みにゃさまと一緒につくる連載、「保護猫しあわせ物語」。
Vol.42は、今は幸せでお腹いっぱいな「はらぱん」ちゃんのお話です。
ある日、犬の散歩中の女の人が何かに向かって「大丈夫かなぁ? 動けないの? 大丈夫かなぁ?」としきりに話しかけている姿を見かけました。
私は自転車に乗っていたので 横目で見たまま通り過ぎました。
あれっ? 子猫? まぁ、そのウチ 動くだろう......。
などと気にも止めていなかったのですが、帰りに同じ場所を通るとまだその子猫は「みゃぁみゃぁ」と鳴いていました。
自転車を止めて「どうした?」と声をかけると、私の足元にじっとうずくまってしまいました。
長年、一緒に暮らしていた猫と犬を順番に見送り、動物のいない生活に慣れてきたところだったので、声をかけなければ良かったと後悔しました。
ふと持ち上げてみると、左目は白目しかなく、右目も真っ白で涙がぼとぼとと溢れていました。
「あーあ、これじゃぁ誰にも拾ってもらえないじゃん! ウチにおいで!」と、もうその時には迷いはありませんでした。
病院に連れて行って診察してもらうと、左目は陥没しているとのこと。右目もまず治らないだろうとの診断でした。ノミも当然のようにいました。
血液検査をしてもらうと、貧血が酷いとの診断。そしてエイズ陽性――。
半年後には娘が猫3匹連れて同居することが決まっていたので、一緒には飼うのは困難だろうと思い、そのまま 捨てようか? それとも外猫として面倒をみようか? 悩みながら連れて帰り娘に相談しました。
「隔離して飼えばいいじゃん! エイズは感染力弱いから大丈夫だよ! 名前は慶次ね!」
という返答に背中を押され、この子の一生を請け負うことに決めました。
とりあえず汚いので洗ってあげると茶色い水が流れました。
さすがノラ猫は食欲旺盛。そのせいかいつもお腹がぱんぱん。
「はらぱん、はらぱん」などと冗談で言っていたら、自分の名前は「はらぱん」なのだと認識したようで、名前は「はらぱん」に改名。
そして気がつくと、真っ白に濁った右目が透き通ってる。片目だけど見えてるよ。
お腹がぱんぱんだった理由もわかりました。お腹の中に回虫がいました。便に混じって出てきたので慌てて駆虫剤を飲ませてみると、こんな小さな体に? という位の数でした。
駆虫したらお腹が普通に戻り、「はらぱん」と呼んだことを反省したのですが、今では脂肪ではらぱんだから、まぁいっか!
預かった命だからね。出来る限りお世話しますよ!
(はらぱん/1歳 ペンネーム: みゃすりんさんより)
スタッフより
みにゃさまからの、「保護猫しあわせ物語」を募集しています。
保護される前、または家に迎え入れる前のエピソード(Before)と、家に迎え入れた後しあわせに暮らしているエピソード(After)の2つを盛り込んでお送りください。
ご応募いただいた作品はリサイズや加筆修正等させていただく場合がありますのでご了承ください。
⇒
投稿フォームはこちら
はらぱんくん、よかったね!みゃすりんさん、むすめさん、ありがとう!
by hitomineko 2020-03-14 19:52
見違えるように可愛い子になりましたね。信頼しきった眼差しが、いかに親身に世話をしてもらったかを物語っています。心が温まりました。
by JPの母 2020-03-14 22:15
コメント ありがとうございます!
娘共々 嬉しい気持ちでいっぱいです。
そして ステキなタイトルをつけて下さった編集部の方々 ありがとうございました!
by みゃすりん 2020-03-15 00:46
保護したことを後悔した、
トラブル抱えた子を保護したら、何かの時、この先のことを考えてそう思ってしまう正直な気持ちを綴られていて、思わずうなずいていました。
でも、あのまま見て見ぬふりしていたら、ずっと心に引っかかったまま、そちらの方が来るしいと思います。
無心に食べる姿や、安心して熟睡している姿を見たら、あの日の判断は良かった、と思えますね。
はらぱんちゃん、とっても素敵な名前。
by 桜さくら 2020-03-15 05:41
コメントありがとうございます!
そうですね。 あの時見捨てていたら今頃 罪悪感でいっぱいだったと思います。
心強いお言葉ありがとうございます!
by みゃすりん 2020-03-15 13:57