「人形の町」と呼ばれる埼玉県のI市に、サラちゃんに会いにいったのは、まだ新型コロナが今ほど蔓延していない去年でした。
サラちゃんは、首をかしげて、お行儀よく迎えてくれました。
童人形のように、短い前髪がキュート。お鼻の下の黒いすじ模様がご愛敬の、賢そうな猫さんです。
昨秋、友人が「仕事で知り合った方の飼い猫がなんとも可愛い」と写メールを送ってくれたのです。
この、酔っ払いのおじさんみたいな写真に、まずノックアウト。
ノスタルジックな色も、すてきです!
そして、自宅を守るようなりりしい姿とのギャップに、すぐに飼い主の歩(あゆみ)さんに取材を申し込んだのでした。
しおらしげなサラちゃんを見て、
「あれ、いつもはこんなにおとなしくないんです。ちょっと凶暴なんです。ちっちゃい時は可愛かったんですけどね」と歩さんは笑います。
サラちゃんは、10年前、歩さんの友人がバイトをしていたドンキの駐車場に、きょうだい5~6匹と段ボール入りで捨てられてたんですって。
当時大学2年生で、ずっと猫と暮らしたかった歩さんが、サラちゃんをもらってくれました。
子猫に付ける名前が思い浮かばず、しばらく「おーい」と呼んでいたところ、お母さんが「いい加減名前を付けてあげなさい、可哀そうに」というので、とっておきの名前を付けたんだそうです。
「自分の子が生まれたら、『沙羅』とつけようと決めていたんです。その名を猫につけちゃいました(笑)」
愛されてすくすく大きくなったサラちゃん。
濃い三毛さん特有の「アタシがルール」「我が道を行く」ぶりを発揮。何かのはずみで気に障ったときは、噛みついたりするので、「ちょっと凶暴ねこ」というわけです。
「父とは、時々本気のけんかをしてます」とのことですが、
そのお父さん、夜は「もう寝る時間だよ」とサラちゃんを抱っこして2階に運んだり、去年のお正月には、浅草で可愛い首輪を見つけたと買ってきたり。
いい仲ではありませんか。
サラちゃんは、リード付きで歩さんとご近所をお散歩するのが日課というので、ついていってみました。
あれ、いつもはスタスタという足取りが、なんだか、おっかなびっくり。
立ち止まってしまいました。
どうやら、見慣れない塗装工事のおじさんが怖かったようです。
「うーん、どうしようかな・・・・」
「きょうは、おうちの裏でがまんするわ」
「ただいまっ、おやつ、ちょうだい!」
さすが濃い三毛。なんとも意志が明快で小気味いいサラちゃんです。
お母さんは、言います。
「私は、大病をしたときにこの子がいてくれたおかげで、立ち直りました。サラを眺めているだけで、気持ちが元気になったんです」
歩さんも、言います。
「私にとっては、妹みたいな存在。コロナ禍でも、サラがいてくれて、ずいぶん助けられてます」
サラちゃん、一家の箱入り娘として、いつまでも元気で、我が道を生きてね!!
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。
『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。
『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。
『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。
『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
Instagram
何を考えているのか、いずれの写真からも伝わってくる、三毛猫の存在感は抜群。形を変える黒い瞳、白い両手の表情も格別。人間の名前サラをもらっちゃったのも頷ける。段ボール娘から箱入り娘へ、家族みんなとの幸せ一杯の日々を祈りたい。
by Y.M 2021-01-19 17:09
サラちゃんは見た目通りの女の子なんですね(笑)振り回されて生きるのも猫飼いの幸せです。今の楽しい生活がずっと続きますように。
by 総総 2021-01-19 19:44
昔、三毛を飼っていました。三毛ちゃんという平凡な名前でしたが、そういえば、気が強くて賢い猫でした。今は、薄い三毛さんが多いですね。サラちゃん、カッコいいです。
by さび猫びいき 2021-01-19 20:49
本当に猫のおかげで、コロナも病気も嫌な事も忘れさせてくれますね。我が家も猫がいるから、つながっています。
by くうちゃんの母 2021-01-20 00:07
>Y.Mさん
段ボール娘から箱入り娘へ、って、さすがよく気が付きましたね!
同じ箱入りでも、今は、自分から入っちゃうしあわせな箱入りさん。
by 道ばた猫 2021-01-20 02:04
>総総さん
振り回されて生きるのも猫飼いのしあわせ。猫と人間の関係の、これぞ真理ですね!
総総さんも、振り回され中?
by 道ばた猫 2021-01-20 02:07
>さび猫びいきさん
今は、「パステル三毛」という三毛猫さんが多くなりましたね。濃い三毛さんのように気は強くないようです。それぞれに、カワイイ。
by 道ばた猫 2021-01-20 02:10
>くうちゃんの母さん
猫一匹、そこにいるだけで、家族の景色や人生の色合いまで変わってきますよね。
コロナ禍でも彼らは平常心でいるところが、いいです(笑)。
by 道ばた猫 2021-01-20 02:13
此の可愛い三毛猫って、時々可愛顔を見せてくらてでも以外と元気です、首輪を着けてお散歩するのですねでも犬っと違うのが散歩のときわ気ままです、っまそんな三毛猫ってほんとに可愛いです。
by 猫さんが好き 2021-01-20 06:31
2枚目の写真にノックアウトされました!(笑)こんな可愛い顔されたらどんなおいたをされても
許しちゃいますね~。
by ぺったんの母 2021-01-20 10:24
サラちゃん!やはり三毛猫は美人さんですね♪和柄のリボンもお似合いで短い前髪でほんとに童人形のようで見ていて手鞠唄を心のなかで歌っちゃいました(^-^)
二枚目の酔っぱらいおじさん風もまた、明日のたまらないですね!目と前足がなんともいいですねぇ。賢くて気の強い自由きままな女子、なんともうらやましいです~(^o^)三毛猫さん、大好きです!
by とも 2021-01-20 12:36
サラちゃん、正統派三毛猫!三色くっきり意思がはっきりでしょうか。お散歩中の様子に
笑ってしまいました。箱入り娘さん、幸せを
いっぱい箱に詰めて行くんだろうな
by 妖怪元気ババア 2021-01-20 16:22
ある時は心配の種になったり、ある時は心の支えとなったりと、猫ってなんて愛らしい生き物でしょうか😄猫ちゃんのお散歩、私も体験してみたいです。
by シーマン 2021-01-20 19:44
>猫さんが好きさん
そうですね、猫さんの散歩は、犬のように言うことを聞きません(笑)。
サラちゃんは、お散歩がとっても好きのようですよ。
by 道ばた猫 2021-01-21 00:29
>ぺったんのお母さま
そうでしょう! 2枚目の写真、ノックアウトですよね!(あごにヤギひげがあるような・・・)
速攻「会いに行く」と決めましたから。
by 道ばた猫 2021-01-21 00:33
>ともさん
室町時代や江戸時代にいても、違和感なさそうな色合いの猫さんですよね~
三毛は、やっぱり、日本の家屋によく似合います!
by 道ばた猫 2021-01-21 00:36
>妖怪元気ババァさん
サラちゃんの、へっぴり腰には笑えましたが、いつもは、さっそうとスタスタ路地を行くそうです。
ご近所の方にも声をかけられていました。
by 道ばた猫 2021-01-21 00:38
>シーマンさん
猫としては、あるがままに生きているだけなんでしょうが、いろんなしがらみがある人間にとっては、その自由さをいつまでも守ってやりたくもあり、励まされもしたり、ですよね。
by 道ばた猫 2021-01-21 00:42
かわいい三毛猫ですね❗️私も昔拾った三毛猫思い出しました❗️幸せな家族に仲間入りして幸せなねこちゃんですね‼️捨てる猫🐱が、へってほしいですね、
by ばつ丸 2021-01-21 00:53
>ばつ丸さん
ほんとうに、捨て猫・飼育放棄・虐待・・・すべてコロナと共に消え去ってほしいです。
サラちゃんと一緒に捨てられていた兄妹も、それぞれもらわれていったそうですよ。
by 道ばた猫 2021-01-21 22:47