コロナ渦で撮影・取材は延期や中止に。当然ながら外出も控え、ほとんどの時間を家で過ごすうちに「あれ? 猫と同じだな」とふと思うようになった私です。さて、今回は20歳のご長寿猫「モコ」(女の子)の後編になります。前編をまだお読みになられてない方は先にこちらからどうぞ→(
心優しいご長寿猫「モコ」とそのご家族のお話(前編) ~SNSで人気の白猫「コト」のおうちで)
キジサビ柄のモコ
体重は愛情込みで
20歳になると自分都合になるのか、モコの食事回数は1日10回と多い。一体どんな胃袋してるの!? という大食漢エピソードではなく、一度にたくさん食べないので少量を回数多くというのが、飼い主maiさん(東京都在住)の答えです。気になるフードは「JPスタイル 和の究み 腎臓ガード(日清ペットフード)」と「k/d 腎臓ケア(ヒルズ)」だけを主食にしたいところですが、一般食の「銀のスプーン(ユニ・チャーム ペット)」や「シーバ(マースジャパン)」のドライフードも。「食べるならなんでもありがたい」と感謝しつつ、モコのお気に召すままに与えているそう。モコの体重3.4kgはmaiさんの愛情も込みでのことなんだろうなと思います。
フードを手から直接与えると不思議と食べてくれるという
匂いを嗅ぎつけた「チコ」(9ヶ月・女の子)が、
上からも視線が、 「コト」(7歳・女の子)
チコはちゃっかり頂きました
急げ急げー(これがかの有名なコトのおちり)
毛艶が良い理由とは
13歳の時から腎不全と診断され、ずっと慢性腎臓病と戦ってきたというモコの毛艶はとても20歳の猫のものには見えませんでした。それはなぜか? 話を進めていくうちにその理由が見えてきました。その一つが「薬」。「ラプロス(東レ)」という腎臓の薬(1日2回)がモコの体に合っていたのでしょう。そして、もう一つは毎日のブラッシングとマッサージ。とくにマッサージは「背骨のキワを入念に」と腎臓や腰に効くというツボを刺激。他に慢性的に痒いと言われている顔周りの圧しはアンチエイジングに繋がっているかもと(笑)。じつはmaiさん、国家資格(人間用の)を持つゴッドハンドの持ち主だったのです。
腹を満たしてご満悦のモコ
顔を洗う
それも入念に
また家を新築する際には「猫専用トイレ部屋」(小窓と換気扇付き)を設けたことにより、モコは我慢することがなくなり、粗相をすることもなくなったとのこと。まだ多飲多尿になる前からのリノベーションが良き方へ向き、今も颯爽とトイレに入っていくようです。ちなみに水飲み場はリビングだけで6箇所とこちらも用意周到です。
え?オヤツは? 時すでに遅し
ならば水で済ます
拗ねたの?
さらに水で満たす
そして、フテ寝?
パワーフードの存在
食に関しては、さらにご紹介したいことがあります。それは月一回程度あげるマグロのお刺身! モコはこれに目がないとのこと。「新鮮な活きたものを食べさせたい!」という思いで与えていますが、ひょっとして野性味も取り戻すのかもと期待をする部分もあるといいます。しかしながら、白猫コトとの毎日欠かすことのないイザコザではその体格差から吹っ飛ばされることも多々あるそうで......。でもモコはいつも勝ち誇ったような顔をして、毎日「強くて、逞しい!」とmaiさんを笑顔にさせてくれるのだといいます。モコの毛艶の良さを紐解くと、二人五脚で歩んできた歴史が隠されていたのでした。
また猫草も欠かせないという
ガブリと豪快! チコも猫草が大好き
お世話をさせてもらおう
前編でも触れましたが、maiさんは保護猫活動・譲渡活動にも尽力しています。最近5匹の子猫を預かり育て、全ての猫の譲渡先(トライアル)が決まったようです。モコ・コト・チコの3姉妹のお世話もしつつ、保護猫・譲渡活動とは本当に大変だと思います。しかしながらmaiさんは分け隔てなく、愛情たっぷりに「お世話をさせてもらっている」というスタンスで今もこの先もずっといきものに感謝しながら生きていくようなお方なのです。モコの器の広さはmaiさんから受け継いだ宝物だったりするのですね。
3ショット(奥にモコも)
最後に思うこと
コロナ渦も決して悪いことばかりではありませんでした。家人がずっと家にいることは猫にとって(自分にとって?)最高ではないでしょうか。また自粛続きで猫のように過ごす私からこの執筆を通じて気づきもありました。それは猫も人間と同様、ストレス発散(運動)や新しい発見(刺激)が絶対に必要なことだと。そこで私は新しいオモチャや遊び方にも変化を加え、部屋のレイアウトも一度見直して見ようと思った次第です。せっかく一緒に長く過ごすのだから。快適空間の探求に終わりなし! これまでの怠りを反省し、まずは新しい爪とぎを発注し、ご機嫌を取ろうと目論む私です。
Instagram:
@maihimemoco
楽しい仕掛けばかりのおうち
キャットウォーク・ステップはヤングな猫たちのために増設
上下運動で体力強化!
チコ:通してください
コト:それは無理です
時には指導を。オッドアイが美しい
モコさん、またお会いしましょうね
「猫又トリップ」が書籍になりました。
『
ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』
15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。
試し読みはこちら
(ΦωΦ)
写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
X
Instagram
>「あれ? 猫と同じだな」
そうなんですよね。
実家の母が外出自粛でストレスためそうだったので、"ナオちゃんと同じように小っちゃな世界で生きることになったと思えばいいよね"と伝えたらちょっと和んでいました。
"ナオちゃん"とは、プレコロナの世界で20歳まで生きた、実家の黒猫です。
ナオちゃんもマグロの赤身、好きだったなー。しかも生マグロしか食べなかった(笑)
by ナオ 2020-06-03 11:23
20才は凄いです!
是非うちも肖りたいです!
by リオ 2020-06-04 01:28
ナオさん
「猫の飼い主、猫の気持ちわかって意外に自粛強い説」のご賛同ありがとうございます!
また、マグロ→赤身→生→新鮮は、ご長寿猫にとってのマストアイテムだと確信しました。
by ケニア・ドイ 2020-06-04 19:35
リオさん
人間同様、猫と刺激的な毎日を過ごしましょう!
うちも20歳目指して頑張ります!
by ケニア・ドイ 2020-06-04 19:37