[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

みにゃさま、こんにちは。
今年もたくさんの猫さんからのメッセージをご紹介しましたが、最後のブログはある犬のお話です。

それは6年前のこと――。とても印象的なセッションがありました。
ミニチュアシュナウザーのノンノちゃん（推定18歳）とお話したのですが、これから来るのであろう自らの旅立ちの様子――死に際にどんなことが起こるのかをノンノちゃんは詳細に教えてくれたのです。
それは、飼い主のゆかこさん御一家が、その時に慌てないよう、怖がらないよう、驚かないようにという思いからでした。このことでゆかこさん達は看取りの覚悟と準備ができ、家族全員で「ありがとう。行ってらっしゃい。」という気持ちでノンノちゃんを見送ることができたのでした。
そして今年、飼い主のゆかこさんをお招きし、インスタライブで当時のことをお話して頂いたのですが、その時にサプライズで天国のノンノちゃんからのお手紙を読んだのです。
そのお手紙がこちら。

私の大好きなみんなへ
お元気ですか？
私はしっかり元気です。
遠い遠い昔のように感じるし、つい最近のようにも思えるあなたたちとの日々。宝物です。
宝は朽ちることなく永遠に輝き続けます。
そして今日この日のように、また新しい宝としてみんなの手元に届きます。
みなさんへ。
諦めないでください。生きてるといろいろあると思います。
どうか生きるということを諦めないで下さい。
命は天の授かりものって言うけれど、あなたの人生はあなたのものです。
その命をしっかり掴んで離さず自分のものにして下さい。
どう使うかは自由です。あなたの人生なんだから。
何があっても生きて下さい。寂しい時は私を思い出して。
岩津さんも相談に乗ってくれると思います。うちの人たちも。
とにかく生きて欲しいと今日は伝えたかったんです。
命はあなたのもの。それだけは忘れないで。
うちのみんなは放っておいても大丈夫です。
案外強いし、よくわかってるから。自慢の家族です。
みんないい子いい子。
じゃあまたね。
ノンノばあばより

このお手紙に大変反響があり、多くの方からメッセージを頂きました。
そのメッセージの多くは、「人生を諦めていたけれどノンノちゃんの言葉が生きる力となりました」「生きることを終わりにしようと思っていたけれど、もう一度踏ん張って生きてみようと思います」という「自らの死」を考えていたという内容でした。
お手紙が多くの方の希望となったことは嬉しかったのですが、その一方で、こんなにも多くの人が人生を終わりにしようと思っていたことを知るきっかけとなり、驚きと同時にショックでもありました。ノンノちゃんはこういう現状を知っていて、今この時に天国から発信してくれたのでしょう。

この２年、日本だけでなく世界中がコロナ禍により個も社会も大きな変化を余儀なくされました。人と会えない孤独、あきらめざるを得ないこと、自分の力ではどうしようもできない無力感、感染による身内や友人知人の死、感染後の体調不良、悲しい悔しい辛いという言葉だけでは表現できない程の身を裂かれるような心の傷が生まれました。
少し前から日常の制限が緩和され、年末年始が近づき、クリスマスや大みそかお正月と華やかで楽しい行事は続きますが、そんな時だからこそ心の傷がぶり返したり、孤独を感じたりする方もおられるのではないかと思います。

ノンノちゃんは推定2歳の時に繁殖元から捨てられ、側溝でうずくまっているところを発見されました。ガリガリでダニだらけ、心臓を患っていましたが、心身ともに健康的な暮らしで完治し、その後16年ゆかこさん達と暮らし天寿を全うしました。
この日のインスタライブの動画を見て、心無い繁殖元に使い捨てにされたノンノちゃんが第二の犬生をどんなに豊かに生きたか、その息吹も感じて頂けたらと思います。
動画は全部で1時間22分。お手紙は1時間過ぎた辺りです。
インスタライブの動画はこちらです。
お時間に余裕のある方はぜひ最初からご視聴頂けたらと思います。ノンノちゃんとの出会いから旅立ちの時まで、詳しくお話して頂いています。
お散歩しているノンノちゃんの動画もあり、ゆかこさんの話を聞きながらルンルンと歩いているノンノちゃんを見ていると、動物たちと一緒に居られる今この時は、体調や年齢に関係なく、どんな状態であっても確かに同じ命の時間であり、同じ愛する家族なのだと教えてもらえたような気がしました。

ノンノちゃんが私たちに望む「生きる」ということ。
なぜ生きなければならないのかと考えた時、一人一人の一生には多くの命が重なり連なっていることに気付かされます。生涯という広範囲でなくとも、一日にしてもそうです。食べる命、身にまとう命、共に暮らす命、出会う命、挙げれば切りがないほど多くの命で今の私が構成されています。
どのような理由であれ命を自ら途中で終わらせるということは、その関わった無数の命を無駄にするという結果に気付きます。生ききるために与えられる命、頂いた命に生かされているという現実。
本当はもっとこの世に滞在したかったという想いを天国の動物から聞くこともあります。そんな命も今生きている私たち一人一人と連なり、これからも生きていくことで彼らの想いをこの命で引き継いでいるのかもしれません。

今年一年ありがとうございました。
来年も動物たちのさまざまなメッセージをお届けできればと思います。
みなさん良いお年をお迎えください。


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