みにゃさま、こんにちは。
今回は、訪問アニマルコミュニケーションにご応募くださったKさんのお宅に行ってまいりました。(現在は訪問募集を休止しています)
いただいたご相談はこちらです。
一緒に暮らし始めて8ヵ月になる「とと丸」について聞いてみたいと思い、応募しました。
「とと丸」は、ちょっと変わった音がするとすぐにクンクン確かめにくる好奇心旺盛な子で、人間の食べ物にも興味津々。おやつに食べても問題ないものを調理して(といっても茹でたり焼いたり切ったりするだけですが)、与えると美味しそうに食べてくれています。美味しいと感じてくれているのかな?
さて、一番の悩みごとは、夜に私と娘、猫とみんな同じ部屋で寝ているのですが、私が先に布団に入っている時、何もしていないのに襲ってくることです。
布団から出ている腕や頭をカプッと噛まれたり、髪の毛を引っ張られたり......。
私の枕がお目当てなのか、遊び足りていないからなのか、私が痛いからやめてと言って嫌がる反応を見せているのになかなかやめてくれません。何故そんなことをするのか、どうしても理由が知りたいです。
「とと丸」との出会いで、可愛い姿に癒されるのはもちろん、仕事中心だった私の生活がいい意味でガラリと変わりました。新たな世界を知り、いつも「とと丸」のかわいい写真を撮らせてくれてありがとうとも伝えたい。
これから新しい家に引越しすることを理解していないかもしれませんが、どう思っているのかも知りたいです。
どうぞよろしくお願い致します。
ご依頼文にある引越しを2週間前に終えた8月の初め、私たちは新居へ取材に伺いました。引越しをしたのはご依頼を頂いたKさんの娘さんととと丸くんです。
玄関入ってすぐに目に入ったのは、玄関先でびろーんと伸びていたとと丸くん。逃げも隠れもせず大歓迎というわけでもなく、「ああ、来たの。どうぞ」と寝ころんだまま、ちらっとこちらを見てのお迎え。慌てず怯えず非常に落ち着いている、とと丸くんです。
とと丸くんとの出会いは今年1月でした。
以前から猫と暮らしたいと思っていたKさんと娘さん。昨年ようやく猫と暮らせる準備ができたのであちこちの譲渡会に行ったのですが、いい出会いに恵まれませんでした。そんな時、お買い物で立ち寄った近所のペットショップで、生後2ヵ月のとと丸くんに母娘で一目惚れ。突然の出会いでしたが準備を整えお迎えに至りました。
迎えた頃のとと丸くん まん丸おめめがかわいい!
とと丸くんと暮らすようになってから、Kさんは日常に張り合いが出て、毎日ががらりと変わったと目を輝かせて仰います。人生をより幸せな方向へ魔法のように転換させてしまうとと丸くんの力は、本当にすごいですね。
娘さんの引越しは急なことでした。以前から、良い物件があったら実家から出て独り暮らしをしたいと思ってはいましたが、なかなか理想の物件と廻りあえなかったので、気長に家探しをしていました。しかし、突如理想の物件と出会ってしまい、「猫と暮らしたい」と最初に言った娘さんが、とと丸くんを連れて実家を出ることになったのです。
引越し直後は、いつも食欲旺盛なとと丸くんの食欲が落ちたそうですが、一時的なものですぐに戻りました。
引越して2週間とは思えない程すっかり落ち着いた日々を送るとと丸くん。随分前からここで暮らしているかのような、主のようなお迎えぶりでしたしね!
では、そのとと丸くんにさっそくお話を聞いてみましょう。
岩 新しいお家はどう?
と ふつう。
岩 前の家とどちらが住みよい?
と どっちでも。一人の留守番は気にならないしね。
岩 お母さんと娘さんは親子であなたに一目惚れだったんだって!
と 知ってる。
随分とクールで落ち着いたお返事。端的にポーカーフェイスで答えてくれます。
岩 お母さんを噛む理由を教えてくれるかな?
と まだ寝るのには早い、ずっと待ってたのにって伝えてたんだ。
岩 遊ぶのを待ってたのね。
と うん。あとそのやりとりを楽しんでた。
岩 でもそのやりとりの噛むことは嫌だって言われてるよ。
と あれぐらい大丈夫。わざわざ来て聞くようなこと?
岩 本当に痛かったし怖かったのよ。
と ふーん。
岩 それに、痛いとか怖いってその人が思うことじゃない? とと丸くんが決める事じゃないと思うよ。
これについてはスルーされました(笑)。
しかしながら気持ちはしっかり伝わっているのを感じました。
淡々と答えてくれるとと丸くん
とと丸くんにとっては、お母さんがわざわざ噛むことに関してこうして私を呼び、他人を介して話を聞くことが大げさに思えて、ちょっと鬱陶しくもあったようです。家族間のちょっとした遊びなのに、こんな大事にするなんて、というような気持ちです。
お互いの感じ方、伝え方の差は動物に限らず人間同士もあることなので、どうしてもすれ違ったり分かり合えない場合は、こうして誰かを介すこともたまには良いと思うのですが......。
動物側から不快感を向けられるケースもありますが、結果分かり合えて、より関係が良くなりより絆が深まるのであれば、ちょっとくらい嫌味を言われても、その場だけのことなので気にはならないものです。
アニマルコミュニケーションは声に出さずとも会話ができるので、心のなかで動物と言い合いになることもありますが、批判や喧嘩ではなく意見をお互いに伝え合っているということと、根本的にお互い敬意を払い尊重し合っているので、必ずその場で完結し、尾を引くことはありません。
話がちょっと逸れてしまいました。とと丸くんとのお話に戻ります。(とと丸くんとのやりとりは言い合いではありません^_^)
とと丸くんは、普段退屈で遊びが足りず体力があり余っているのです。まだまだ遊び足りないのに、一日一人で待っていたのに(Kさんと娘さんは日中お仕事なので、とと丸くんは一人でお留守番)、一緒に遊べるのはこれからなのに、なんでほったらかして寝るの? という気持ちを噛むことで伝えているのです。
娘さんは噛まずKさんだけ噛むのは、とと丸くんにとってKさんは甘えられる存在だからです。娘さんは、とと丸くんにとって守るべき相手なので、噛まないようですよ。頼もしいナイトですね。
エネルギーが有り余っている猫さんは、このように噛んだり大きな声を出したり、いたずらをしたり走り回ったりすることがあります。猫という動物と暮らす者として、お互いが気持ちよく居られるよう、それぞれを理解し合いできる限り歩み寄りたいものですね。
岩 手作りのおやつは美味しい?
と うん。匂いのするものが好きなんだ。ご飯がいつも同じじゃ飽きるからね。
確かにお肉やお魚は、生よりは火を加えた方が匂いは強くなります。生食が好きな猫さんもいますし、これは個々の好みですね。とと丸くんはぴったり好みに合ったものを食べられて幸せね。
岩 最後にお二人に何かメッセージはある?
と ぼちぼちよろしくね。ぼくはもう大人だよ。何でも言って。ま、受け入れられないこともあるけどね。
緊張しないよう娘さんがそっと手を添えてくれています
子ども扱いされるのが解せないようですが、Kさんも娘さんもこれには納得でした。
可愛さゆえ、ついつい子どものように接してしまいますが、とと丸くんはその行動や表情からちゃんと全部理解していて、しっかりした性格と思っていたと仰います。
それにしてもクールなとと丸くんです。身内ではない私に、ちょっと無理してクールな大人の男に見られたいとがんばっているようにも感じました。
そんな背伸びもとても愛らしく感じますが、愛らしいなんて言ったら、とと丸くん怒っちゃうかな。
Kさん、娘さん、とと丸くん、いつまでも仲良くお幸せに。ありがとうございました。
岩津撮影。
一番いいポーズをお願いしたらこのように決めてくれました。
写真を撮る前は身内猫でも必ず了承を得ます。
皆それぞれ自分で気に入ってる角度やポーズがあるのです。
コンディション悪い日やタイミング悪い時は断られることも。
人と同じですね。
Kさんから、後日談をいただきました。
先日は、ありがとうございました。
とと丸は現在、生後9ヵ月。
人間でいうと中学生くらい? と思っていたら、実際はもうちょっと上のお兄さんだとは!
そう考えると色々腑に落ちる......納得するところがいっぱいです。
私には甘えられるから襲ってきてたなんて(笑)。
私が遊んであげるのが下手だから、その役目を娘に委ねていたけど、 あれ以来、積極的に遊んであげようと心がけています。
また、娘のことを守るべき人と思ってくれているのには泣ける(涙)。
凄くうれしいし、頼もしいです!
そういえば、娘も「特に引っ越し後、とと丸に見守られてる感がある!」と言ってました。
一番驚いたのは、岩津さんが帰られた後、いつもカメラ目線をあまりしてくれないのに、 写真を撮った時の、しっかりした大人っぽいとと丸の清々しい顔!
岩津さんに気持ちを吐き出したことでスッキリしたのかな......。
それからは子供扱いしないよう気をつけています。
あと、娘が「 とと丸に飽きられないよう、香り立つ手作りおやつ頑張ります。それと、長い時間、目が合うことが多くなった気がします」とのことです。
岩津さんのように、気持ちが伝わるかもと思っているのかもしれません(笑)。
貴重な時間と経験を本当にありがとうございました!
フェリシモ猫部からのお知らせです。
「岩津さんに聞く!」コーナーのブログ更新は、月一回、第二金曜日です。
次回のブログは9月11日(金)公開予定です。
引き続きよろしくお願いします。
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asakacyama
【お知らせ】
現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響でアニマルコミュニケーションの募集を中止しております。
再開予定につきましては、改めてお知らせします。
連載が書籍になりました。
『
猫があなたに伝えたいこと』(イースト・プレス)好評発売中。
一部の電子書店にて配信が開始されました。
■配信が開始された電子書店(一部予約段階の書店もございます。)
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写真
アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!
岩津 麻佳
2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。
HP
クールに振る舞うとと丸くん、やはり可愛らしいと思っていまいました笑。ほんとは、頼もしい!とかかっこいい!とか言った方が喜んでくれるのかな、、、。私もうちの子をいつまでも子供扱いしてしまうので、もう少し頼ってみようと思います!とと丸くんは、きっと、娘さんを守ることが使命のように思っているんだろうなぁ、ますます愛しくなりますね。
写真を撮るときの許可、私も早速そうします!勝手にパシャパシャ撮ってました、反省。
by まりもまま 2020-08-21 21:55
愛らしい容姿だとついつい子供扱いしてしまうのわかります〜(^_^;)
でもとと丸くんのきりりとした立派な青年の姿、岩津さん撮影写真に見事に現れてますね!
メモを取る手元を真剣に見ている写真もたまりません〜。
by キムチちゃんとトッポキくん 2020-08-22 04:56
>まりもまま様
頼られることは信頼でもありますので、きっと喜んでくれるのではないでしょうか。
写真はポーズ取ってくれると思いますよ♪
by 岩津 2020-08-22 13:59
>キムチちゃんとトッポキくん様
動物は毛皮のない人間と違って老いがなかなか容姿に出ないのでついつい、ですよね。
とと丸くん、真剣にまっすぐに答えてくれました^_^
by 岩津 2020-08-22 14:02