出会って2年、なのにもう22歳?! なぞなぞのような話には謎だらけのストーリーがありました。
お気に入りの椅子で
シニア猫は突然に
茶白で長毛の「モコ」(推定22歳・女の子)は2年前、飼い主の嬉野千鶴さん(千葉県在住)が前勤務先の近くで傷を負っていたところを急遽、保護した猫。その地域には猫の避妊・去勢済みの印である耳先がカットされた地域猫が多く見られたため、保護した猫の情報が何か得られないだろうかと考えた嬉野さんは、「猫を預かっています」と写真付きでポスター掲示することに。すると数日後には女性からコンタクトがあり、嬉野さんが保護したいきさつを説明すると、以下の情報を得ることが出来たのでした。
・女性がごはんをあげている猫で「モコ」と呼んでいる
・どこかの家で飼われていたが、次の飼い主の元で引越しの際、置き去りに
・メスで避妊手術済み
・他の地域猫と仲が良くない一匹狼タイプだから病気に掛からなかった
・20年ぐらい生きている、「化け猫」みたいな猫
今よりもっとモコモコだったんだろうなぁ
猫よりも飼い主さんが好き
モコがいつから外で暮らしているのかはわかりません。年齢も不確かなものです。ただ、嬉野さんに擦り寄ってくるあたりは、人間に飼われていたのだろうなと思わせるものがあり、1週間の入院期間を経て、モコは嬉野さんのお家へ。顎の骨に腫瘍のようなものがあること、これから猛暑が予想されたことを考慮し、「外での生活はもう終わりにしようね」と迎え入れることを決意したそうです。保護して動物病院 → ポスター掲示 → 情報提供と許諾を得て、家族に迎える――。この一連の流れやスピード感、迷いがなかったのには嬉野さんの前職が「保護猫カフェ」スタッフだったことに起因します。決断の早さに納得です。
背筋を伸ばして凛々しいモコ
モコ、初めての多頭生活
モコは嬉野家の10匹目の猫となりました。終日、保護猫カフェで働き、家では10匹の猫と暮らす嬉野さんがどれほど猫好きかわかっていただけるかと思います。(ちなみに現在は2匹増え12匹に)
そしてモコは1ヶ月の隔離生活、病院での再検査の後、共同生活へ。そこでのモコは至ってマイペースで、先住猫に干渉しない・群れない・怒りもしないの「3ない運動」でフィットしていきます。モコのオーラにはずっと前からいるような不思議な存在感があり、それを先住猫たちもリスペクトしているように感じられました。
じゃま猫たち。リボンが可愛い「テト(12歳・男の子)」
次はメインでお願いします!「ユラ(18歳・男の子)」
デスク周りが人気スポットなんだな
それは、すぐに撫でてもらえるから
主役より目立とうとするアメショーの「オジー(5歳・男の子)」
これなら良しとする
面白い顔をするのやめてください(笑)
最後に加入したオジー、体もインパクトもヘビー級です
こちらは「チェリー(11歳・女の子)」
グイグイ来ない、おっとり系女子
食事と健康
ここ1年、モコは動物病院へ行っていないというので、顎の腫瘍の進行具合はわかりません。ただ、体重2.6kgのモコに麻酔に耐えうる体力はないだろうし、外科的手術は酷というもの。モコのQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を考え、「ストレスなく過ごしてほしい」と願う飼い主さんの判断に、ゆっくり首を縦に2回振る私です。幸い腎臓の数値は良好のようで、内臓が強いのがシニア猫たる所以なのか? ごはんはしっかり5食! ケージ内で自分のペースで取れる配慮も良いのだと思います。
ソワソワ
ごはんアピール?
ケージにIN! 完全個室のごはんタイムが約束される
こちらのトイレ(toletta)はAIカメラで猫を識別、体重や尿量を測定してくれるという優れもの
猫が待ち望んだ新生活様式
嬉野さんが1日5食を給餌できるようになったのは、今年に入って転職した先が、リモートワーク推奨の会社だったからです。それまでは朝晩2食のごはんタイムでしたが、モコや18歳になる「ユラ」(白黒・男の子)は食べるペースが遅く、一斉給餌だと他猫に奪われてしまいがちでした。リモートワークによりシニア猫に配慮した食生活(食べたい時間に適量を与えること)が可能となったのは大きな利点です。また、それまで甘えてこなかった猫がアピールしてくるようにもなったといいます。時間は有限! リモートワークでさらに猫との絆が深まり、新生活様式は猫たちにとっても最大の喜びになっているようです。
嬉野さんのインスタグラム:
@chizuureshino
モコさん、ありがとう。おやすみなさい
私はもう少しだけテトさんと遊んで帰ります。おりゃー
「猫又トリップ」が書籍になりました。
『
ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』
15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。
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(ΦωΦ)
写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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凄すぎる!外猫さんで、20才以上。絶対シッポ
割れてる(笑) 一匹狼状態から、環境が変化しても柳に風でいる性格のせいかな
5回に分ける食事
人間の高齢者も、胃の容量が小さくなってしまうせいか食べたい時少しづつ食べる方がいますもの、理にかなってますね
by 妖怪元気ババァ 2020-07-01 21:31
妖怪元気ババァさま
気になる尻尾なんですが、まだ分かれてなかったようなw
でもレントゲン撮ったら骨から分かれているのかも…。
食べたい時に食べれる環境があれば、それがいいのかも知れませんね。
by ケニア・ドイ 2020-07-03 19:24
モコちゃんが、優しい人々に出会えて良かったと思います。9匹の先住猫さんたちにすんなり溶け込んでいけたのも、さすが年の功(?)。穏やかな生活を楽しんでほしいな。
それにしても…オジーくん、面白すぎます(笑)。
嬉野家のムードメーカーなのでしょうね(^o^)
by さび茶風 2020-07-04 09:55
さび茶風さんへ
伝わりましたか! オジーがムードメーカーなんです。
私オジーばっかり撮ってました。
モコお婆さんさんは神です。
by ケニア・ドイ 2020-07-15 16:32