[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

5月のはじめにご紹介したながれくんのその後をご紹介します。



ながれくんは、外猫生活21年のあと、市川市北方の住宅地にある「かふぇ　きゃっとている」の女主人ますみさんのおうちの家猫となりました。
そのいきさつは、5月4日の道ばた猫日記でご紹介し、エールをたくさんいただきました。

そのながれ爺さま、6月6日の誕生日で、無事23歳を迎え、23歳と半年になろうとする今も、のんびりお達者に過ごしています。



食欲や好みにむらがあるものの、基本的に、快食・快眠・快便の日々。
冷暖房完備で、お外のウオッチングも楽しめる我が城でのご隠居暮らしに、先月からある変化が。



あれあれ、ながれ城の奥がワイヤーのドアで仕切られています。
そう、9月の初めに、ますみママがいきなり奥をかたずけ始め、猫ベッドなんぞを置いて、ワイヤーのドアを取り付けたのです。
ながれくんのお部屋は半分になりましたが、そんなに動き回らないながれくんですから、別に不便でもありません。

が・・・・・・。
「何かいる、誰かいる......」
ワイヤードアの向こうに誰かの気配がするのです。
気になって仕方ありませんが、ここはどっしり構えることにしました。



どうやら、ながれくんがお城としていた部屋の奥には、ルームシェア・メイトが来たようでした。
そいつは、黄色い雄猫でした。



ますみママや美樹姉の話を聞いていると、「春吉」と呼ばれるその猫はちょっとかわいそうな境遇とわかってきました。

子猫の時から8年間寄り添いあって暮らしていたおばあちゃんが亡くなり、春吉くんは8歳にしていきなり一人ぼっちになったのでした。
引き取ってくれる親族や知り合いはなく、お掃除などに通ってきてくれていたヘルパーさんが、ご飯やトイレの世話をしに何週間も通ってくれて、いのちを繋いでいました。
でも、おばあちゃんのいなくなった家にひとり、どんなにさびしかったことでしょう。

その話を耳にしたあるかたが、自宅に迎えて、「春吉」と名付け、譲渡先を探してくれることになりました。
「春吉応援団」が結成され、ますみさんもその一員になりました。
でも、その方の家には、ほかにも、保護猫が何匹も。



春吉は、猫たちを見て混乱しました。
子猫の時からおばあちゃんと二人暮らしでしたから、自分が猫という意識がなかったのです。
そこには、色や模様は違えど、自分と同じ毛皮を着こんだ動物が歩き回っています。
しばらくたって大きなケージから出された春吉は、ほかの猫たちを追い掛け追い詰める行動に。

それで、ますみさんが預かることを決め、譲渡先が見つかるまで、ながれ爺さまのお部屋をシェアさせてもらったというわけなのです。



春吉くん、保護直後に検診を受けています。
去勢済みでしたが、猫エイズキャリアで、歯は犬歯しか残っていませんでした。
でも、皆さんのご存じの通り、猫エイズキャリアの子は、ストレスを与えなければ、キャリアでない子との寿命の差は、今はほとんどありません。
嚙み合いの大げんかでもしない限り、ほかの猫にもうつりません。
「一匹飼いで、猫エイズキャリアであることも春吉の個性と思ってくださるような方が現れるまで、じっくり待ちます」と、ますみさん。



ルームメイト生活2か月。
春吉くんは、すっかり甘えんぼうになりました。



へそ天まで！



甘えん坊おじいちゃんと、甘えん坊おじさんの、まったり暮らし。
とてものどかな時間が流れます。



ながれ爺さまは、日に何度か「なあ～」と、隣室の若い友に話しかけます。
そして、ふたりは、日に何度か、ワイアー越しに交流します。
ながれ爺さまが、「いいウンチが出たぞ～」「おやつが食べたいよう」などと、ますみさんを呼ぶときには、「爺さま、どうした」とのぞきに来ます。

ながれ爺さま、春吉くんにいいおうちが見つかるまでシェア生活を楽しんで、
お達者でクリスマスやお正月を迎えようね。



「かふぇ　きゃっとている」は、おいしい珈琲を味わいながら、庭猫の遊ぶ姿も眺められるカフェです。
春吉くんを迎えようかな、会ってみたいな、と思われる方がもしいらっしゃいましたら、きゃっとているさんへご連絡ください。



※かふぇ　きゃっとている
　土日のみ営業。11時～17時まで。℡０４７・７０２・８２１４

---

「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを


『寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。


『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化！