私の目の前で、正体もなく、寝入っている猫さんがいます。
濃い茶トラの雄猫。
おしゃれなピンクの椅子がよく似合います。
起こしたいような、寝姿をずっと見ていたいような。
注文した、エビとアボカドのバインミー(ベトナム風サンド)と、黒糖味のタピオカドリンクがきました。
おいしい!
バインミーにシラスも入っているのは、海辺の町ならでは。
ここは、南房総。近くの町で取材をした後、館山駅東口の斜めすぐ前にある「shirokuro-art」」というカフェに立ち寄ると、クリスマスの飾りつけやグッズの彩りの中に、茶トラの猫が眠っていたのでした。
看板猫さんでしょうか。
とっても気さくな女性店長さんが、教えてくれました。
「はい。でも、通いの看板猫なんです。ちゃだまといいます」と。
ちゃだまくんのことが可愛くてたまらなそうな店長さんですが、ちゃだまくんには飼い主さん(ご近所の男性)がいるそうな。
その飼い主さん公認で、通いの看板猫を務めているんですって。
やってくる時間はまちまちですが、午後の4時くらいには、たいていいるそうです。
ピンクの椅子で寝ることもあれば、奥のモスグリーンのソファーで寝ることも。その日の気分次第。
そんなちゃだまくん人気は、ひそかに上昇中。ちゃだまくんと相席希望のお客さんも多いそうな。
スタッフさんにもお客さんにも子供にも、誰にでも触らせて、抱っこされたまま寝てしまう、まったり猫さん。
「ちゃだま、ほっぺが余ってるよ~」と、店長さん(右)とスタッフさんにおもちゃにされてます。
何をされても、マイペースなちゃだまくんと、店長さんとの出会いを、お聞きすると......。
海岸通りから、今の駅前に移転してリニューアルオープンしたのが、おととし1月。
夏の初め、1匹の茶トラ猫が店の前をうろうろしていました。
てっきりノラと思った店長さん、「お腹空いてるの?なんか食べる?」と声を掛けます。
以来、どこからか通ってきては、店内で昼寝をしていくように。閉店近くになると、ドアから出ていきます。
「その後、近くに飼い主さんがいて、年齢は5~6歳ということがわかりました。飼い主さん公認で、引き続きうちの看板猫をしてもらっています」と笑う店長さん。
お店のインスタグラム(
shirokuro_art_)にも、ちゃだまくんはしょっちゅう登場します。
店長さんが毎日焼く「ちゃだまクッキー」は、いろいろなバージョンがあり、大人気。
「あ~、ちゃだま、作家さんの作品の上に乗らないで~~!」と言いながら、ちゃだまくんをどかさないで、作品の方を移動させる店長さん(笑)。
お店の中から見えるのは、JR内房線の線路。その向こうは、歩いて5分の北条海岸。
海に沈むのと同じ夕日が、店内から眺められて、旅情も味わえるカフェ。
コロナ禍の今は、テイクアウトのお客さんの方が多いそうです。
店の前にもオープン席がありますが、暖かい日には、バインミーとタピオカドリンクを海辺で楽しむのもいいな。
「また来てくださいね」と、いただいたお店のサンキューカードは、ちゃだまくん!
毎年2月は、店内は「にゃんこ展」でにぎわうそうです。
ちゃだまくんは絵や雑貨のモチーフとしても、作家さんたちから大人気なのだとか。
日暮れて、飼い主さんのもとへ帰っていくちゃだまくん。
お店で可愛がられ、飼い主さんにも可愛がられる、海辺の町の「みんなのちゃだまくん」。
クリスマスは、もうすぐ。
猫さんたちが、みな、ちゃだまくんのように愛され、心地よく平和な居場所を持ち、あたたかなクリスマスを迎えられますように。
今年の道ばた猫日記は、今回が最後です。新年は、5日公開となります。
みなさまも、あたたかなクリスマスを!
そして、新しい年が、コロナウイルス収束に向かう、再生の年になりますように。
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。
『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。
『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。
『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。
『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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昔うちで飼ってた猫も、当時はまだのどかだったので、外出自由にしてました。近所の小学生たちに別の名前で呼ばれ、その子たちにスリスリしてるのを見掛けた時は笑いました。
もしかしたら別宅もあったのかも…茶トラのフッサフサの優しいオジサン猫でした。
by 名無し 2020-12-22 13:15
ちゃだま君を眺めながら、(起こさないように?)テーブルの端っこでパン?を食べているおじさん、カワイイです。
by さび猫びいき 2020-12-22 13:50
ちゃだまくん!めちゃタイプ♡
通いの看板猫さんもアリですよね。
ふかふかしてて抱っこした感触が想像できる〜いつか会いにいきたいです。
来年も茉莉子さんのあったかい文章を楽しみにしています♬
by 16にゃんず 2020-12-22 15:08
ちゃだまくん、何と良く寝る子だろう。寝顔の写真ばかりと思っていたら、少し目を開けて、また寝た。それでも流石に終わりの方で目が開いてひと安心。寝る子は育つと言うけど、寝るネコも育つ?。おっとりした風情は抜群、これからもカフェに爽やかな雰囲気を醸し出し、皆をて和ませてくれることでしょう。
by Y,M 2020-12-22 15:42
通いの看板猫さん、珍しいですね。皆に可愛がられていて微笑ましいです。私もちゃだまくんと相席でお茶してみたい💓
今年はコロナに振り回された1年でした。来年は収束の希望が見いだされる年になりますように!
by シーマン 2020-12-22 21:30
憧れの茶トラ♡ちゃだま君我が道を行く❗️ですね。自由で気ままでみんなに愛され最高です。近くにこんなカフェがあるといいですね。来年も道ばたねこ楽しみにしています💕明るい一年になるといいですね。
by ぺったんの母 2020-12-23 00:01
ちゃだまちゃんかわいいですね‼️なでてみたいです❗️看板猫🐱いいですね❗️さわりたいです❗️癒されますね‼️
by ばつ丸 2020-12-23 00:48
>名無しさん
ちゃだまくんも、飼い主さんがつけた「本名」があるそうです。
ちゃんと両方、自分の名ってわかっているんでしょうね~。もっとほかの名あったりして。
by 道ばた猫 2020-12-23 08:58
>さび猫びいきさん
この紳士にとっては、ちゃだま君は、なじみの先客であったようです。
ちゃだま君を見るやさしい目が印象的でした。
by 道ばた猫 2020-12-23 09:01
>16ニャンズさん
そうか、16ニャンズさんの好みは、ちょいアウトローの匂いかな(笑)。
わたしも「我が道を行く」猫が大好きです。
by 道ばた猫 2020-12-23 09:04
>Y.Mさん
この寒さで、ちゃだま君の滞在時間は、グンと長くなったそうです。
子供や学生さんとのふれあい時間も。なかなかいい猫生ですよね。
by 道ばた猫 2020-12-23 09:08
>シーマンさん
今年は、コロナコロナで終わりましたが、行く先々、猫たちは平常心で、元気をくれました。
来年は収束に向かって、楽しい猫日記をお届けできれば、と思います。
by 道ばた猫 2020-12-23 09:10
>ぺったんのお母様
ほんとうに、行きたいところへ行けて、会いたい人や猫と会える。何でもないことがどんなに幸せだったか。元通りの暮らしが早く取り戻せますように!
by 道ばた猫 2020-12-23 09:14
>バツ丸さん
ちゃだま君が誰にでもフレンドリーで触らせるのは、この町で意地悪されたことがないんでしょうね~
いつか南房総へ行って、撫でてやってください。
by 道ばた猫 2020-12-23 09:18
気持ちが沈みがちなこの一年、優しく暖かい人達や、味わいある猫さんが登場する佐竹さんのブロぐに救われました。
感謝です。
今年、市内の個人ボランティアさん達とつながることができました。私も私の住む街が、猫にも人にも寛容で暖かい街に変われるよう、仲間達とコツコツ頑張って行きます。
自慢できる街になったら、佐竹さんに取材に来てもらうことを目標にして。
来年は猫も人も穏やかに過ごせる一年になりますように。
佐竹さん、来年もブログ楽しみにしています。
メリークリスマスand良いお年を〜😊
by さくら 2020-12-23 09:22
こだわらず、とらわれず、さからわず。悟りきった哲人のごときちゃだまくん。彼も茉莉子さんの「タイプ」とみました。
by ムヨク 2020-12-23 17:54
>さくらさん
一歩を踏み出した一年だったんですね~。繋がるお仲間ができてよかった!
コロナ禍は、「響き合う」ことのすばらしさを思い知らせてくれた気がします。
いつか、さくらさんの町の猫さん取材を夢見て。
by 道ばた猫 2020-12-24 00:05
>ムヨクさん
もう、完全にタイプをお見通し。
今年は、けっこう好みのオトコに出遭えた一年でした。
あ、でも、やっぱり、猫はみんな好み(笑)。
by 道ばた猫 2020-12-24 00:08
わぁーー、ちゃだまくん、愛されていますねぇ♪飼い猫で通い猫、だなんてちゃだまくん、最高の暮らしではないでしょうか(*^-^*)
ピンクのおしゃれな椅子にリラックスしてぐっすりのちゃだまくん、可愛いですね。癒されます。おしゃれなカフェ、行きたくなります!
最後の写真、クリスマスカードで欲しい!!と思いました♪とっても素敵でちゃだまくんの表情がまた良いですね!
今年もたくさんの猫さんたちのお話と写真をありがとうございました。来年もまたとっても楽しみです♪
by とも 2020-12-24 07:31
>ともさん
sippoの方で、クリスマスに読んでほしいお話として、こころちゃんの物語を書きましたので、読んでいただけたら、うれしいです! 来年もどうぞよろしく。
by 道ばた猫 2020-12-25 00:54
茉莉子さん、今年もたくさんの心温まる素敵なお話をご紹介いただき、ありがとうございました!コロナが落ち着いたら、ミーちゃんのコーヒーショップ経由で、我が家にもまたぜひお立ち寄りくださいね!メリークリスマス&良いお年を♪
by あべんぬ 2020-12-25 19:56
ちゃだまくん、いい名前ですねー!今までに、茉莉子さんが訪問されたカフェと看板ネコさんの本ができたら素敵だなあと思いました!
by あべんぬ 2020-12-25 20:00
佐竹さん、シッポ読みました!!こころちゃん、ほんとにすごい!!こころちゃんの姿は涙が出そうにもなりました、そしてこれこそこころが温まりました。こころちゃんもまた幸せになって良かったです!!クリスマスに素敵なお話をありがとうございました。
by とも 2020-12-25 20:56
ちゃだまくん、言い得て妙、いい名前なのにゃん!
このコーナーのおかげで一年間とても楽しかったです。
茉莉子さんには勝手に同好の志を得たような気がしました。
ホントにありがとうございましたにゃん。
いいお年を。
...
来年はすべての猫さまに、特に外で過酷な暮らしをしてる猫さまに幸せが訪れますように。
それは=人間の幸せにもなりますにゃん。
by 才蔵 2020-12-26 09:39
ちゃだまくん、昔は彼の様にご近所に愛されている猫が沢山いた気がします。コロナで、人も
猫達も生きずらい世の中🙀
ほっとするエピソードを、取材・紹介して
くださる佐竹様に感謝。
来年もよろしくお願いします
by 妖怪元気ババァ 2020-12-26 09:46
>あべんぬさん
コロナが下火になったら、ミーちゃんのお店に!と様子を見るうちに感染拡大・・・。
早く収束して、会いに行きたいです!!
by 道ばた猫 2020-12-26 18:41
>ともさん
さっそく読んでくださって、ありがとうございます。
猫はどの子も、こころちゃんに負けず、いい子ばかり。来年も猫さんにお話を聞き歩きます(笑)。
by 道ばた猫 2020-12-26 18:51
>猫話だけでなく、本のこと、店のこと、いろんな話が交わせて楽しかったです。
来年も、どうぞよろしく!
by 道ばた猫 2020-12-26 18:53
すみません、↑のお返事は、才蔵さんへ、です。
by 道ばた猫 2020-12-26 18:55
>妖怪元気ババァさん
天災やコロナ、いろんな社会不安の中で、猫たちは、変わらず「焦らず絶望せず今をよりよく生きる」姿を見せてくれます。自分たちだって生きにくいのに・・感謝。
by 道ばた猫 2020-12-26 18:59
猫がぐっすり寝入っている姿を見ると、心が穏やかになります(^ー^)。
今年は怒涛の一年でしたが、猫が変わらず側にいてくれて、本当に癒されました。猫は不思議な存在ですね。
来年も火曜日楽しみにしています!
by さび茶風 2020-12-26 22:01
>さび茶風さん
ほんとうに! 猫との付き合いが長くなるほど深くなるほど、不思議さは増します。
来年は、どんな不思議なねこにあえるかな。楽しみです!
by 道ばた猫 2020-12-27 10:41