかし、予想外の出来事が起こります。「腎臓機能の数値が良くなった」と言うのです。猫仕様の家に引っ越してからというもの、上下の運動量が増え、食欲が増し、窓から見える景色を楽しみ日向ぼっこを満喫する毎日。そのことから鈴木さんは、住環境を整えることの重要性を強く感じたのでした。当初は、足腰の筋力が落ちるシニア期に運動量が増えるのは正直なところどうかなと思ったようですが、それは有効でしかなかったとのこと。これを設計した清水さん、建築士冥利につきますね。
まだシニアとは思えない。
ガラスのキャットウォークは肉球がバッチリ。
まるで猫カフェに来たかのような気分に。
ステップはシニアに優しい高さを計算して。
ここに引っ越して来て運動不足は解消。
楽しい仕掛けがいっぱい。
よく動き、よく食べ、よく出す(笑)。
「猫のおかげで今の私がいる」
ココとミミを譲り受けた時、鈴木さんは劣悪な労働環境の中、うつ病を患っていたと言います。そんな時、心配した友人が鈴木さんに里親募集中の猫を紹介してくれたのです。「今の時代だったら考えられない。一人暮らしで心の病を抱えていた自分によく託してくれたな」と(笑)。ずっと悩まされ続けた人間関係の取捨選択、そして猫のご飯代のために働くぞー! と自らを奮い立たせて社会復帰を果たしたのでした。こうした自らの体験から、環境を整えることがいかに大事か、鈴木さんは思い出したようです。だからこそ、猫たちは今こんなにもイキイキとしているのですね。
休日は自分の猫たちとマッタリと。
猫に助けられ。
猫を飼う人たちを助ける仕事に。みんないい顔しています。
延長1時間お願いしまーす!
鈴木さんのブログはこちら↓
一緒に日向ぼっこ
「猫又トリップ」が書籍になりました。
『
ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』
15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。
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(ΦωΦ)
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猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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素敵なお家ですね!キャットウォーク憧れるにぁあ~。腎臓機能は、一度落ちたら元に戻らないと聞いたことがありますが、環境を整えることで良くなるのですね。ココちゃんミミちゃん、16歳近いとは思えないほど、身軽で元気そう✨
猫もヒトも、運動不足は不健康の元なんですね~(^_^;)
by さび茶風 2020-03-13 19:40
さび茶風さん
動きたくなるような環境作りが大事!シニア猫と侮ってはいけないですね。
by ケニア・ドイ 2020-04-01 12:42
私は犬の世話をしたい
by しむたひろこ 2020-09-04 01:39