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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2022年04月06日

気持ちは猫歴16年。あるシニア猫との出会いから始まった保護猫生活(後編)

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優しさに包まれて

※前編はこちら

 昨年、引越しをしたという大盛家。5匹の猫たちは飼い主が思っていた以上に早く慣れ、ほっと胸をなでおろしたのも束の間、岩海苔(当時15歳)の肛門付近が赤くただれている異常に気づいた時にゃぁ、さぁ大変! すぐに動物病院へ駆け込んだのでした。

 

肛門のう破裂から見つかった新たな病気


 獣医の診断は「肛門のう破裂」。その主な原因は細菌感染で、肛門のうから肛門の導菅が炎症を起こして詰まり、肛門のうに液体が溜まり破裂することがあるのだそう。「そういえば最近イライラしてたな」と岩海苔の様子を振り返った大盛さん。引越しのストレスもあったのかもしれないと、岩海苔の変化を見過ごしたことに深く反省したのでした。

 しかし、落ち込んでいる暇はなく、さらに悪い知らせが飼い主の元に届きます。それは肛門のうの件で縫合手術を提案され、麻酔に適しているのか精密検査へと進んだ岩海苔に「拡張型心筋症」が見つかったのです。11歳で大盛家に来た当初から「腎臓」が悪いことはわかっていましたが、今回の検査で心臓、さらに「甲状腺」も悪いことがわかったのでした。検査結果を踏まえ、肛門のうは塗り薬で対処。こちらは3週間ほどで完治したとのことです。

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岩海苔は大盛さんが大好き


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撫でる手を止めると、

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シャー(止めるな)と怒。怒ると漏らすらしいが大丈夫か?

 さて、新たにわかった心臓の治療はどうするのか? 麻酔が無理なので外科的手術は諦めざるを得ないのですが、有効な治療薬もあるのだとか。しかし、副作用で腎臓が悪くなると言われているからオススメはできないと......。そういった事情から、今は気休め程度の薬で経過観察する日々。幸い岩海苔の行動に大きな変化もなしです。それでも月二回は動物病院へ行く大盛さん。その背景には「今度は後悔したくない」という思いがあるようです。

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エキゾ姉妹のイクラは構ってニャン

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バブ夫さんのゴッドハンドが唸る! イクラ悶絶!


元気だった猫はたった1日で帰らぬ猫に


 じつは大盛家の多頭飼育はじゃこてん・ちくわ兄弟より先に保護猫カフェから迎え入れた大人のメス猫「おこわ」(推定5歳)が始まりだったと言います。しかし、1年半を平穏に過ごして来たある朝、突然おこわが痙攣を起こし病院へ――。一時は落ち着き、一緒に家に戻るも、その日のうちに帰らぬ猫となりました。昨日まで元気だった猫なのに......。それは、あっという間の出来事でした。

 「もっと撫でたらよかった」「好きなおやつをあげたらよかった」、そしてなにより、「もっと早く病気に気づいていればよかった」と大盛さんの後悔は今も尽きることがありません。当時を振り返ると、オイオイと泣き続け自身の体に愛猫だったおこわ型の穴がポッカリ開き、他の猫のピースでは埋めることができず、ペットロスに陥りました。

 そんな経緯があり、元々心配性だった大盛さんの性格にさらに慎重さが加味されたのです。「些細なことでも病院へ。もう二度と後悔はしたくない!」と。

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なんか企んでる顔

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ソファ下に身を潜めるイクラ!

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それを迎え撃つタラコ! 両者譲らず!

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そして停戦。平和な一日


一族を巻き込んで


 猫を助けたと言うよりも、猫には助けられてばかりなのだと猫生活に感謝する大盛さん。自身が保護猫と暮らし、時には保護活動や譲渡PRをするそんな姿に感化されたのか、遠く離れた実家(愛媛県)の母親や双子の姉も野良猫を保護し、譲渡を募るようになったのだとか。もちろん大盛さんのバックアップもありますが、一族で楽しく保護猫活動とはなんて素敵なことでしょうか。

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全ては岩海苔から始まった


 思えば猫初心者で、迎え入れたのは11歳の大人猫、岩海苔。かかとが禿げたのをストレスだと勘違いし病院で失笑され、また「岩海苔の耳が裂けている!」とこれまた勘違いして病院へ駆け込み爆笑されたあの大盛さんは何処へ? 今では積極的に保護猫活動をするほどの猫飼いさんに。今後も大盛さんが保護猫活動のうねりを起こす姿をおかわりしたいと思いませんか?

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大盛のぞみさんのInstagram(@imoootjy)

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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

ぜひ、おかわりしたいです!!
私も何匹、猫を見送っても完璧に飼えたと思えた事はありません。ああすればよかった、こうすればよかった、後悔ばかりが残ります。
その反省が、時として先走りすぎて爆笑やズッコケを生むのですが、まあ大事に至らなくてよかったなあと思います。
話は変わりますが、旦那様のお顔、初めて拝見しました。優しそうな方ですね。
ケニア・ドイ様、大盛先生、旦那様ありがとうございました(^-^)/

by hiro-RX7 2022-04-06 13:30

hiro-RX7さんへ

下の猫たちが15歳になったらおかわりしましょうねー。(あと何年? 私は生きているのか? )
顔出しOKしてくださった大盛家の皆さんに感謝です!

by ケニア・ドイ 2022-04-12 10:50