キジ白・16歳のチャコ(※ 首にマフラーは巻いていません)
愛犬のアレルギー問題から市販のペットフードを辞め、手作りごはんを与えるようになった髙橋眞姫さん(東京都在住)。猫でもトライしてみたものの全猫の舌には馴染まず、すぐに断念。それならば、信頼できるメーカーのものを! とフードに付いている成分表をじっくり眺め、購入を決めることにしたのでした。
※前編は
こちら
ワガママボディの謎
そんな食べ物の他に栄養素やビタミンの知識もあり、食事管理を徹底してきたという髙橋さんでしたが、「チャコ」(16歳・メス)のワガママボディ(5.1kgと判明)だけが気になった筆者。取材を進めると、原因はチャコの生い立ちにありました。
この猫、充電式なのか?!
あ、起きた
そして、動いた。ご機嫌だ
チャコは区の保健所と協働の地域猫活動の中で住民から相談を受け、捕獲された猫。当時、母猫と4きょうだいが保護され、母猫は不妊手術の後、元の場所へリターン。チャコを含めた4きょうだいは譲渡募集し、それぞれが新しい家族の元へと旅立ちました。しかし、安心したのも束の間、数日後に「猫がエイズキャリアでした」(猫免疫不全ウイルス感染症=FIV)と譲渡先から一報が入り、肝を冷やしたそうです。なぜこのようなことが起こったのか? 16年前の地域猫活動では子猫の譲渡が活動範囲外で、ルール作りもまだまだこれからという時期。動物病院で最低限の治療はするものの、血液検査までが必須ではなく、隠れた病の有無が明確でないまま譲渡されたからでした。
テーブルにドーン!
チャコさん、カッケー!
血液検査の結果、4きょうだい全てが猫エイズキャリア(以後、猫エイズ)だとわかりました。しかし、3匹の新しい家族は「それでも、迎えいれたい」とそのまま譲渡が決定。チャコだけが出戻り、一旦、髙橋家で預かることになったのですが、譲渡募集も難しいかと考え、掛かりつけ医の動物病院にも相談し、結果「大げんかしない限り他の猫にうつらないよ」と背中を押され、そのまま髙橋家の猫になったのでした。
トローンとした表情、まだ少し眠そうだ
感の鋭い方はおわかりだろうか。そう、「猫エイズは太りがち」それがワガママボディの答えでした。これは髙橋さんの周りの猫ボランティア間でも共通の見解だといいます。ただし、獣医によるエビデンスはネットで調べても見つからなかったようです。しかしながら、たとえ医学的根拠が見つからなかったとしても、チャコは食いしん坊ではなかったというのは事実です! 食事は他の猫たちと同じ量の朝晩2回で、寧ろ食べ残すくらいだといいます。それでは、逆に盗られる危険性もあるじゃないか!(疑ってごめん) 他に猫エイズの特徴として挙げられるのが「毛がねっとり、油っぽい」。なるほど、ひょっとして毛が重いのか? 私も触ってみましたが確かにサラサラではない。そして、体は......ガチムチでした。私の仮説はいとも簡単に覆されたのでした。
密度の濃い毛。でもエアコンは苦手みたい
毛繕いを怠っているわけじゃないよ
髙橋家の新フード
自身でも「ごはんマニア」と称する髙橋さんに、最近購入したドライフードを伺いました。「オリジン シックス フィッシュ」は19歳のあーたんがチキンアレルギーのためチョイスした魚系フード。同じものが続くと飽きるのもあって、ローテーション入り。もう一つ購入しているのが、「アーテミス H.I.Tシリーズ catサーモン&クラブ」。名前の通り、主成分がサーモンでこちらも同じく魚系。栄養素が高いとのことで与えすぎに注意して、こちらはトッピング程度に考えているとのことです。
チャコ
行きまーす!
トン!
残したごはんを食べて、この表情
腹も満たして、テーブルへご帰還
フォトジェニックなチャコさん
ストレスフリーな暮らしを考える
獣医からは「女の子は5kgを超えちゃダメ」と言われているものの、食事の量を減らすのもどうかなと、次の一手を模索中とのこと。何より猫エイズのチャコにとって最大の敵はストレスで、変化や負荷がかかることに慎重にならざるを得ません。また心配のタネは糖尿病予備軍であることと、8歳のユッケ(メス)がシニア猫たちを襲ってくること(ユッケは遊びのつもりなのだが)。ただ、発症することなく16歳まで生きてきたチャコなので、猫同士の相性は良いと言えるのかもしれません。今回自分が主役じゃないとわかったのか、あーたんは一向に起きてこない。そして、チャコはいっぱい触ってもらってご満悦のご様子。この日もシニア猫たちは、テーブル周りでのんびりと過ごすのでした。
この日のあーたんはグッスリ
でもないのか。空気を読んで大人しく
シニアコンビに感謝いたします
髙橋さんがボランティアで参加する団体(
NPO法人 ゴールゼロ)
「猫又トリップ」が書籍になりました。
『
ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』
15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。
試し読みはこちら
(ΦωΦ)
写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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うちの猫さんも猫HIVです。
ガチムチ、毛しっとり、むちむち、食事量普通。何もかもが当てはまりますw
以前住んでたマンションに、母猫が子猫を連れて来て置いていきました。マンションはペット禁止でしたがマンションの他の住人が餌をあげたりしてたので私の部屋のベランダで良く昼寝をしていました。
そんな野良猫生活が2年。私が引っ越す事になりそこで保護する決意をし、今は一緒に暮らしてます。
ビビリさんなのでなるべくストレスを与えず、
猫エイズ発症しない暮らしが末長く出来るといいなぁ。っと思ってます。
by ちぃ 2021-09-01 14:49
ちぃさん
えー! 全て当てはまるとのこと! やはりですね!
またよくぞ保護してくれました。 ええ話やーに心より感謝いたします。
チャコさん越えを期待しています!
by ケニア・ドイ 2021-09-01 17:58