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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2022年04月25日

「特定非営利法人  動物愛護を考える茨城県民ネットワーク(CAPIN)」さまの活動レポート(2021年度)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:茨城県

2021年8月、茨城県筑西市の方から相談を受け、人に慣れてない野犬の仔犬2匹を保護しました。その後10月になって同じ場所で野犬の仔犬3匹を保護、さらにこの時、用水路で亡くなっている子犬も発見。この異常事態に周辺を広範囲に捜索し、成犬が古いコンテナやその周りに繋がれているのを発見しました。打ち捨てられた保冷車コンテナのなかに閉じ込められていたのが4匹、周辺の草むらに身動きできない状態で3匹、近くの使われていない倉庫に隠すかのように2匹、別の離れた草むらに2頭です。犬たちは水もなく脱水ぎみで、どの犬もガリガリに痩せています。触ると骨が折れるんじゃないかと心配するほど細くて、すぐに救出する必要がある酷い状態でした。

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飼い主は、このあたりに住む住所不定の方です。8月から保護してきている仔犬のことを聞くと、やはりここにいる母犬が生んだと分かりました。ひどいことに、母犬がこれ以上仔犬を生まないように母犬のお腹を縛った上に絶食させていたとのことでした。母犬ももちろん保護しましたが、お腹には縄の跡が今でもくっきり残っています。飼い主をなんとか説き伏せ、全頭保護しました。成犬11匹の緊急保護でした。

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この11頭ですが、長期間絶食していたせいなのか、収容後最初の1週間はご飯も食べず、水も飲んでいるようには見えませんでした。さらに困ったことに、散歩に出そうとすると激しく逃げようとするので、逸走の危険があり、ケージから外に出すこともできませんでした。ご飯も食べず、人にも馴れない犬が11頭も増えて、これからどうしたらいいんだろうと当初頭をかかえましたが、2週間ほど過ぎたころから奇跡のように変わりはじめ、これがあの食事もせずケージからも出せなかった犬と同じ犬たちとは信じられないぐらい人馴れしました。
犬の神様がちょっと手伝ってくれたのかもしれません。犬たちには名前がつけられました。ゴハン、オソバ、ウドン、ソーメン、・・・、これからはもう飢えることが無いことを願って、ご飯に関係した名前にしたのです。そして、奇跡のような驚きはまだ続きます。子犬のみならず、この2か月ちょっとのうちに成犬も次々と譲渡され、残っているのは健康に問題のある3頭だけとなりました。さらに、子犬の1頭はNHKの番組にも出るという奇跡のオマケもつきました。ひどい生活を強いられた分、少しは幸せにならないとね。譲渡された子犬の写真を紹介します。

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さて、野良猫の相談が毎日のようにあります。あまりにも数が多いため、すべての野良猫を家猫にしてあげることは残念ながらできません。ですので、人馴れしていない野良猫は基本TNRで、不妊手術後また野良猫に戻すことになります。しかし、人馴れしていない野良猫であっても、なんらかのやむを得ない理由で野良猫に戻すことができず、人馴れさせて譲渡することになるケースがあります。野良猫姉妹うるるとさららもそんなケースでした。うるるもさららも最初全く人馴れしていない超シャーシャーパンチ猫でした。

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このような人馴れしていない猫の場合、たとえば部屋の中であってもうっかり放してしまうと容易には捕まえられず、何カ月も思わぬ苦労をしたりしてしまいます。そこで、人馴れしていない猫の扱いに長けた預かりさんに人馴れ訓練をおまかせすることになります。預かりさんは、手を出せば猫パンチ、隙を見せれば逃げようとする猫に対して、ひたすら辛抱強く愛情を持って接します。うるさら姉妹は、二つの預かりさん宅で愛情かけ流しの毎日を送り、いつしか撫でられるのが大好きになったのでした。最初に預かって下さった預かりさん、それを引き継いでさらに慣らして下さった預かりさん、そうやってみんなで繋いだ結果、娘さんお二人がいらっしゃる4人家族の里親様ご家族に里親会で見染められたのです。
基本怖がりのうるるとさららなので、里親様宅でも初めはケージからスタートしました。まずはケージに布をかけて頂き、その中でトイレとご飯がOKになったら今度は布を取ってみます。しばらくすると、布を取った状態でもご飯やトイレが出来るようになりました。怖がりな子は、最初にゆっくり時間をかけて段階的に慣らしていくのがコツですが、里親様ご家族も、2匹に合わせてゆっくり見守って下さいました。そのうちケージの中でお姉ちゃん達もナデナデできるようになったので、リビングフリーになりました。ケージを出たはいいものの、ビクビクのうるるとさららの定位置はソファーの下です。里親様は夜はリビングで一緒に寝て下さいました。フリーになった2匹は、リビング中を走り回り大運動会していたそうです。そのような少しずつ少しずつの積み重ねの結果、怖がりでシャーシャーだった2匹は、優しいパパとママ、2人のお姉ちゃんのいる家ネコになったのです。

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当会(CAPIN)では年間2百匹強の犬猫を譲渡しますが、そのそれぞれにこのようなボランティアさんの愛情がこもった活動が裏にあります。活動を支えているのはボランティアさん達の愛情だと言っても過言ではありません。またネグレクト犬の緊急保護では、今回ご紹介した例では飼い主様になんとか保護に同意していただきましたが、実は、説得がそんなにうまくいかない事の方が多いのです。この他にも、一団体ではとても解決できないような問題が幾つもあります。市や県、国といった行政の理解と協力が必要で、そういった行政への働きかけも欠かせません。とにかく、完全ではなくても、救えない犬猫を涙と共に残しながら、とにかくできる範囲で一生懸命やっていきます。


<ご支援くださっているみなさまへ>
いつも多くの皆様からご支援をいただきまして、本当に有難うございます。CAPIN会員一同、心よりお礼申し上げます。当会(CAPIN)は、外部の皆様のご支援とご寄付を元にしたボランティアの会員さんの活動で成り立っています。いただきましたご寄付で、多くの保護犬猫に医療を受けさせ、十分なフードを与えることができ、多くの小さな命を救うことができました。また、金銭的にだけでなく、我々の活動を支援してくださっている方々がいらっしゃるということが強い心の支えにもなっております。われわれが目指す人間と動物が殺処分なく楽しく調和して生活できる社会にはまだまだ程遠いですが、今後とも、当会はそれを目指して階段を一歩一歩登っていく所存でございます。今後ともご支援を賜れば幸いです。大変有難うございました。


「特定非営利法人  動物愛護を考える茨城県民ネットワーク(CAPIN)」
HP:http://www.capinew.jp/
blog:http://ameblo.jp/capin-blog/
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