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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2022年04月19日

絵本の世界へようこそ

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ようこそ、あたしたち僕たちのおうちへ、と迎えてくれた2匹の猫さん。
三毛猫のミーちゃんと、灰白のハーちゃん姉弟です。

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1年半前の11月、当ブログのコメント欄に「やすんば自然園をぜひ取材してください」と書いてくださった方がいました。
聞いたことのない場所だったので、すぐに調べました。そこは、房総の里山に老建築家が20年かけて、館も庭も道もおひとりでコツコツ手作りした理想卿でした。
そして、魅力的な2匹の同居猫が!

ところが、台風襲来とコロナ禍で、閉園中。再開を待ちわびていたところ、今年4月いっぱいの週末、予約申し込みで受け付けてもらえるとのこと。
ワクワクして訪れたのでした。

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自然園の主は、瀬谷さん。東京都多摩動物公園の昆虫生態園や上野動物園の動物舎などを手がけた建築家です。
「子どもの時から、いつか自分で作った家や庭で時間を過ごす暮らし方が夢だった」という瀬谷さんが、夢をかなえる土地を見つけたのが、ここ千葉県多古町の山中でした。
ひと山をうんと格安で購入したのが、2001年。
当時は都内から週末に通って、コツコツと石組みの家や、この地ならではの自然を生かした庭や道を作り始めました。
そのうち、ここに定住し、夢の続きを追いかけ続けています。

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「都内に家があるのでたまに戻りますが、ここで暮らすと、もう都会の喧騒がすっかり苦手になっちゃって」

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猫を飼う気はなかったそうですが、たまたま近所のお宅で子猫が生まれたのを見て、2匹もらい受けました。
以来、インスタは、ガーデニングより猫の写真だらけ!
四季折々に美しい庭の風景と、楽しきトリオの生活が繰り広げられています。

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この土地は、南北に緩い勾配があり、入り口以外はすべて急斜面の、田んぼに突き出た半島のようなかたち。
理想の庭園づくりにはもってこいだったのですが、猫と暮らすにももってこい。
玄関の扉さえ閉じてしまえば、2匹は、庭から外に飛び出さないし、野生動物が侵入することもないからです。

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入り口に近いメインの建物は、石組みの壁を持つ、ロマネスクな館。
この他に建屋が3つあり、手造り途中の建屋もまだあります。
最初の館の中に置かれていたのは、イタリヤのコラム(円柱)はすでに建てている小屋に、あとは乗せるだけの屋根。

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メインの館の前には、池のある前庭。池にはすでに無数のヤゴの抜け殻がありました。蝶やトンボの飛び交う庭園です。

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私がいちばん気に入ったのは、タンポポ咲く小道。段々は、線路の枕木なんですって!

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段々を下りると、大きな樫の木がパラソルみたいに木陰を作っている広場がありました。

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前庭から段々を下りてここへ続く一帯は、雑草も生かしたメドウガーデン(草原の庭)となっています。

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樫の木の下の2匹。
仲良しきょうだいですが、ハーちゃんは、お姉ちゃんのミーちゃんには絶対服従なんですって。

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樫の木の向こうに見えたあずまや風の小屋は、バードウォッチングの小窓もあります。
「ある意味、この小屋は、終の棲家用なんです」と瀬谷さん。薪ストーブと出窓式キッチンと、草原や鳥たちを眺める小窓。最高ですね!
屋根は、ここに生えた篠竹で葺いています。

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さらに小道を下りた斜面では、エビネ蘭やクリスマスローズ、ウラシマソウなどが盛りでした。
屋根がビニールで透明な建屋では、夜、満天の星が眺められるそう。
ここは、ミーちゃんハ―ちゃんを前に、朝のコーヒー時間を楽しむ場所だそうです。

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「ここにいると、いろんなことがまだまだ楽しめる気がします。晴れた日はガーデニングや大工仕事。雨の日なら、絵を描いたり、彫刻したり、楽器を弾いたり。きっと、ずっと作り続ける一生でしょうね」
そう言って、朗らかに笑う瀬谷さんのそばでに、つかず離れず寄り添う2匹。
「入り口の床石が蝶の模様だったことに気づかれましたか?」
そう問われて、帰り際に入り口をよく見れば、たしかに!

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毎月でも訪問したい、里山のおとぎの世界。
4月いっぱいの週末は、瀬谷さんのインスタ、yasunba902からDMにて予約受付中です。(今後の公開は未定)



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

P9210072-2.jpg
猫との約束
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを

yorisoiatte.jpg
寄りそう猫
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

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しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

>まこちゃさん

2020年11月のコメント欄に「やすんば自然園をぜひブログで紹介してください」と書いてくださって、ありがとうございました!
あの地形ならばこそ、猫になって暮らしたい夢のような場所でした。

by 道ばた猫 2022-04-19 15:30

佐竹さん この度は取材ありがとうございます😊以前のコメントでお願いしたものですが…
実はミーハー🐱の飼い主は叔父なんです😅早速、喜んで報告がありました😁ぜひ毎月でも取材と称して押しかけてあげてください😊

by ちゃまこ 2022-04-19 15:35

ステキすぎて言葉を失いました。
ミーちゃん、ハーちゃん、好き♪
私も何かを始めたくなる…そんなお話でした。
春ですね〜

by 16にゃんず 2022-04-19 16:58

アンデルセン作の童話の中に入り込んだ気分になりました。プロの建築家の方が月日をかけ、工夫を凝らし、コツコツと造り上げてきた館や庭園にロマンを感じます。そこに2匹の相棒達がいることでリアリティ感がグンと増すのに、時間の流れはゆったりと…不思議で素敵な空間ですね♪

by マム 2022-04-19 17:48

ご主人の個性の豊かさが随所に窺えるのに加え、猫のミー、ハーちゃんも顔や姿かたちが個性的。ウラシマ太郎の龍宮城が海の中なら、ここは地上の龍宮城か、いやメルヘンの世界か。ここにいれば、人間もネコちゃんも、さぞかし幸せな気持ちになれるだろう。是非とも訪れてみたい。

by Y.M 2022-04-19 20:15

きれいな緑に、きれいな猫さん!絵本です。茉莉子さん、今回も素敵な写真、ありがとうございます。
保護して以来、外に出たことのないうちの仔達。こんな、安全でのびのびと歩ける所に連れて行ってあげたい。でも、戻って来なくなったら困るな・・・

by ちぃ 2022-04-19 20:46

こんな素敵なところがあるとは。
館も庭も道も手作り、そこに可愛い2匹のねこ。
ミーちゃん、さすがのミケ姉御、灰白はちわれのハーちゃんとのコンビも最高です。
松山庭園美術館へ向かう時、いつも近くの道を通っていたのですが、なかなか気づかないものですね。

by ヤンヤン 2022-04-20 04:59

すごーい! 石組みの家を作ったなんて。
写真とパッと見て、昔の建物をリフォームorリノベーションしたのかなと思ったのですが、
そうじゃないんですね。
今この日本で、こんな生活してる人がいるなんて……夢の世界すぎる……(´ー`)
ネコちゃんも幸せだね~

by nao 2022-04-20 13:20

子供の頃からの夢を実現させるのは、夢が大きい程難しいと思いますが、見事に叶えていて凄いなぁ。写真にちらりと写ったお庭も素敵ですね。豊かな自然と大好きな猫さんがいれば、都会に戻りたくなくなりますね!

by シーマン 2022-04-20 20:51

手作りの理想郷で素敵な猫さんたちと暮らすなんて羨ましいです。瀬谷さんがたまに東京へ行くときは猫さんたちはどうしているのか心配してます。一緒に連れて行ってもらえるのかな。お留守番できるのかな。

by ムヨク 2022-04-21 06:19

素敵な場所をご紹介くださってありがとうございます。春の花と猫。夢のようです、いえ、夢を叶えたのですね。行けたらいいなあ。

by ねこま 2022-04-21 18:04

>ちゃまこさん

叔父さまだったんですね! 素敵な場所を教えてくださって、本当に感謝です。
3匹目の猫になって暮らしたい!(笑)

by 道ばた猫 2022-04-22 00:14

>16ニャンズさん

はい、私も、自分の場所と時間を大切にしたいと改めて思いました。
安らげる場所があれば、きっと、いろんなことが楽しめそう。

by 道ばた猫 2022-04-22 00:17

>マムさん

子どもの時からの夢を実現したというのが素敵ですね!!
そういえば、私は、おとなになったら、いろんな景色を見たいと思ってた(笑)。

by 道ばた猫 2022-04-22 00:19

>Y.Mさん

人工的なものが目に入らない世界は、本当に気持ちのよいものと気づかせてくれる場所でした。
ぜひ、機会があれば訪れてみてください!

by 道ばた猫 2022-04-22 00:22

>ちぃさん

いわば、一つのお城。主は、瀬谷さんなのか猫たちなのか?
不思議な不思議な絵本の世界に迷い込みました。

by 道ばた猫 2022-04-22 00:26

>ヤンヤンさん

松山庭園美術館へは10~15分くらいでしょうか。
多古町は、巨木も多く、自然がいっぱいの魅力的な町です。多古米もおいしい!

by 道ばた猫 2022-04-22 00:30

>naoさん

廃材をもらったり、花の株を分けてもらったり、あまりお金をかけずに一から作り上げたのが、またすごい。
世界に類を見ない昆虫生態園で、日本建築学会作品賞を受けていらっしゃるんですよ!

by 道ばた猫 2022-04-22 00:36

>シーマンさん

夢をかなえるには、この土地との巡り会いがあったからと思います。
まだまだ進行形なのが、ロマンティックです!

by 道ばた猫 2022-04-22 00:39

>ムヨクさん

私も気になって聞いてみたんです。そしたら、一泊どまりで、置き餌をたくさんしていくそうです。
猫と暮らす前は、3~4泊なさっていたそうですが。

by 道ばた猫 2022-04-22 00:41

素敵ですね~!!ほんとうに絵本の世界ですね。ヨーロッパのお家にお招きしていただいたみたい!また気品のある三毛猫さんや灰白猫さんが合いますね。訪れたらミーちゃん、ハーちゃんがお話して案内してくれそう(これも絵本の世界)。こういう都会の喧騒を忘れさせてくれる素敵な場所があると心身共に健康でいられそうですね。

by とも 2022-04-22 06:54

>ともさん

長年房総に通っていますが、まったく知らない別世界でした!
房総には、まだまだ秘密の場所がありそうです(笑)。

by 道ばた猫 2022-04-25 02:47