先週は、青い目と緑の目の猫さんの不思議をご紹介しました。
今週は、黄色や茶色の目、オッドアイの猫さんたちをご紹介します。
とはいっても、緑と茶色の2色を持つ猫さんも多いのです。
美術館に里帰りして茂みに入り込み、その目を木漏れ日でピカピカにしていた茶太郎くんも。
うちの菜っ葉さんも、そうです。
光の加減によって、黄緑の目になったり、金色っぽい茶色の目になったりします。
ゴローちゃんの、この目をよく見れば、緑と茶色の2色があることがよくわかります。
こういった2色の目のグラデーションは、黄色系の中でも「ヘーゼル」と呼ばれています。
黄色系単色の目のうち、ひまわり色のような薄めの色を「アンバー」と呼びます。
美術館の通い猫、虎之介くんが、そうですね。
日本猫は、黄色・茶系の目を持つ猫が多いそうです。
ロシアンブルーなどの寒い国の猫は、光を集めやすい青や緑の目をもつ猫が多いのですが、日本のように温暖な国では、メラニン色素の多い茶系の目が多いというわけです。
アンバーの目をした白猫さん。
アンバーの目をした黒猫さん。
アンバーの目をしたキジトラさん。
アンバーがもう少し濃くなると、「カッパー」と呼ばれます。ときに赤っぽく、ときに金色に見える、銅色です。
この黒白おチビちゃんも、きれいなカッパーの目の持ち主。
里山のあいくんも、穏やかな感じのカッパー。
こんな濃いカッパーの瞳もあります。とても情熱的な印象ですね。
ところで、猫の視力はニンゲンよりずっと低いのですが、視野は、なんと280度もあるそうです。
ウサギやヤギさんにはかないませんが、それでも斜め後ろが見えるということ。
後ろからそーっと近づいていっても、すぐにバレてしまうのは、聴覚・嗅覚・勘の良さに加え、この視野の広さのせいもあるようです。
捕食されないよう、野生時代必死に生きのびてきた名残です。
そう思うと、のんびり昼寝をしている猫の姿は、笑みを誘います。
さて、ひと言では、どんな色と言えないような微妙な色の猫もいます。
プチホテルで出会った不思議な目をした看板猫さんは、当時、なんと25歳でした!
猫も年を取ると、本来の目の色に、色素が沈着して、そばかすともいえる色が混じることがあります。
いわば、目の老化現象なのですが、そのシミがどんどん増えて言ったり、本来の目の色が緑や黒に変色するときは目のがんや、緑内障や肝臓病の可能性もありますので、ぜひ早めに獣医さんへ。
バラ園のリリーちゃんのように、生まれつき両目の色が違う猫は、オッドアイと呼ばれます。
片方の目は、必ず青です。
目の青い猫に、聴覚障害を持つ猫が多いと言われますが、目が青いというより、白い猫に聴覚障害が多いことがわかっています。
オッドアイの場合、青い目の側の耳が聞こえないことがかなりあります。
が、猫にとって、視力や聴力の障害は、なんのその。ほかの五感をフル活用して生きていきます。
まんぷくちゃんの目は、オッドアイの中でも珍しく、片方の目が2色という「ダイクロイックアイ」と呼ばれる目です。
とても不思議で魅惑的。
ノラだったてつおくんは、交通事故で一瞬にして、命と引き換えに両目の視力を失ってしまいましたが、神様はその目に、ハッカ色とペパーミントグリーンのドロップ色を新しく付けました。
どんな目の色も、その子らしい色。
飼い主さんからすれば、世界でいちばん美しい瞳なのです!
来週からは、柄別の不思議を、探ってみたいと思います。
※お知らせ
あした水曜日、BS-TBSで 22時から一時間放映の「ねこ自慢」に、道ばた猫日記でご紹介の猫さん2匹が登場です。
工房ギャラリーのノワールちゃん。
https://www.nekobu.com/blog/2019/08/post-2173.html
全盲のヤンチャ猫、ひかりちゃん改めピカちゃん。
https://www.nekobu.com/blog/2020/06/post-2492.html
ぜひ、ごらんください。
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。
『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。
『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。
『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。
『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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目はチャームポイント。佐竹さんの解説でその色にもそれぞれ呼び名があることを知った。それにしても写真の皆の顔を見ていると、夢見る瞳、真剣な瞳、驚きの瞳等々、見飽きることがない。里山のアイちゃんの目は気品のある顔を作り上げているし、全盲のてつおくんの目からは澄んだ優しい心の中が伝わってくる。
by Y.M 2021-08-10 17:07
うちの猫には、迎えたとき(生後3ヶ月くらい)から、右眼にシミのような茶色い部分があります。獣医さんに聞いたら、この子の生まれ持った特徴だと言われたのを思い出しました。
どの子も、生き生きとした素敵な瞳ですね✨
みんな違って、みんないい…猫は見飽きることがありませんね~。
by さび茶風 2021-08-10 18:18
瞳の色にも色んな名前があるのですね。勉強になりました。みんにゃ綺麗な瞳で惚れ惚れします😄「ねこ自慢」いつも楽しく拝見している番組です。明日が楽しみです💕
by シーマン 2021-08-10 23:48
うちの、新入り猫さんは、オッドアイです。野良さんでしたが、一目で射ぬかれました。どの仔も皆、美しい 瞳ですが、オッドアイは、神秘です。耳は、聞こえているようです。保護した直後は、シャーシャー言ってましたが、今はニャーとなけるようになりました。可愛い!
by ちぃ 2021-08-10 23:54
ネコはあんなに目が大きいのに、ゴミが入ったりしないのかな?って、いつも不思議に思ってます。うちの子は、3枚目のゴローちゃんの目にそっくりです。ちょっと文句たれのの目つきです笑。
by みいこの母 2021-08-11 07:26
この目シリーズとても興味深いですね!
by てる 2021-08-11 08:09
>Y.Mさん
そうなんです! 全盲のてつおくん、保護シェルターでは、みんなの毛づくろいをしてあげるやさしいお兄ちゃんだったんですよ~。今も、おうちの仲間たちのムードメーカーです。
by 道ばた猫 2021-08-11 09:27
>さび茶風さん
ねー(笑)、見飽きませんよね、猫の瞳。
逆に、猫さんはニンゲンたちの目を見て、「信用できる」「こいつはできない」とか判断してそう…。
by 道ばた猫 2021-08-11 09:31
>シーマンさん
私も、ピカちゃんのその後のやんちゃぶりがどう進化しているのか、とっても楽しみです!
ノワールちゃんは、映像で、黒猫の美しさがどう映えるか楽しみ!
by 道ばた猫 2021-08-11 09:34
>ちぃさん
シャーシャーから、にゃーん。野良を飼う至福ですよね~。
毎日、神秘的なオッドアイを眺められると、元気出ますね!
by 道ばた猫 2021-08-11 09:37
>みいこのお母さま
ちょっと文句たれの目をした猫さん。かわいい!
甘えている証拠ですね、うちにもいますが(笑)。
by 道ばた猫 2021-08-11 09:40
>てるさん
楽しんでいただけて、うれしいです。来週からは、白猫・黒猫・キジトラ・・・など柄別の猫さんの不思議をご一緒に楽しみましょう!
by 道ばた猫 2021-08-11 09:42
うちのぺったんはグリーン、りん吉とゆいぽんはアンバーです!いろんな種類のおめめがあること、その呼び名、とっても勉強になりました。奥が深いですね。次回も楽しみです!(うちはキジトラ軍団)
by ぺったんの母 2021-08-11 10:01
プチホテルの看板猫さん、オパールのような綺麗なおめめですね!うちにはマスカット色の子とパイナップル色の子がいます♪みんにゃのキラキラおめめに映る世界がふんわり優しいものでありますように…☆
by とも 2021-08-12 15:00
>ぺったんのお母さま
同じキジトラでも、グリーンとアンバーの両方を楽しめるんですか(笑)、いいんですね~。
細かく分けると12以上にもなるそうですよ。
by 道ばた猫 2021-08-13 02:01
>ともさん
マスカットとパイナップル! おいしそう(笑)。
ほんとうに、キラキラおめめが毎日、優しいものを見て過ごせますように!!
by 道ばた猫 2021-08-13 02:06
みんなきれいなおめめですね!目に注目するのも楽しいですね。
「ねこ自慢」ノワールちゃん、ピカちゃん観ました。それぞれとっても可愛かったです♪
by とも 2021-08-13 17:48
>ともさん
ノワールちゃん、ピカちゃん、まったく物おじなしでしたね!!
ノワちゃんのお父さんお母さんの掛け合いも面白かったですね~。ああ、早く鎌倉を歩きたい!
by 道ばた猫 2021-08-14 22:31