みにゃさま、白猫「コト」をご存知ですか? Instagramのフォロワー数は驚異の約14万人、「コトのおちり」(扶桑社)という写真集で知ったという方も多いかと思います。
そんなコト(7歳)のおうちに、なんと20歳の猫「モコ」がいるというではございませんか! す、すごいことが多すぎる!
写真左がモコ。右は誰にゃのか?
出会いに恵まれたモコ
モコは飼い主のmaiさん(東京都在住)が大学生の頃、アルバイト先で急遽保護した猫です。大通り沿いをフラフラ歩く、ガリガリにやせ細った猫の姿に危険を感じたmaiさんは、店のオーナーに相談。トイレで一時預かりをさせてもらい、その2時間後には連絡を受けたmaiさんの母親が迎えに来るというスピード対応で、maiさんよりも先に帰路に着くことになったというモコ。出会いに恵まれ、人間の優しさに触れたからだろう、モコは快く私を迎えてくれました。
年の差19歳。シャーと教育的指導を受けるチコ
こちらがコトちゃん。おはよう
3匹の保護猫
maiさんのおうちにはキジサビ柄のモコ(20歳)と白猫コト(7歳)、そして家族になって間もないシャムミックスの「チコ」(8ヶ月)の3匹がいました。(全員女子)モコはいつものベッドですやすやお昼寝。耳が聴こえないというのも関係しているのか、目の前に立ち、手を振ってみたりして、互いの目が合うと「まぁ、ゆっくりしていきなさい」と威風堂々、全く逃げる素振りを見せません。一方、コトは窓際で日向ぼっこ。そして、群を抜いて若いチコは私に興味津々で大きなカメラも臆することなく向かってきます。これでは撮れないので、猫じゃらしで軽く遊んでご機嫌をとることに......。ここには3猫3様の過ごし方が存在します。しかし共通することはヒトに対してフレンドリーだということ。気になるコトとチコの生い立ちも伺ってみることに。
今日はよろしくお願いします
20歳の軽快なステップ!
コトのこと
友人が保護した4匹の子猫のうち、なんと最後まで譲渡が決まらなかったのがコトでした。美しいオッドアイも有利にならず、maiさんなりに「ぶさいく・しっぽなし」が不人気の理由と分析するも、自身にとっては超ド真ん中で「一目惚れ」、しばらくその先行きをSNSで見守っていたというのですが、とうとうコトが夢にまで出て来る存在に。また、年相応とはいえ当時13歳だったモコの腎臓病のことで、「もしモコがいなくなったら......」という不安も重なりコトを迎えることにしたのでした。13年間一匹で育ったモコにストレスを与えてはならぬと、最初は部屋を分けて新生活をスタートするも手違いからご対面! しかし、たった2日で同じソファに並んで昼寝するまでの仲に。生後3ヶ月のコトに敵意はなし! 多頭生活が円滑に回り出した最大の要因はひとえにモコの器の大きさだとmaiさんは知るのでした。
ムチっと愛されボディ
年の差6歳、受けて立つ。妹チコは遊びたい盛り
チコのこと
そして今年の2月のことです。maiさんの母親からInstagramで見かけた「里親・預かり募集」をしている猫の件で相談を受けます。というのもmaiさんは2015年より地域猫のTNRや譲渡に尽力し、現在も積極的に保護猫活動を行っていたからです。maiさんはすぐに行動し、2日後にはチコを自宅へ迎え入れました。チコは長く外で生活していたようで、最近ケンカしたであろう血の跡も......。チコの生い立ちや看護、経過観察がmaiさんのInstagramで紹介されると譲渡募集に手をあげるフォロワーさんが続出しました。しかし、またもや「モコがいなくなったら......」という不安がよぎり、それにコトの妹としてもこれは良きタイミングなのではと思い家族に迎え入れたのでした。
遊んで遊んでー
ぴょーんとフレームイン。チコは構ってちゃん
違う! 寝てる姉たちの代わりに付き合ってくれてるのだ
ありがたき
流れに乗ってみよう
猫たちの相乗効果
モコがコトを受け入れたように、コトもチコを受け入れます。またモコとコトのそれまで何十匹という保護猫たちと一時暮らしてきた経験も活かされたのでしょう。とくにモコは子猫に慕われる傾向があり、いつも憧れの的だったようです。それは本猫も理解しているようで、一緒に寝てあげたり毛づくろいをしてあげたりと存在感を遺憾なく発揮しつつ、そのぶん若さをフィードバック! 多頭飼育も保護猫活動もメリットしかないとmaiさんは教えてくれました。そんな刺激のある生活こそがご長寿たるゆえんなんだと思います。
Instagram:
@maihimemoco
そんなこんなでお時間です。次回、後編へと続きます!
「猫又トリップ」が書籍になりました。
『
ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』
15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。
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(ΦωΦ)
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猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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