ぬーん。意思が強そうな面構えだ
「本当は猫なんて飼う予定はなかったのに......」そう語るのは東京都在住の漫画家、大盛のぞみさん(37歳)。そして現在、16歳の白黒猫「岩海苔」(オス)を筆頭に、人間の数よりも多い5匹の猫と暮らしているといいます。一体、彼女に何が?
担当編集者は猫がお好き
今から約5年前のお話。大盛さんと猫の関わりは担当編集者の「お願い」からでした。なんでも猫アレルギーで妊娠中の知人が、訳あって5匹の猫を保護したのだけど、10歳近くの大人猫のためなかなか譲渡先が見つからなくて困っているのだとか。そこで、大盛さんのSNSのフォロワーさんに対し、譲渡先募集の投稿をしてみてもらえないか? と......。そこから大盛さんの猫飼いの歴史は大きく動き出したのです。
大盛先生と岩海苔。まずはオヤツでご機嫌とりだ
しかし、提供された写真で大盛さんが投稿(募集)するも反応はなし。そこで火が付いたのか、大盛さんは保護主さんの家が近いこともあり、「実際、自分の目で見て漫画にすればもっと反響があるのでは?」と考え、行動に移したのでした。
とてもカッコいい岩海苔。でも来客は少々苦手のようだ
保護された5匹は家族らしく、会いに行った大盛さんの目の前に現れたのは父親の白黒猫(推定11歳)ただ1匹。嫌そうにしながらも撫でさせてくれて、それと同時に実家で過ごした猫との日々を大盛さんは思い出しました。たしか、昔の田舎の飼育方法だと10年持たない命だったはず......。そんなふうに記憶していましたが、今は頑張れば20歳まで生きる子もいると猫好き編集者を通して知ることとなったのです。何十年ぶりかの猫の体温を感じ、なによりも黒く大きな瞳に惹かれ、ついに「この先の10年を一緒に過ごしてみよう!」という結論に。ご主人の了承も得ないまま、その日そのまま猫を連れて帰るという離れ業をやってのけたのでした。
出来るコトなら子猫から育てたかったと語る大盛先生
うれしそうな岩海苔
岩のように大きく、頭に海苔が乗っているような容姿から、その白黒猫に「岩海苔」と命名し、16歳まで過ごしてきました。ちなみにご主人のバブ夫さん(38歳)の初日の反応は「僕、絶対面倒見ないからね!」とキレ気味だったそうですが、今はどこに出しても恥ずかしくない猫の下僕に仕上がっているとのことです。
他人事ではなく自分事。意識の変化から次のステージへ
漫画に書いて譲渡先を募集するという予定から、まさか自身が飼い主になるなんて......。その後、「猫を引き取った」と大盛さんのSNSに投稿すると続々と問い合わせがあり、残る4匹の譲渡が決まっていきました。他人事から自分事に意識が大きく変わったことが多くの人の心を動かす要因にもなったようです。そこから大盛さんは保護猫活動にも積極的に参加するようになり、自身も自然と多頭飼育のステージへと駆け上るのでした。
お尻トントン、気持ちイイ
大盛家の3歳6ヶ月になる「じゃこてん」と「ちくわ」兄弟は、なんと当連載でも登場した「モコ」の飼い主maiさんの家からやってきた猫たちだという不思議なご縁もありました。
(過去記事:
心優しいご長寿猫「モコ」とそのご家族のお話(前編) ~SNSで人気の白猫「コト」のおうちで)
じつは前述の猫好き編集者は、大盛さんとmaiさんの書籍の担当編集者。そのため、お見合いまでの流れもスムーズでした。当初、大盛さんは1匹を考えていたものの、兄弟を引き離すのが可哀想に思えてきて2匹同時に迎え入れることにしました。また、このじゃこてんとちくわの「練り物兄弟」が大盛さんの出身地である「愛媛県」からやってきたということにご縁も感じ、多頭飼育へ大きく背中を押したのでした。
集合―!
こちらはタラコ。この日、残念ながらじゃこてんとちくわ兄弟を写真に収めることはできなかったのだ。シャイなやつらめ!
今でも岩海苔と練り物兄弟のオス同士の相性は良く、太鼓持ち気質の兄弟は長兄を立てまくり、多頭飼育は成功に。3匹一緒に寝ている姿を見るたびに、「迎え入れて本当によかった」と大盛さんは胸を撫で下ろすのでした。しかしながらその後、訳ありで家族に加わった「イクラ」と「タラコ」(エキゾチックショートヘア・ともに3歳)の「魚卵姉妹」はオスとは関わらず、塩対応なのだとか。こうして大盛家は家族4人と猫5匹の大所帯になったのです。
さて、お話は後編へと続きます。次回は岩海苔の健康面についてお伺いしまーす!
三毛柄のイクラ。あざと可愛いぜ!
大盛のぞみさんのInstagram(
@imoootjy)
「猫又トリップ」が書籍になりました。
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15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。
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(ΦωΦ)
写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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大盛先生のお顔、初めて拝見しました。お美しい。ご自身の絵のイメージではどんなおばさんかと思っていました。
旦那様も家族写真を撮る際、セーラームーンの格好をされたとブログにあったような。(間違っていたなら申し訳ありません。)
岩海苔さんの名前の由来はそういうことだったのですね。
御長寿猫とは関係のないコメントになってしまいました、失礼致しました。
大盛先生、岩海苔さん、お元気で。
ケニア・ドイ様、ありがとうございました。🙇🐱🐹
by hiroーRX7 2022-03-09 13:49
hiroーRX7さんへ
大盛先生をよく知る方だとはちゃめちゃ面白イメージがありますがw
ここは私の聖域なのでお美しく撮影させていただきました!!
次回は旦那様のバブ男さんも登場するかも?! 来月の後編もお楽しみに!
by ケニア・ドイ 2022-03-14 17:18
あ! 岩海苔くんに、魚卵姉妹!
「やっぱ、猫じゃけえ」の記事が、猫部で見れるなんて、うれしいわ~。
by nao 2022-03-16 21:47
naoさんへ
大森先生のsippoの連載ですね。めちゃくちゃオモロイですよね。
いつかのsippoの新年会で「先生の猫が15歳になったら取材させてください!」っていうのがようやく叶いました。コメントありがとうございました!
by ケニア・ドイ 2022-04-12 10:43