大好きなベランダにて
「猫が欲しい!」と両親にお願いするも即却下。それでも諦めきれずに猫の飼い方の本を読み、プランを何度も練り上げ、プレゼンすること数回......。ようやくOKをもらえたという当時小学5年生だった井上舞さんは、その後獣医師となり、現在はペットフードメーカーに勤務。これまで猫との暮らしを欠かしたことがないと言います。
年の差はなんと18歳
井上さんの家には19歳の猫「たび」と4ヶ月の「ちゃみ」の2匹の年の差三毛猫(ともにメス)がいます。さっそくシニア猫の話に移りたいところですが、まずはなぜこんなにも年の差のある多頭飼育をしているのか気になった筆者。聞けば、1年前に9歳の猫「ほたる」を突然亡くし、深く落ち込んだ井上さん。シニアのたびまで居なくなったら、きっと耐えられないと不安を抱えていたときに、井上さんをよく知る知り合いの動物病院から一報が入ったのです。「かわいい保護猫が来たよ」と。先方から送られた写真を見ると、白が多めの三毛猫に一目惚れ。柄がドンピシャだったそうです。また2歳になる娘さんの教育の一環として、一緒に成長する良い機会だったり、たびも一匹になり落ち込んでいたりと、包括的に良きタイミングだと判断し、迎え入れに至りました。いまはまだお互いを認識する期間ということでたびを優先し、ちゃみはケージ暮らしをしています。
風を感じ、匂いを吸って。綺麗な毛並みだ
こちらが新入りのちゃみ。家に来てまだ1ヶ月半(取材時)
手間を掛けずに猫管理
仕事に家事に子育てにと忙しく、たびと接する時間が減る中、loTデバイスを駆使したペットサービスをうまく活用している井上さん。猫トイレは「トレッタ」を導入。体重測定や、尿の量を10g単位で計測できるのがうれしいそうです。また首輪に「Catlog」のサービスを使い、猫の行動を24時間365日記録できるものにしています。どちらのサービスもスマートフォンで簡単にチェックでき、「手間を掛けず」に猫の健康状態を管理できる優れもの。猫の飼育も次世代へ――。今後、利用者数とフィードバックが増えれば、自ずとご長寿猫も増えていくのでしょうね。
ベッドの上がお気に入り
この首輪がハイテクなんです!
え? それは初耳
そ、それはイカ耳
病気と薬とフードと
19歳になるたびの健康状態ですが、腎臓は「ステージ2」相当で、急激に悪くなるほどでもなく、ごはんと薬で様子を伺い中。腎臓病の薬「ラプロス」と腎機能をサポートする「アミンアバスト」のサプリメントを朝晩2回与えているとのことです。サプリの方はカプセルが大きいので飲ませるのが大変らしく、「少し慣れが必要です」と井上先生。
一方、ケージから解放されたちゃみ
体力が有り余る!
恵方巻きか!
たびのフードは幼い頃から「ロイヤルカナン」や「ヒルズ」といった老舗メーカーのものを与え、現在はロイヤルカナンの腎臓フードがメインだと言います。また、食いつきをよくするために市販のメーカーにも頼り、ウエットタイプも添えているそうです。体重の増減を注視し、いかに食べさせるかが当面の課題。また、過去の経験から多頭飼育には「競って食べ合う」という良い傾向もあり、今後2匹が一緒に生活するとどうなっていくのか? といった点も楽しみなところです。
それあかんやつな
そこも娘ちゃんの席な
動物病院にも勤務し、数々のシニア猫を診て来た井上さんにシニア猫たる特徴を伺ってみると、「とにかく気が強い猫が多い」という雑感。ストレスを感じない猫は最強なのかも。これから始まる井上家の多頭生活において、新米猫のちゃみを蹴散らすほどの暴君を、たびは果たして発動するのか? それともスルースキルでしのぐのか? しばらく様子を見ていくとしましょう。
「猫又トリップ」が書籍になりました。
『
ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』
15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。
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(ΦωΦ)
写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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うちのおじいちゃん猫も気が強いです。気に入らない同居猫に唸ったり、ケンカふっかける。
でも、元気な証拠!
by ちぃ 2021-12-01 22:48
ちぃさん
何柄なんですかね?
うちもそうなんですが、三毛猫は気が強いという印象があります。
by ケニア・ドイ 2022-01-03 15:10