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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2021年08月31日

猫の不思議...三毛猫

三毛猫といえば、私はナツコさんとしか暮らしたことがありませんが、
彼女があまりにも自由を愛する猫だったので、三毛猫には「我が道を行く」のイメージが植え付けられています。

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つるむのが嫌いで、マイペース。
プライドが高く、甘えたいときにだけ甘える。
当時は放し飼いが多く、隣に農園があったので、そこへ出かけてはバッタやネズミを私に持ち帰るプレゼント魔でもありました。
老いても、我が道を行くきままぶりは変わらず、24歳までお達者に生きました。
これからは望めない猫の生き方だったでしょうから、もっとナツコの一生を撮っておけばよかったと悔やまれます。

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「三毛猫は猫の中の猫」
「三毛猫は王道を行く猫」などの評価があるのもうなずけます。

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そもそも三毛猫は、古来よりの日本猫の一般的な雑種で、縁側やこたつや畑によく似合って暮らしていました。
「ミケ」「みーちゃん」「みけこ」「たま」などの名が多かったように思います。
おしゃれな名前が席巻している現代、「ミケ」といった名は、かえって新鮮な響きがして、好きです。

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元来は、濃い3色のミケでしたが、西洋猫の血が入って、「パステル三毛」や「キジ三毛」や「縞(しま)三毛」などが生まれ、今では濃い三毛よりも多数派になっています。
これまで出会った猫さんを見る限り、濃い三毛のほうが自我が強く、パステルのほうが穏やかな印象があります。

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濃い三毛のミーちゃんは、気ままでマイペース。

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パステル縞三毛の、海辺の「三毛子」母さんは、人懐こく温厚。

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かまどの灰の上で転がるのが好きな里山のゆずちゃんは、いつ会っても「スモーキー三毛」という希少種ですが(笑)。

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三毛は、CMや絵画、イラストなどによく使われますが、はっきりした色柄・目ヂカラや、度胸の据わった感じが好まれるのかもしれません。
「やっぱり、猫と言えば三毛よね」といったファンが多いのかもしれません。

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ところで、ご存じのように三毛は、ほぼメス猫です。
これは、毛の色を決める染色体のなせる業で、ごくまれに、X染色体を1本多く持って遺伝子異常で生まれたオスが、珍しいともてはやされるわけです。
オスは30000分の1の確立と言われ、生殖機能はなく、短命とされています。

私は三毛のオスに2度しか会っていませんが、変にもてはやされたり、窃盗の対象になる心配から、口外はしていません。

「猫を乗船させると大漁になる」とか「シケに遭わないで無事寄港できる」といった言い伝えが、昔から漁師さんの間に残っています。とくに三毛が好まれ、なかでも三毛のオスはトクベツの力があると信じられ、いまでも漁師さんがとても欲しがるのだとか。
南極観測隊に、犬のタロージローと共に乗船したのも、三毛のオス「たけし」でした。彼は犬よりずっと小さかったため、氷上船に乗れて無事帰国の途につけました。
が、隊員の家猫となって1週間後、行方不明に。有名猫なので、盗まれたのかもしれません。
オスの三毛には、悲しみが少しつきまとうと思うのは、私だけでしょうか。

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招き猫は、ほとんどが三毛なのも、「三毛は縁起がいい」という言い伝えに即して作られ始めたからと言います。
飼い猫が子猫を生んだとき、三毛の子はよそにやらないで家に残したというのは、昔から、よく聞く話です。
数年前も、とある宿で、「他の子は譲ったけど、この子は残しました。三毛だから」と聞きました。
「大事にされるのはいいとしても、他の色柄の子も、みな同じに招き猫!」と、心の中でつぶやきましたけれども。

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それにしても、濃い三毛に強気の子が多いのは、なぜなのか。
この謎は解けません。
昔から、日本の暮らしの風景に溶け込んで、可愛がられて暮らしてきた遺伝子がそうさせるのでしょうか。

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濃い三毛はどんどん少なくなっているといわれますが、
飼いやすさが重視されるペット全盛の昨今、「ヤワじゃない」三毛の魅力を発揮する濃い三毛が、この先絶滅するなんてことがありませんように。

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さて、2017年9月26日の当ブログでご紹介したミケちゃんを覚えていらっしゃいますか?
ミケちゃんは、ノラとして町の人たちに可愛がられて生き抜き、やすらぎさん夫妻に巡り合いました。
後ろ左足が生まれつき欠損していることを除けば、ごくふつうの、頑張りやの三毛猫さんです。
ブログのコメント欄にも、いまだたくさんのコメントを寄せていただいています。

そんなミケちゃんが本になりました。
人気漫画家にごたろさんがミケちゃんの半生を絵にかき、やすらぎさんがやさしい文章を挟んで、大好評です。

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ミケちゃんの魅力は、我慢強さ、仲間思い、賢さ、一途さ......いろいろありますが、
どの猫さんもそうであるように、「毎日を懸命に前を向いて、人と共に生きていく」猫の代表です。
こんな混とんとしたご時世に、ミケちゃんがたくさんの人に愛されることは、ふつうの猫たちが愛される土台が、多くの人の胸にあるのだと、とてもうれしい思いです。





「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

yorisoiatte.jpg
寄りそう猫
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

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しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

ナツコさん、とってもいい表情ですね!私は三毛猫さんには出会っていませんので憧れの存在です。24歳まで長寿を全うできたらこの上なく幸せですね。私の母が育てたキジトラニャンコ♀も24歳まで生きました。やはりニャンコも人間と同じく女性が長生きなのかな・・・。
やすらぎさんのところのミケちゃんの本いいですね!探してみますね。
花はなのゴローちゃん、なんとか元気に回復してくれること切に切に願っています!!!

by ぺったんの母 2021-08-31 15:27

佐竹さんの、優しいまなざしそのままの文章に
毎回癒やされています。
佐竹さんの本とミケちゃんの本私の本棚は
猫だらけです😸

by 妖怪元気ババア 2021-08-31 15:28

>ミケちゃん
 欠損の脚は、後ろ左足じゃなくて、後ろ右足だったね。
 間違えて書いちゃって、ごめんね。

by 道ばた猫 2021-08-31 16:18

三毛猫、特に濃い3色の三毛は目力があって知能指数が高そう。付き合ったら何か疲れそうな気がする。スモーキー三毛のゆずちゃんならフレンドリーな雰囲気もあって仲良くなれるかな。それにしてもオスが希少なんて最高、三毛猫に生まれれば良かったな!?

by Y.M 2021-08-31 16:21

ナツコさん、美人さん♪あ!ミーちゃん!コーヒーショップの窓際の席が好きで、いつもチラッとのぞくと先客の方が……またタイミングを見てコーヒーとホットドッグを食べに行きたいです!にごたろさんはインスタをフォローさせていただいています。ミケちゃんの本もチェックしなくては!

by あべんぬ 2021-08-31 17:55

今回も素敵な道ばた日記、しかも三毛猫特集ということでミケちゃんを取り上げてくださいましてありがとうございました!しかも本のことまで書いてくださって‥感激です。

ミケちゃん「気にしないでね〜(*^_^*)記事書いてくれてありがとね〜(^o^)」

by やすらぎ 2021-08-31 18:36

ミケちゃんとやすらぎさん、購入しました。
「今日も生きたよ」外猫さんの気持ちが伝わり目頭が熱くなりました。
ウチの元保護ネコさぬきに「ウチに来て幸せかい?」と聞いても「何のこと〜」としれっとしていますが。

by ヤンヤン 2021-08-31 20:57

三毛猫と言えども、様々な色合いのコがいますね。私は三毛猫には残念ながら余り縁がありませんが、今後もし家族として迎えられるとしたら、付けたい名前があります。いつか紹介出来ると良いなぁ。
「ミケちゃんとやすらぎさん」買いに行かなくては!書店へダッシュ!

by シーマン 2021-08-31 21:37

私も最初に好きになったのが田舎で飼われていた三毛だったので、どうも三毛猫が気になって気になってしまう人です。
ある日の里親会でその初恋の猫と同じ、鼻の黒い黒三毛に一目惚れしてしまい、仲の良い子がいたら一緒に飼いますといったら縞三毛さんを紹介されて2匹の三毛猫と暮らしています。
圧倒的に黒三毛の方がthe 猫!な性格です…縞三毛は他の三毛飼いさんSNSみてると、なんとなくですがお喋りな子が多いイメージです。洋猫さんの血が入っているとフレンドリーになったりするんでしょうかね。

by mk 2021-08-31 23:42

>ぺったんのお母さま

お母様のキジトラさんも24歳とは長生きでしたね! 1説によると、16歳を過ぎると断然メスのほうが長生き率高まるんですって。ゴローちゃんは、検査の結果、病名はつかず数値が悪いだけとのことで入院、復活を信じています。また、ここで、いいご報告ができますように。

by 道ばた猫 2021-09-01 08:41

>妖怪元気ババァさん

いつも楽しみにしてくださっていて、ありがとうございます!
早くコロナが収束して、直接取材に飛び回りたいです。

by 道ばた猫 2021-09-01 08:55

>Y.Mさん

確かに、濃い三毛は人の心を見透かします。そのぶん、仲良くなると面白いですよ~。
三毛のオスは、なるもんじゃないと、猫たちが申しております(笑)。

by 道ばた猫 2021-09-01 08:59

>あべんぬさん

私も、喫茶店は、必ず窓際の席です!
広い店の真ん中の席なんて落ち着かなくて。やっぱり猫タイプ(笑)。

by 道ばた猫 2021-09-01 09:02

>やすらぎさん

ミケちゃんのお話を知ったことをきっかけに、
町の片隅の猫にたくさんの人が心を寄せてくださいますように!
ミケちゃん、いつまでも元気でね!

by 道ばた猫 2021-09-01 09:08

>ヤンヤンさん

しれ~としているのは、「しあわせだよ~」という何よりの答えだと思います。
さぬきさん、ヤンヤンさんのそばで、長生きしてね!

by 道ばた猫 2021-09-01 09:11

>シーマンさん

三毛猫を飼ったらつけたい名前! 知りたいなあ~。
実現して、教えていただくのを、楽しみにしています!

by 道ばた猫 2021-09-01 09:14

>mkさん

タイプの違う、仲良し同士の猫2匹と暮らすって、最高ですね!
たしかに、洋猫さんは、日本猫より気性が穏やかと聞きます。ペットとしての歴史のせいでしょうか。

by 道ばた猫 2021-09-01 09:17

我が家の濃い三毛の女の子もその性格からつけた名前は「ひめ」です。ですがたまにみせるデレが可愛くて…そのツンデレに一喜一憂する毎日です。兄弟猫のハチワレ猫くんはとっても甘えん坊です。毛色で性格が分かれるなんて面白いですね。

by のり 2021-09-01 14:23

ナツコさん、素敵ですねぇ!神々しいです。24歳、さすがですね。三毛猫も大好きです!わがままな性格もたまりません。ほぉーっ思う美人さんも多くて。花はなの里のライムちゃん、やはりいつみても美人さん♪ゆずちゃんもまた個性的でいいなぁ。ミケちゃんとやすらぎさん、このブログで以前知りまして素敵だなぁと思っていました。保護猫カフェに行くと三毛猫にとっても好いてもらえるのですが「この人はわがままをきいてくれるし私のこととっても美人と思って大好きでしょ?」と思われていると思います(笑)

by とも 2021-09-02 12:55

>のりさん

ツンデレのひめちゃんと、甘えん坊のハチワレ君。それぞれたまらなくかわいいきょうだいと暮らせて楽しそう! 三毛は、ああ見えてけっこう情が深いんですよね~。

by 道ばた猫 2021-09-03 00:56

>ともさん

ふふ。「私のこととっても美人と思って大好きでしょ?」って、たしかに濃い三毛さんの思ってそうなこと。
三毛はたぶらかし名人(笑)。

by 道ばた猫 2021-09-03 01:00

私も子供の頃から三毛猫さんしか、猫を飼ったことありません。そうですね‼️メスしか、見たことないです‼️気まぐれな、🐈️さんですが、何か憎めず側にいると、何でも話をしていた私です。不思議な三毛猫ですね❗️

by ばつ丸 2021-09-05 11:34

>ばつ丸さん

三毛は存在感ありますよね。
何でも話を聞いてくれた三毛さんと一緒に暮らせてよかったですね!!

by 道ばた猫 2021-09-06 00:43

友達の家にねこがいてとてもいやされますー!

by ゆい 2023-05-02 07:10

うち地域猫が来ます!

by SAK 2023-11-11 20:17