フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所: 岩手県盛岡市
65歳お一人暮らしの男性が20匹以上のねこを飼っているが、一人ではお世話をしきれず近所から苦情も出始めている、ということで心配したご親族の方からもりねこに電話がありました。飼い主の男性はお父様とお二人で暮らしていましたが、お父様が亡くなってしまったため、お一人ではねこのお世話をしきれなくなった、ということでした。
お住まいは沿岸地域、もりねこの活動拠点の盛岡市からは車で2時間ほどかかる場所です。
行ってみると、飼い主さんは個々のねこたちの名前も年齢もきちんと把握しており、ねこたちは愛情いっぱいに育てられた甘えんぼさんばかりでした。
大きな窓から光が差し込むおうち。ねこたちは出入り自由に暮らしていました。
ただ、室内にトイレが2個しかなく、排泄は主にお外でしていること、こねこは産まれても他のねこに食べられてしまうこと、お外に出た時に交通事故に遭ったり野生動物に襲われてけがをすることもある、ということなどを伺って、もりねこで引き取りに協力することにいたしました。
お引き取り数は23匹、ワクチンや不妊手術は動物病院の獣医師さんに出張手術をお願いし、一日で一斉に済ませることが出来ました。
獣医師さんに出張手術をお願いし、全頭一斉に不妊手術をいたしました。
半数がFIVキャリアであったこともあり、一気にもりねこで引き取ることはできません。幸い飼い主さんのおうちは広く、ケージさえあれば室内での保護が可能でしたので、盛岡からケージを運び、もりねこで引き取りができるようになるまでおうちで保護していただくことになりました。
手術後はケージで管理するため、部屋いっぱいにケージをたてました。
まずはノンキャリアのねこを9匹、11月にはキャリアのねこ4匹をもりねこで引き取りました。
その間、様子を見に飼い主さんのお宅に伺ったのですが、最初はケージの中のトイレ掃除もままならなかった飼い主さんが、毎朝何台ものケージをきちんと掃除してくださり、ねこのごはんもきちんと朝夕時間と量を決めてあげてくださるようになりました。
ねこたちの面倒をきちんとみてあげることができない、という悩みに解決の道筋が見えたためか、飼い主さんの表情もとても明るく溌剌としたものになり、本来の姿を取り戻したかのような印象でした。「ねこの問題はひとの問題」なのだ、ということを実感した現場でもありました。
レスキューしたねこたちは順次もりねこに入居し、譲渡を希望されるご家族が迎えに来てくれるのを待っております。(2021年12月現在)
一匹、普代村からレスキューしたねこが一緒に居ますが、現在もりねこにてずっとのご家族が迎えに来てくれるのを待っている、山田町からレスキューしたねこたちです。みんなとっても甘えんぼさんでとっても仲良しです。
<ご支援くださっているみなさまへ>
みなさま、いつも当法人の活動を応援してくださいまして、本当にありがとうございます。
私どもが活動を継続できますのも、ご支援してくださるみなさまのおかげです。心より感謝申し上げます。
今回のケースも含め、ねこの引き取りに関しては「ねこの問題はひとの問題」だと感じます。
また、今回は同時期に「高齢の飼い主が亡くなり、ねこが2匹取り残されている」というご相談が同じ沿岸地域から寄せられました。高齢の方が飼いねこを残して亡くなったり、またはお世話をしきれなくなる、というケースは今後も増加することが予想されます。
今回は幸いどちらのケースもご親族の方がもりねこに相談してくださいましたが、お一人で悩んでいる高齢者の方もいらっしゃると思います。どうしていいかわからず、放置している間にもねこの数は増え、いのちを落とすねこたちも出てくることでしょう。
ねこもひとも、しあわせに暮らせる社会の実現に向けて、喫緊の課題はねこの問題を抱えている高齢者を取り返しがつかなくなる前に発見し、適正な数の飼育をしてもらうことです。そのためにはもりねこのような保護団体だけではなく、保健所及び高齢者や生活に困窮している世帯と深くかかわっている行政の担当課との連携の道を探ることが必要であると考えています。
また、今後は多頭のねこたちのレスキューをスムーズに行うためのレスキューホームの開設も視野に入れて活動してまいります。
「特定非営利活動法人もりねこ」
https://www.morineko.org/