フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:神戸市内
神戸市人と猫との共生推進協議会では、2017年4月の設立以来、野良猫の繁殖制限事業として2021年1月までに神戸市内約580地域で約7,800匹の不妊去勢手術を実施しています。
繁殖制限事業の流れは、地域の方から「地域猫活動等への支援申込書」を申請していただき、協議会に設けられた事業部会(獣医師会、保護活動団体で構成、神戸市がオブザーバーで出席)で審査を行います。支援が決定すれば、原則1月間でその地域のTNR(捕獲・手術・リリース)を行います。TNRの前には、捕獲器を設置する周辺住宅に周知チラシを配布し、理解と協力を求めています。なお、不妊去勢手術費用については、全額協議会が負担し、繁殖制限事業の実効性を図っています。
2020年10月から12月にTNRを実施した中で2例をご紹介します。
事例1
神戸市須磨区で一人暮らしの高齢の男性が家の周辺で何年も野良猫に餌をあげていましたが、TNRをしていなかったために増えてしまったケースです。
10月に周辺の方から何とかしてほしいとの情報や相談が協議会に寄せられ、現地調査を行ったところ、子猫も含め約20匹の猫がいました。餌やりの男性にTNRの必要性と協議会の制度を説明し、11月に支援申込をしていただきました。
その後、事業部会で承認され、協議会のサポートにより12月に18匹(雄4、雌14)のTNRを行うことができました。
野良猫が増えて困っていた隣保の方からもお礼を言われました。
餌やりの男性には、餌の適正な管理、糞の清掃、継続したTNRの実施を啓発しました。
餌やりさん宅庭に集まっている猫とTNR周知の張り紙
協議会サポートによる捕獲作業
事例2
神戸市東灘区のマンションに転居されてきた女性の方から、周辺に野良猫が多く、耳カット(不妊去勢手術の印)がされていない猫がほとんどなので協議会の支援を受けてTNRをしたいとの相談が10月にありました。
現地調査をすると、既に協議会が支援をしている市営住宅に隣接した地域であることがわかりましたが、猫の行き来がないのか、TNRができていませんでした。
聴き取りをすると、事例1と同じで、餌やりさんの一人に近くの高齢の男性がいるとのことでした。男性宅を訪問しましたが、面会をすることができず、協力を得られない中で11月にTNRの実施となりました。
幸い、この男性の方ともTNR期間中に対話をすることができ、協力をお願いできました。
依頼をされた女性の方は、事前に猫の個体ごとの写真を撮るなど調査をきっちりされており、その調査結果を踏まえて19匹(雄7、雌12)のTNRをすることができました。
議会による実地調査
捕獲器による捕獲作業
本事例にもありますように、高齢者の一人暮らしの餌やりさんが猫を増やしてしまい、事後処理に多くの負担がかかるケースが顕在化してきています。
飼い猫の多頭崩壊もそうですが、早期発見、早期対応が今後の課題となりますので、地域の情報収集、行政との連携に努めていきたいと考えています。
<ご支援くださっているみなさまへ>
本協議会は、神戸市の補助金、企業・団体の寄付、募金で事業を賄っています。行政の補助金だけでは、十分な活動ができず、支援をいただく皆様のおかげで、毎年多くの野良猫の不妊去勢手術を行うことができています。
神戸市動物管理センターへの子猫の持ち込みが年々減少しており、これは協議会のTNRの成果も大いに関係していると考えています。
フェリシモ動物関連基金をとおして全国の皆様から支援をいただいていますことにこの場をお借りして感謝申し上げますとともに人と猫とが共生できる街づくりに今後もお役に立てるよう頑張っていきます。
「神戸市人と猫との共生推進協議会」
http://www.kobeneko-happy.com/index.html