みにゃさまと一緒につくる連載、「保護猫しあわせ物語」。
Vol.78は、パパのおかげで今がとっても幸せな「ネロ」ちゃんのお話です。
ボクのパパは「ムサシ」って言うんだ。茶白の猫だよ。
もう虹の橋を渡って、お空にいるの。
お姉ちゃんが小学2年生の時、鈴つきの首輪をつけたボクのパパに、おじいちゃんが「ムサシ」って呼んでいるのを見たんだって。
それで、ママが小学校の参観日の帰りにボクのパパを見かけて「まぁ。可愛い子ね」って言ったら、当時小学2年生だったお姉ちゃんが、はっきりとそのおじいちゃんの話をしてママに名前を教えたんだって。
それから数年して、ママとお姉ちゃんは、それまでよりも小学校のもっと近くにお引越ししたのだけれど、ある時、その引っ越した新しいお家に「ムサシ」そっくりの猫が遊びにくるようになったんだ。
でも「ムサシ」を見たのは随分と前だったし、見た時よりも少し大きくなって、それに加えてボロボロになっていて......。
首輪をつけていなかった事から、ママはただのそっくりさんだと思ったんだって。
でもその茶白ちゃんは、とても人懐っこくて、勝手に家の中に入ってきたり、道路の真ん中でへそ天して車が来ても、小学生が通っても動かないしで、ママは一瞬でその茶白ちゃんの事が好きになったんだ。
それからさらに数年して、ある時近所の猫好きの人に茶白ちゃんの話をママがしたら、「あっ、ムサシちゃんね」
って言われたらしい!
ママがあまりに驚いて「ムサシ君っていうんですか?」って聞き直したら、「そうそう生まれて1、2年はおじいちゃんが飼ってたみたいなのだけどね。いつの間にか首輪もなくなって、捨てられたみたいよ」って。
ママはその話を聞いた日、ボクのパパの事を思って泣いちゃったって。
でもボクのパパはホントに人気者で、あちらこちらにお家があって、ご飯も豪華な物をもらえるからか、好みの食べ物にしか見向きもしなかったんだよ。時々シャンプーのいい香りもしてたって。
ママも耳掃除や顔を拭いてあげたり、その話を聞いてからは、なお一層パパをかわいがったらしい。
首輪をつけたパパを最初に見かけてから10年はたっていたけれど......。
ママはボクのパパの事を、皆から愛されていてものすごく幸せだったって言うんだ。
ボクをお家にお迎えする決心をしたのは、ボクのパパの事がホントにホントに大好きだったからなんだって!
ボクはボクのパパのおかげで今とても幸せです。
だから、パパもお空の上で幸せだといいな。
(ネロ/3歳 ペンネーム: かよさんより)
スタッフより
みにゃさまからの、「保護猫しあわせ物語」を募集しています。
保護される前、または家に迎え入れる前のエピソード(Before)と、家に迎え入れた後しあわせに暮らしているエピソード(After)の2つを盛り込んでお送りください。
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