みにゃさま、こんにちは。
今回は、訪問アニマルコミュニケーションにご応募くださったMさんのお宅に行ってまいりました。
いただいたご相談はこちらです。
人から譲っていただいた雑種の兄弟猫 11歳 アキとハル
知人の職場で保護された元野良で紅一点 推定3歳 みやこさん
3匹について相談したい、聞いてみたい内容は以下の通りです。
①「みやこ」さんについて
約1年、野良生活をしていた猫さんです。保護時に妊娠していたので、我が家で出産・育児をしてもらいました(子猫は全猫、里子に出しました)。だいぶ家猫らしくなってきたのですが、気になっていることが「残飯を漁る」ことと「私になつかない」ことです。
残飯漁りについては、衛生上良くないしカロリーオーバーにもなるしやめてもらいたいのですが、みやこさんなりに訴えたいことがあるかもしれないので聞いてみたいです。
なつかない件については、私には同居の妹がおり、妹にはなついているのでお世話自体はさほど困らないのですが、もう少し私にもなついてほしいのです。どうやったら距離を縮められるのか、みやこさんが私をどう思っているのか聞いてみたいです。
②「ハル」の噛み癖について。
ハルは、あまり前触れなく機嫌の良い(ように見える)ときでも噛みます(流血レベルで......)。何故噛むのか、ハルがどう思っているのか聞きたいです。
③「アキ」について
アキは大人しくフレンドリーでふわっとした猫なので、飼い主側が困っていることはあまり無いのですが、今何を考えているのか、本人(猫)的に困っていることは無いのか聞いてみたいです。
11年前、就職を機に妹さんと共に一人暮らしを始めたMさん。
実家では犬がいましたが猫とも暮らしてみたいという思いがあり、ネットの里親募集サイトを探したところ、生後2か月の兄弟猫アキくんとハルくんが目に留まりました。留守が長いので、1匹よりは2匹の方が安心ということで兄弟でのお迎えを決めたのが2匹との馴れ初め。お仕事の都合で引越しが多かったのですが、環境の変化もなんのその。2匹は変わらず平和に暮らし今に至ります。
みやこちゃんとの出会いは2年前。大学時代の先輩の会社の倉庫に出入りしている猫がいると聞き、保護を手伝ったMさん。保護した猫みやこちゃんは妊娠していたので急きょそのままMさん宅へ。無事出産と子育てを終えたみやこちゃんは、そのままMさんのお家猫になりました。急なお迎えと出産・子育てという立て続けの大きな変化でしたが、アキくんハルくんはみやこちゃんを受け入れてくれました。
3匹の関係に問題はないのですが、ご依頼文にあるように、みやこちゃんが残飯を漁るのが一番のお悩み。
Mさん姉妹はあの手この手で対策を試みましたが一向に止むことはありません。
みやこちゃんは迎えてからすっと食欲旺盛で、アキくんハルくんの食べ終わったお皿をチェックし、洗う必要のないくらいきれいにお皿を舐めるそうです。
そしてMさんに一向に懐かないというのもお悩み。食事前だけ甘えた声で寄って来てくれるそうですが......。
リビングでお話を伺っていたのですが、誰も姿を現しません。
「いつも来客時はこれぐらい時間が経つと降りてくるんですが......。」とMさん。降りて来てくれる気配がないので、2階にいるアキくんハルくんをリビングのある1階まで連れて来てもらいました。
離れた所から、上から下までじっくり私をチェックをする2匹。「これなら大丈夫。じゃいこか」とでも言うように近づいて来てくれました。
ご挨拶の様子と行動を観ていると、アキくんは控えめで気遣いさん、ハルくんはマイペースで自分の世界がある印象です。
ハルくんの噛み癖ですが妹さんには噛まず、Mさんにだけ舐めているうちに、ぐぐっぐぐぐっとじわじわ噛むそうです。噛むことについて率直に聞いてみました。
こたつの中のハルくん
岩 Mさんを噛むそうじゃない? なんで噛むの?
ハ 噛んであげてるの。
岩 え!? 噛んであげてるってことはMさんは噛まれて喜んでるってこと?
ハ うん。
「当たり前でしょ、喜んでるからしてあげてるんだよ。岩津さん何言ってるの?」とでも言うように話すハルくん。
Mさんにお伝えすると、「え~! 喜んでない!」と笑って否定されます。
痛がっているのも分かっているけど、イヤよイヤよも好きのうち。という受け止め方をハルくんはしているのです。
本気で止めて欲しいと思っているということは私から伝えましたが、Mさんご自身からも本気でやめて欲しいときっちりきっぱり話すことも必要です。
ちなみにやめて欲しいと私から伝えると静かに私の話を聞き、「ふーん、そう。」という反応でした。動じない男ハルくんらしいお言葉です。
そしてこんなことも教えてくれました。
「基本的に毎日が退屈で、好奇心を掻き立てるような刺激がないんだ。2人(Mさん姉妹)とも若々しさや活気が以前と比べて無くなったんだよね。」
これを聞いたMさんは、確かにそうかもしれませんと仰いました。
ハルくんが望んでいるのは暮らしが大きく変わるような刺激ではなく、日々の小さな喜びや発見です。同じことが繰り返される毎日ではなく、ちょっとした楽しい変化が欲しいのです。
これは猫さんの性格や生まれ育った環境によるとは思いますが、私たち人間にも当てはまりますね。日々に新鮮な風を取り入れたい。毎日どこかで新しさを感じたい。今を生きる猫さんは特にそう思うのかもしれません。
ハルくんの話を聞きながら傍にいるアキくんも同じように望んでいるのが伝わってきました。
できる限りハルくんの思いに応えたいと言われるMさん。良かったね、ハルくんアキくん。
子猫のアキくん(上)とハルくん(下) かわいー!
次はアキくんです。
特に困っていることは無いので現状について聞いてみました。
岩 アキくん、みんなとのここでの暮らしはどう?
ア 男やもめ同士で仲良くやってます。
ひと言ですが、とても丁寧に言ってくれました。ちょっと内気で控えめなところが優しいアキくんの魅力です。
まじめに言われたのでその場では笑いを堪えましたが、男やもめ!久しぶりに聞いた言葉です。
最後はみやこちゃんです。
1階に降りてきてくれませんでしたので、みやこちゃんのいる2階に向かいました。寝室のベッドの中でひっそり息を潜めていたみやこちゃんを発見。
ちらりお布団をめくりご挨拶をしましたがまっすぐ私を見て逃げることはありません。ひと安心。
岩 みやこちゃん、残飯を漁るのはなんでかな? 今はお外の時と違って十分にご飯があると思うんだけど。
みやこちゃんから言葉でのお返事はありませんでしたが、残飯を漁っている時の様子を見せてくれました。
「うわー!」と声を上げて目を見開いて、大きく息を吸って喜びを表しています。食べ物を見つけた時のみやこちゃんの喜びようったらありません。この世で一番の宝物を見つけたような感覚とでもいいましょうか。得も言われぬ、何にも替え難い喜びのようです。口さみしさはありますがお腹は空いていません。
お外時代は空腹でご飯を探していたので本当の宝探しでしたが、今は空腹で残飯を漁っているというよりは宝を探し当てた時のあの喜びと、喜びをもって食べる格別なおいしさが堪らないから漁っているのです。
思いは味を変える!
残飯を漁ってほしくないからとありとあらゆる方法で阻止しようとしたのが、より宝探し感を出していたのです。
楽しんでたのね、みやこちゃん。
そしてみやこちゃんの夢も教えてくれました。クリスマスに食べるローストチキン丸かじりです。
お外時代に探し当てて食べたのでしょう。極上の味と歯ごたえ、満足感があるそうです。ローストチキンを食べる夢を見せてくれたみやこちゃん、とてもかわいかったです。わざわざ私に教えてくれたということは、Mさんに伝えてよねというメッセージでしょう。
そのMさんに懐かない訳も聞いてみました。
岩 Mさんがみやこちゃんと未だに仲良くなれないって言われてるんだけど、どうしたら仲良くなれるかな?
み 声が大きい。動きが大きい。注意力散漫。すなわち危険人物。
こちらは単刀直入に言葉で教えてくれました。そしてMさんがドシドシと音を立てて歩く普段の様子が垣間見えました。
確かに私たちよりうんと小さい猫さんたちが、万が一不注意で踏まれたりしたら大変な事になり兼ねないですし、音や振動にも私たちよりはるかに敏感ですものね。
気にしない猫さんや慣れる猫さんもいますが、みやこちゃんは気になるのです。
みやこちゃんは人が苦手なのではなく、賑やかな人が苦手なようです。子供も苦手かもしれません。
Mさんが言動を意識して変えられたら、みやこちゃんとの距離はぐっと縮まりますね。
それぞれの個性がこの写真のようにぴったり合わさってひとつの家族になる。猫っていいな。家族っていいな。
Mさん、アキくん、ハルくん、みやこちゃん、ありがとうございました。
Mさんより後日談をいただきました。
先日は来ていただきありがとうございました。
3にゃんの気持ちを岩津さんに聞いていただいて、三者(猫?)三様の答えに驚くやら笑ってしまうやら、でした。中でも、ハルさんの「刺激が足りない」発言は思ってもみなかったので驚きました。おっとりした子なのかなと勝手に思っていましたが、思ったより元気なおじいちゃんだったのですね(笑)。
確かに、ここ数年は変わり映えのない生活(以前は2年に1回の引っ越しや定期的な保護猫預かりなど、刺激は多かったと思います)だったので、ハルの言葉にはハッとさせられました。
岩津さんに来ていただいた翌日から、刺激的な生活にするため猫用おやつを部屋の分かりにくいところに隠す「おやつ探し」をしたり、一緒に遊ぶ時間を増やしたりしています。おやつ探しは、出勤前に隠していくと帰宅時にはだいたい無くなっているので、3にゃんであちこち探しているのかなと想像しています。
また、そうやって刺激を増やしたからか、ハルが噛む回数がかなり減りました! まだ時々噛もうとしてきますが、ずいぶん加減して甘噛みしてくれているように感じます。噛んだときは、「噛むのは嫌だよ!」と伝えるようにしています。
一方の京(みやこ)さんですが、「(岩津さんに対して)なんで貴方に答えないといけないの?」「ローストチキン的なものを丸かじりしたい」というのが、なんとも京(みやこ)さんらしいというか、強い女子で笑ってしまいました(笑)。相変わらず私へはあまり懐いてくれませんが、ちょっと撫でさせてくれる回数が増えたかな? と思います。私の動きが荒くてガサツなのは、なかなかすぐには直せないと思いますが、少しずつ努力していこうと思います。
最後のアキさん。「男やもめ」発言は一体どこでそんな言葉を?! と思いましたが(笑)、仲良くしていると言ってくれて嬉しいです。おっとりした子で我慢していることがたくさんあるんじゃないかと思っていましたが、それなりにのんびり楽しくしてくれているみたいでホッとしました。
男やもめズ+強い系女子で、これからも仲よく暮らしてもらえるよう、私もお世話を頑張りたいと思います!
このたびは本当にありがとうございました。
フェリシモ猫部からのお知らせです。
「岩津さんに聞く!」コーナーのブログ更新は、月一回、第二金曜日です。
次回のブログは5月8日(金)公開予定です。
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写真
アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!
岩津 麻佳
2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。
HP
みやこちゃんにせよ、
ハルくんアキくんにせよ、
ホント~にニャンコには
様々に主義主張があり、
色んな考えや思いが
あるにょねェ。。。と
ホント~~~に
あらためて思い知らされ、
反省しきりにゃのです~(^^;)
いかん!
ムスメが遊びたいアピールを
メッチャしてたのに、
「あ~と~で~」の禁句をウッカリ
口にしてしまったニャ~(^^;;
ムスメよ、ゴメンにゃ
夕ご飯のあとで、い~~~っぱい
遊ぼうにゃ~(^・^)
by にあ 2020-04-15 17:27
にあ様
あ~と~で~、私も反省です!
猫には今しかないですもんね^_^
by 岩津 2020-04-24 12:46