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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2021年06月29日

水路から救われた子猫

先週ご紹介の弥勒ちゃんのお母さんが、取材が終わったあと、こんな話を。
「時々行くお店に、保護したばかりの子猫がいました。なんでも、水死寸前だったとか...。元気に店内を走り回ってました」
そのお店へアポなしで寄ってみました!
鹿嶋市の園芸店「うちのや」さんです。

店先で、ブルーサルビアとナスタチウムの苗を買って、お勘定のために広い店内に。

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いました!
スレンダーな、生き生きした目のキジトラの子猫。

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花の種棚の奥が隠れ家になっているようで、隠れたり、出てきたり。

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ちょろちょろと、好奇心いっぱいに遊び回っています。

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うちのやさんのポメラニアン(名前は、ダッフィーちゃんだったかな)が、「遊ぼうよ」と追いかけますが、犬はまだ怖いらしくて、すぐどこかへ逃げ込んでしまいます。

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奥さんが、作業の手を止めて、子猫保護のいきさつを話してくださいました。

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「2週間前の朝、店の前のどこからか、赤ちゃんが泣いているような「うぎゃあ~~、うぎゃあ~~!」という声が聞こえたんです。
店の前に出てみて見回していた時、大学生らしき若者がふたり、自転車で前の国道を通りかかりました。
ひとりが、自転車から下り、国道わきを流れている用水路から、子猫を救い出して、私に手渡してくれました。
子猫は首まで水につかっていたので、受け取ったとき、冷えきっていました。骨と皮のガリガリでした......」

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これが、その用水路。ガリガリの子猫なら、あがれません。
母猫と離れ離れになってしまったのでしょうか。
さまよううちに、水路に落ちてしまったのでしょうか。
あと少し見過ごしていたら、消えていたいのちでした。

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ガリガリだった子猫は、温めてもらって、ご飯をもらって、少しずつ元気に。
奥さんは、しばらくは抱っこ紐に入れて、作業をしたそうです。
猫の名は、ちょうど見たばかりのテレビドラマ「捜査一課長」に登場する猫の名から「ビビ」と付けました。

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「お店で飼うのですか?」
「家にはもう2匹いるし...犬もいるし、これからおうちを探さなくちゃあ」

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私もささやかながらビビちゃんのおうち探しをお手伝いできたら。
そう思って、知り合いにあたったり、このブログでも「譲渡先募集中です。お近くで気になるかたは、ビビちゃんに会いに行ってください」と書くつもりでした。

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土曜日、奥さんから、電話をいただきました。
「ビビが、今、もらわれていきました!」
お店のお馴染みさんが、息子さん連れで来店。息子さんがすっかりビビちゃんを気に入って、その場で迎えることを決めてくださったのでした。
お馴染みさんなら、この上なしのご縁。

うちのやさんご夫妻も、さぞビビちゃんに愛着がわいていたでしょうが、幸せに送り出せた喜びの方が大きいことでしょう。

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若者からうちのやさんへの命のバトン、めでたしめでたしの結末でした。
ビビちゃん、いっぱい可愛がってもらって、すくすく大きくなるんだよ!
ガジガジかじってたお母さんの指の味は、忘れていいから。

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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寄りそう猫
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

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しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!



写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

大きな目と大きな耳、そしてピンと立った長い尻尾。生死の淵から生還した子とは思えないほど良く育っている。お母さんの指をかじって、幸せを感じながら生きてきた故か。純粋な思いが次々と繋がって、小さな命も繋がってゆく、本当にホットする世界を見せて頂いて感謝!ビビが素晴らしいニャン生を歩み続けますように。

by Y.M 2021-06-29 16:32

ビビちゃん、よかったね、よかったね。
新しい名前は何になったのかな?
怖い思いをした分、うんとかわいがってもらってね。

by ひじきママ 2021-06-29 20:07

ビビちゃん、良かったね!助けてくれた大学生のお兄さん、育ててもらったお母さんの優しさが、ビビちゃんのお顔から分かりますね。
生きようとして、大きな声で啼いたビビちゃん、ずーっと幸せに!

by ちぃ 2021-06-29 20:28

小さな命がまた1つ救われて本当に良かった!そして新しい家族までゲットして、何て強運の持主なんでしょう。これからも健やかに育ちますように!

by シーマン 2021-06-29 22:44

>Y.Hさん

コロナ禍で、人の心に余裕がなくなっている今、
小さな命をつないでくださった方たちに、私も爽やかな風を感じました!

by 道ばた猫 2021-06-30 00:12

>ひじきママさん

ビビちゃんは、おなじみさんの坊ちゃんと大の仲良しになって、幸せな猫生を送っていくことでしょう!
「完全室内飼い」をお約束してもらっていただいたそうです。

by 道ばた猫 2021-06-30 00:15

>ちぃさん

きっとビビちゃんは、水の中から必死に猫のお母さんを呼んでいたのだと思うけど、
優しい人間のお母さんが気がついてくれてよかった!、強運の子です~

by 道ばた猫 2021-06-30 00:19

>シーマンさん

こうして、いろいろな街の片隅で、ちゃんと優しい人たちが日々の暮らしを営んでいらっしゃることが、
救いでもあり、希望です。

by 道ばた猫 2021-06-30 00:21

ビビちゃん、好奇心旺盛なお顔がとっても可愛いですね♪お花と一緒の写真がまたとびきり可愛いなぁ!若者からうちのやさん、お店のお馴染みさんにバトンが受け継がれて良かったですね。ビビちゃん、幸せいっぱいになりますね!

by とも 2021-06-30 06:55

>ともさん

知っている方にもらわれてよかったです!
コロナ禍で、素敵なバトンタッチの結末に、笑顔になれました!

by 道ばた猫 2021-07-01 00:40